PCファンにはうれしいCPUの性能競争。Zen3 VS RocketLake?

相変わらずAMDが元気です。CPU市場でもRyzenシリーズの市場投入により一気に勢いを取り戻した感じですね。その勢いにのってGPUでも久々に性能競争に復帰してきました。

そしてCPU市場ではさらに性能を引き上げたZen3アーキテクチャの製品を早くも市場に投入。遂にシングルスレッドでの絶対性能でもインテルのCoreプロセッサを超え、ゲーム用PCでも最高の性能をうたいます。

これに対してインテルも対抗策を打ち出せるようになってきました。10nm世代の製造プロセスの本格立ち上げに注力し今の一般ユーザー向けPCの主力であるノートPCに集中していた流れから、やっと本気でデスクトップPC向け市場にリソースを回す余力が出始めた感じです。

そのあたりも含め現時点でのPC向けCPU事情をザックリまとめてみます。

Zen3アーキテクチャのRyzen 5000シリーズ

AMDは高い性能を実現して電力効率ではインテルのCoreプロセッサを圧倒したZen2アーキテクチャのRyzenシリーズの勢いそのままに、さらにIPCを大きく改善してシングルスレッド性能でも最高の性能を実現したとするRyzen 5000シリーズを市場投入しました。

AMDの公称値ではありますが、Zen3ではZen2アーキテクチャと比較して19%ものIPC改善を実現したとしています。

Zen2アーキテクチャのRyzenシリーズもIPC値は十分に高く、既にクロックあたり性能ではCoreプロセッサを上回るほどの性能を発揮しています。

ですが、どうもZen2の設計、採用した製造プロセスでは動作クロックを引き上げきることが難しいようです。インテルが半分消費電力を度外視して高クロック動作を可能にしたこともあって、シングルスレッドの絶対性能では第10世代のCoreプロセッサを抜き去りきることは出来なかったようです。

Zen3アーキテクチャを採用したRyzen 5000シリーズだとこの状況は完全にひっくり返ります。IPCの大きな改善により絶対性能でも逆転が可能になりました。

さらにRyzen 5000シリーズではCPUコアのダイの構成が変更になっていて、1ダイに8つのコアが集積されるようになりました。例えば8コア構成CPUではダイ間の通信が不要になりマルチスレッド動作でのオーバーヘッドが最小化できるようになっています。こちらも実性能の向上に寄与しています。

その代わり現状のままだと4コアなどの製品を作るには少々無駄が出てしまいます。一部コアが使えない、本来は不良品となるダイを6コアや4コアの製品として「リサイクル」することになるのだと思います。

まだデスクトップPCでもメインストリームクラスはようやく4コア製品に移行し始めたぐらいだと思いますので、Ryzen 5000番台はハイエンド指向の製品で一般PCにはやや重い中身を持つ製品と言えるかもしれません。

ただ、この製品が本当に戦う相手は第11世代のCoreプロセッサになるのでしょう。

インテルはRocketLake

インテルの現行のデスクトップPC向けのCPUである第10世代のCoreプロセッサは、実質の中身は第9世代のCoreプロセッサなどと変わっていません。若干対応メモリの動作クロックが上がって、USB3.2に対応したぐらい。CPU自体の基本性能は変わっていないのです。

その代わりプロセスの熟成と消費電力枠を大きくして動作クロックを引き上げることで、絶対性能面でなんとかRyzenシリーズに対抗しています。

が、電力効率の面では大きく水をあけられました。

ノートPC向けのCPUのうち、IceLake、TigerLakeと呼ばれるシリーズのCPUでは新しいマイクロアーキテクチャが採用され、大幅にIPC値が引き上げられているようです。特にTigerLakeシリーズのCPUでは4コア8スレッド製品がノートPC向けのRyzen、8コア製品に匹敵、あるいは一部凌駕するとのテスト結果も出ています。

この新しいアーキテクチャをデスクトップ向けに最初に持ち込むのがRocketLakeと呼ばれるCPUになりそうです。

まだインテルから詳細な情報の公表がなく、わずかな情報のチラ見せだけが行なわれている状態で予想も含む情報はかなり錯綜していますね。

複数のメディアで共通しているのは、RocketLakeシリーズはどうやらまだ14nmの製造プロセスで作られることになりそうというポイント。TigerLakeシリーズで採用された10nmのSuperFinプロセスではなさそうと言うことです。

その代わり徹底的に改善され尽くした14nmのプロセスが使われる形になります。ここから先は見解が分かれているようなのですが、14nmなのでパワーは出るけど電力効率面には期待薄、という見解と、消費電力面でも大幅な改善が成される、という見解の2つを見ました。

ただ、CPUのマイクロアーキテクチャ自体は最新のTigerLakeのものが持ち込まれ、非常に優れたクロックあたり性能+シングルスレッドの絶対性能を実現することが期待されます。

ただ、チップのダイサイズの面から、最上位製品でも8コアまでとなるようです。

ちなみにPCIeインタフェースは最新のバージョン4.0対応になり最新規格をフォローします。

インテルはIceLake世代のXeonプロセッサは、32コア製品がAMDの64コア製品であるEpycシリーズの性能を超えると言っているようですので、RocketLakeシリーズの性能にもかなり期待できそうです。

まあ、このタイプのメーカーのプレスリリースは話半分で聞かないといけないところもあるのですが。