Surface Bookもバージョンアップ。Quadroも選べるようになった三代目
マイクロソフトは現地時間の5月6日、マイクロソフトの2in1 PCの最上位機種であるSurface Bookシリーズの最新モデルを発表しました。三代目となるSurface Book 3です。
液晶部分に主要コンポーネントを搭載して電子ロックによりキーボード部と分離可能なシステムを採用。ドッキング時にはほぼ完全なクラムシェルタイプのノートPCとして機能可能なユニークなマシンです。
三代目は第10世代のCoreプロセッサと最新世代のGeForce系の独立GPUを採用して性能を大幅に引き上げてきました。その中身をチェックしてみましょう。
スペック
まずはハードウェアスペックから。
CPUは第10世代のCoreプロセッサに更新されました。マイクロソフトのSurfaceシリーズはどれもSKUを具体的に公開しませんので、Surface Book 3でもどのCPUが使われているのかよく分りません。
ただ、現在世に出ているノートPC向けの第10世代のCoreプロセッサのうち、10nmプロセスで製造されるIce Lakeシリーズのものにはあまり高い性能レンジの製品はありません。ですので、冷却条件なども考えるとSurface Book 3に搭載されているのはTDP 25WレンジのComet Lake系のCPUなのではないかと予想されます。
Surface Bookシリーズで外部GPUを搭載した機種ではdGPUはキーボード側に搭載していて、タブレットにもなる画面側を分離したときには同時に消費電力を抑えられる優れた仕組みになっています。
通常、タブレット形態で高いグラフィクス性能が必要になるケースはあまり想像できませんからね。
Surface Book 3に搭載される独立GPUはNVIDIAの最新世代のもので、GeForce GTX 1650からQuadro RTX 3000までをチョイス可能です。
Quadroが選択可能なのは画面が大きな15型の方でハイエンド機のみになります。
dGPUのローエンドとなるGeForce GTX 1650でもフルHD解像度ぐらいならかなり多くのゲームに対応できます。ローエンド機にはなりますが独立GPUなしのモデルも選択可能です。
メインメモリは最大32GBまで選択可能になっています。
ワークステーション化進む
ハイエンドモデルがプロ向けのGPUであるQuadroを搭載してきたことからも分りますが、元々モバイルワークステーション的な性格が強かったSurface Book 3の方向性がさらにワークステーションよりになった感じですね。
初代の13.5型モデルをしばらく試用したことがありますが、さまざまな部分をしっかりと作り込んでありますので非常に快適に仕事が出来るマシンとして仕上がっていました。個人的にはキーボードのタッチにすごく感動した覚えがあります。
価格は元々かなり高価な方に寄せたマシンですので一般向けの製品とは言いにくいものでしたが、今回の代替わりでその方向性がよりハッキリした感じです。
最上位機種は40万円のプライスタグがつく上に「法人向け価格」という扱いにもそのあたりが明確に現れていると思います。
Surface Dock 2を使うことで複数の外部ディスプレイの利用も可能ですから、持ち運びも可能な真のワークステーションとしてフル活用も可能でしょう。
モバイルにはちょっとキツイ
Surface Bookシリーズは重量がそこそこありますので、不可能ではないもののモバイル用途で使うにはちょっと体力が必要です。
またユニークな使い勝手を実現する独自のヒンジ部分は畳んだ際にキーボード部と液晶部が密着しない構造のため、実はビジネスバッグに入れて満員電車に持ち込むのはちょっと怖い構造でもあります。
サイズ感等々ともあわせ「トランスポータブル」なマシン、ぐらいの扱いがいいと個人的には思います。
それでもこれだけの性能と品質を備えたPCを持ち運んで使えることには大きな意味がある気がします。