Z490とH470チップセットは第11世代のCoreプロセッサにも対応可!
インテルは今CPUジャンルでAMDの大攻勢を受けて苦戦が続いています。
とはいうものの、インテルの半導体工場からのCPUの供給状況が改善されるとそれだけでパソコンのCPUのシェアが改善されたとのニュースもありますから、一般ユーザー向けの市場ではまだまだインテルブランドの強みがあるのでしょう。
インテルの新CPU、第11世代のCoreプロセッサの10nmプロセス製品は完全に今のPCの主流であるノートパソコン向けに振り分けられており、少なくとも2021年中はほぼデスクトップPC向けの10nm製品は無理な状態が続きます。
ですが性能面、特に電力効率やクロックあたり性能の面でインテルプロセッサがAMDの製品に対して不利な状況にあるのは事実。この状態を少しでも緩和する目的で開発されたのがデスクトップPC向けの第11世代のCoreプロセッサ、RocketLakeと呼ばれるシリーズです。
第11世代のCoreプロセッサの中身
RocketLakeこと第11世代のCoreプロセッサはノートパソコン向けに作られている第11世代のCoreプロセッサとはモノが完全に別となります。
マイクロアーキテクチャはノートパソコン向けの「Cove」シリーズと呼ばれている系統を採用しつつ、製造プロセスは徹底的に改善された最新の14nmプロセスが使われるとされています。
電力効率の面ではインテル自身の10nmプロセスや、AMDが使ってるTSMCの7nmプロセスには及ばないと思われますが、動作特性などは第10世代のデスクトップ向け製品で使われる14nmプロセスよりも進化していることが期待されています。
デスクトップ向けの第11世代のCoreプロセッサではかなり久しぶりにマイクロアーキテクチャ自体が一新されるため、クロックあたり性能が大きく向上することが明らかにされています。インテル曰くその幅は「二桁%」とのこと。
さらに枯れた14nmプロセスを使うことで動作クロックの最大値の方も期待できるでしょう。絶対性能に関してはある程度期待できるCPUになるはずです。
統合GPUはXeベースに
毎度「デスクトップPC向けの」を書かないといけないのは面倒ですね。
ですがノートPC向けとはモノが違うのでしょうがない..。
デスクトップPC向けの第11世代のCoreプロセッサでは統合されるGPUは、こちらもマイクロアーキテクチャが完全に一新されるXeベースのものとなります。
ただ外部GPUが使われる割合が低いノートPC向け製品とは異なり、多くの場合高性能な外部GPUを積むことが多いデスクトップPCですから、統合されるGPUは規模の小さいものになるとされています。
それでも効率の改善などの効果で従来のiGPUよりも性能アップが期待できます。オフィスワークやライトなゲーム程度なら全く問題なく動かせるでしょう。
チップセットは400番台の一部もOK
第11世代のCoreプロセッサ向けには新しい500番台のチップセットが準備されています。
正式にPCIe4.0対応となるほか、USB3.2 Gen2x2接続に対応するコントローラが組み込まれることが分っています。
事前に明らかになった情報では、一部サイトが400番台チップセットでは第11世代のCoreプロセッサに対応不可能との表示を行なっていました。
が、実は400番台のチップセットでも上位2機種なら、マザーボードのBIOSをアップデートすることで第11世代のCoreプロセッサも使えるとの発表が行なわれました。
具体的にはZ490とH470チップセットが対応しています。
著者のメインPCはASRockのZ490 Steel Legendを使っていますが、こちらのマザーボードの製品情報ページを最近チェックに行ってみたらしっかり第11世代のCoreプロセッサ対応の表記に書き換わっていました。
加えてPCIeスロット、M.2スロットともしっかりとPCIe4.0対応がうたわれるようになっていました。恐らくは400番台のチップセットが登場する前から、デスクトップPC向け第11世代Coreプロセッサの技術情報の一部はマザーボードメーカーに流されていたのでしょう。
でなければこういった対応は難しいでしょうから。