AmazonのFire HD 8をWindows PCのサブディスプレイ化する方法

著者は先日、はじめてのAmazonデバイスであるFire HD 8を手に入れてほとんど毎日のように便利に活用し続けています。やっぱり8型画面タブレットの手軽さはいいですね。

Fire HD 8 タブレット ブラック (8インチHDディスプレイ) 32GB

もちろん情報端末として完璧なものではなく、本格的にネットで調べ物をしようと思ったら高解像度・大画面を持つパソコンでの効率には遠く及びません。

このためPCに向き合っているときにはタブレット端末って結構な確率で遊び気味。

そういう風にタブレットが遊んでいる時間も活用できる方法がありました。実はAndroid系のタブレットやスマートフォンならば、ソフトウェアをインストールするだけでタブレット端末をWindows PCのサブディスプレイにすることが出来るのです。

今回はその方法と使いごこちをレポートします。

spacedeskを使う

今回使う方法はとてもシンプルで、Windows PCとタブレット端末に1つずつソフトウェアをインストールしてネットワークを介してリンクしてやるだけでOK。

再起動なども不要ですごくあっさりとタブレットのサブディスプレイ化が出来るようになっています。

使用上の制限的なものとしては、パソコンとタブレット端末が同じLAN上になければいけないと言うことだけ。こちらの条件も非常に緩くて楽ちんなものです。

Wi-Fiのアドホックモードで直接接続する訳ではありませんので、アクセスポイントやルーターを経由しても大余剰部です。タブレット側がWi-Fi接続、Windows PC側が有線LAN接続でも大丈夫です。むしろそちらの方が転送帯域の余裕が出やすいので、安定した接続になる可能性もありますね。

今回は「spacedesk」というソフトを使います。PC側にspacedesk SERVER、タブレット側にspacedeskをインストールします。

PC側の準備

PC側にインストールするspacedesk SERVERは以下のサイトのトップ画面からインストーラーを取ってこられます。https://spacedesk.net/

トップページにあるdownloadのボタンをクリックするだけでOK。

あとは取ってきたインストーラーを実行して指示に従って初期設定を行うだけです。

自動起動されるサービスが登録され、機能の一部はディスプレイドライバとして働くように出来ています。タブレット端末側が接続に来ると、Windows側ではspacedeskアプリを動かしているタブレット端末が自動的にサブディスプレイとして認識され即利用可能な状態になる優れものです。

タブレット側の準備

タブレット側にはspacedeskアプリをインストールします。こちらはそれぞれのOSに対応する公式アプリストアから導入が可能なはずです。

Google Playならばこのページ。

Amazonの公式アプリストアにも登録されていたのが驚きですが、こちらのページからインストールが出来ます。

Amazonデバイスってどちらかと言えばAmazonの豊富で良質なコンテンツを「見る」ためのビュワーとして設計された雰囲気があります。性能はそこそこで一部機能も省いて手軽に入手できる価格を実現していますから。

そんなFireシリーズ向けの公式アプリストアにこんなちょっとマニアックな機能を持つアプリがあるのはちょっとビックリでした。

接続操作の実際

実際に利用する際にやるのは接続操作、なんて大上段振りかぶった大仰なものではなくて、タブレット側でspacedeskアプリを起動。表示されるはずの接続先PCを選んでタップするだけ

通常はこれだけで自動的にPC側からはタブレット端末がセカンダリディスプレイとして認識されるようになります。

すごく楽ちん。

もちろん著者の環境では何一つ問題なくあっさりと接続出来てしまいました。

ただ、Fire HD 8と著者のWindows 10マシンの環境では、タブレットを縦画面モードで利用する際には画面が180度反転した表示状態になってしまいました。

このためWindows 10側の設定アプリから画面の向きを「逆」に指定してやる必要がありました。

とはいうものの実用上はほとんど問題なし。すぐに活用できるようになっています。

ただまあFire HD 8を縦画面で使うときに端末のどちら側が上なのか、というメタな問題はあるかもしれませんけどね。

今のところは著者の手元の機材の組み合わせではFire HD 8側を縦画面モードで使う際には、どうやっても最初は180度反転した表示になってしまうようです。

この辺りは出来ればタブレット側のアプリで表示モードの設定が出来るようにして欲しいところですね。画面の反転に関する設定項目がありません。

使い勝手は?

spacedeskのシステムを使ってみて面白いのはタブレットの画面の自動回転にキチンと対応していて、タブレット側の向きを変えて画面を回転させるとWindows PC側でもキチンと画面の縦/横が切り替わるところです。

このあたりもなかなか良く出来ています。

ちなみに横画面モードだと上下左右の反転は起こりません。

spacedeskを使ったサブディスプレイはタブレット側の画面の描画データをPC側からストリーミングの動画として送信、それをタブレットに表示しているようなものです。

このためタブレット側の表示はやや画質が落ちます。また、送信するデータ量を圧縮する目的もあって画面のフレームレートはデフォルト30fpsに設定されています。このため動きのある画面表示はやや表示がカクつく見え方になります。

またわずかとは言え送るデータの圧縮と展開、データ送信の時間が必要ですから、サブディスプレイ側の表示にはディレイがどうしても発生します。この遅延が微妙に影響を及ぼしてマウス操作にラグが出てしまい操作感に悪影響が出ます。気持ち悪い使いにくさがあります。

ただ、この辺りをあらかじめ理解していれば十分以上の実用性がある機能に仕上がっていると思います。

表示の特性を考えるとサブディスプレイ側に表示するのは、頻繁な操作が不要で一度立ち上げたらだいたいOKの、何らかの情報表示系のアプリが適していると思います。

32型4Kディスプレイよりも8型で1,280×800ドットのFire HD 8のディスプレイの方がドット密度が高いため、手元に近いところにおいてたまにチェックするような使い途が合っているかもしれません。

ゲームをフルスクリーンで遊ぶユーザーが、ゲームのプレイ情報参照用にサブディスプレイとして利用、的な使い方にはいいかもしれませんね。

他でもセカンダリディスプレイはあれば非常に便利なケースが多いですから、お手軽に画面拡張が可能なこの方法は試してみる価値があると思いますよ。