色々巡ってまたこのキーボードに戻ってきた訳。ロジのK740
著者は以前、最近使い始めたキーボードとほぼ同等のロジクールのイルミネートキーボードを使っていました。
この製品はパンタグラフタイプのキートップの保持機構を採用しながら、このタイプのキーボードとしては異例に深いキーストローク、3.2mmを実現した非常にユニークな製品でした。
今回あれやこれやのキーボードを渡り歩いて一周回ってこのキーボードにまた戻ってきた訳です。この辺りの理由とキーボードにまつわるあれやこれやの蘊蓄をちょっとまとめてみます。
ロジクールのK780からK740へ変更の理由
このキーボードの前には同じロジクールのコンパクト無線キーボードK780を使っていました。これはかなりしっかりしたキータッチとユニークな丸形キートップを持つアイソレーションタイプのキーボードです。
マウスをMX Master系に乗り換えたこともあってロジクール独自機能の「FLOW」をキーボードも一緒に試してみるため、キーボードも対応機に乗り換えたのです。
タイプ感等々は悪くなくクリック感は良好。キートップの工作精度もなかなか高くてカチャカチャ安っぽい音がしないいい製品でした。
が、いつの頃からかK780で長文を入力すると特に右手の指の関節に重さ、疲れを感じるようになってきたのです。これがもしかすると浅いキーストロークとかなりハッキリしたクリック感のせいかも?と考えるようになって、ストロークの長いK740を購入してみたのです。
ちなみに以前使っていたオリジナルのイルミネートキーボードのほうはかなりへたっていて、一部キートップが外れて戻せなくなっていたので残念ながら使用を断念しました。
後付け臭くもある疲れの理由考察
指の疲れの理由かもしれない、と考えたのは今風のパンタグラフキーボードのタッチ感です。
2mm以下の浅いキーストロークにハッキリしたクリック感。これが今風のこのタイプのキーボードのタッチの特徴で、こちらが好みのユーザーも増えているようです。
ただわたしの場合タッチ圧が高めのため、このタイプのキーボードだと最初のクリック感を抜けた勢いのまま指がキースイッチのベースに「衝突」するような感じになります。
クリック感を弱めるか、ストロークを長く取って「ブレーキ」をかける区間を取れれば「衝突」は防げるか軽減できるはずですが、今風のパンタグラフキーボードの構造だとそれは難しいでしょう。
というわけでキーストロークが長くキーの最初の押し圧が軽め、副次的にクリック感も弱めのK740なら指の衝突現象を防げる、あるいは軽減できるんじゃないかと考えた訳です。
キーボード交換後、今のところは使用感は上々。指の疲労は感じなくなっています。
ただ、これぐらいの期間では本当の使用感は出てこないでしょう。ですのでもう少し継続して使い続けてみるつもりです。
もう一つの理由はアルファベットしか書かれていないメインキー
キーストロークやタッチの観点で疲れないキーボードが欲しいなら、手元にあるRealForceに戻すって手もありました。が、見た目のシンプルさがすごくいいんですよね、K740。
なにせメインのキーにはアルファベットしか刻印がないのですから。その刻印のタイポグラフィもなかなかクールな感じでお気に入りなのです。
バックライトの導光のために作られている刻印なのでどうやっても刻印が消えないのもメリットだと思っています。
キーボードなので万人に合うとは限らない
ロジクールのキーボードのK740、他にはない独自の個性があるキーボードになっています。
キートップの保持機構がパンタグラフ式でキートップのブレがほとんどないこと。
パンタグラフ式のキーボードとしては異例なほど長い3.2mmのキーストロークを持っていて、かつてのデスクノートで主流だったストローク2.5mmクラスのキーとも完全に別世界のキータッチであること。
ですので、パンタグラフ式ではない従来のタイプのデスクトップ用キーボードのタイプ感が得られるパンタグラフキーボード、というのが正しいポジションの製品だと思います。
押し圧は軽めで変化が少なく結果的にクリック感は弱めです。この辺りのタッチ感がユーザーによっては好みに合わない、といったことになる可能性がある他にはないタッチです。
また、基本設計は古いキーボードですので、最近のノートPCのようなアイソレーションタイプのキートップではありません。こちらもやはり好みが分かれるポイントになるでしょう。
また、こちらも設計が古いことの影響だと思いますが、キーボードの外側のフレームが広め。さらに使いやすいものではあるのですがパームレスト一体型になっているため設置面積を食います。
加えてがたつきを感じる訳ではないのですが、メカに若干の遊び等があるようでタイプ音はある程度出ます。静音型のキーボードとは言えないと思います。
そういった関係で、必要な使い勝手に合わないユーザーもある程度出てくると思われます。
タッチ感の好みなどは大手量販店のデモキーボードである程度分りますが、疲労感などは長期間使い続けてみないとなかなか分りません。この辺り、本気で選ぶときのキーボード選びの難しさかもしれませんね。