パソコンに必要なスペックってどんなもの?2020年時点での再確認

著者が手元で使用しているモバイルノートパソコンのバッテリーがほぼお亡くなりの状態になってしまい、バッテリー駆動だと30分と持たずにダウンしてしまうようになりました。

このため出先で仕事などをやらなくちゃいけないケースでちょっと困ったことに。ですので現在、モバイルでも使えそうなお手頃価格のノートパソコンを探しています。

で、その候補のマシンの一つの評判を見ようとザッと検索してみたところ、検索のかなり上位の方にあるサイトの記載内容に微妙に疑問符が浮かびました。

「メインメモリ8GB」の機種が異様に低評価なのです。ストレージも256GBのSSDを内蔵している機種だとこれまたかなりの低評価。

この辺りの感覚が著者の長年パソコンを使ってきた上での肌感覚とは大幅に乖離しているのですよね。今時点でのパソコンの必要スペック、もう一度チェックしてまとめてみようと思います。

使い途により大幅に変わる必要スペック

まず最初にパソコンを選ぶときに考えておかないといけない要素は、ユーザーそれぞれがパソコンでやりたいことによって必要なスペックが大幅に変化する、という部分です。

オフィスソフトとブラウザ程度が動けばいい事務仕事、CPUをフルに使い切ってしまうような動画編集とか写真の本格的なレタッチ作業、高度なグラフィクスを実現した最新の重量級ゲームを遊びたい、これら3つは同じパソコンでやるタスクとしてもその性格が180度異なるような内容のものの代表格です。

パソコンを選ぶ前にまずは何がやりたいのかをキチンと考えておきましょう。

「よく分らないからとりあえず何でも出来るマシンを買う」とか言う話になると、一番たくさん予算をかき集めなくちゃいけないケースになります。

何でもかんでも最高を求めると今は青天井に近いぐらい高価な組み合わせも出来てしまいますし、逆に必要のないものをどんどん割り切って削っていくとビックリするぐらい低予算で十分な性能を持つ一台を手にすることも可能です。

この辺りの前提条件を眺めつつ、今風のパソコンのスペックをちょっと考えてみます。

CPU

今ではデスクトップパソコンの「普通」CPUのスペックが「4コア」CPUに移行しています。かなりお手頃価格の4コアCPUも出ていますので、特にこだわりがなく、予算の制約の方も大丈夫なら4コアCPUのマシンを選んでおけば大丈夫でしょう。

ノートパソコンもデスクノートと言われる家やオフィスで使うタイプは4コアCPUがスタンダードに移行しつつあります。

オフィスソフトとブラウザが動けばいい、というパソコンにとってはすごく軽い作業メインなら、2コアCPUのPCでも十分です。

動画編集や本格的な写真のレタッチ、ネットのストリーミングで生放送したい、と言ったユーザーは、よりコア数が多いPCを選ぶ方が恩恵にあずかれる機会が増えます。

今は個人でも64コア、なんてモンスターマシンも入手可能にはなっていますが、コア数が多いCPUを搭載したPCはほぼその分、価格の方も跳ね上がっていきますので、予算と必要性能のバランスはそれぞれが見極めないといけません。

まあ、個人の趣味の範囲であれば8コア16スレッド対応のCPUがあればほとんどすべてのCPUを酷使するタスクにも対応可能です。

それ以上CPUに投資をするのは本当のプロの世界か、趣味の世界、と考えておいて良いでしょう。

GPU

こちらはCPU性能以上に動かすタスクによって必要な性能の振れ幅がデカいスペックになるかもしれませんね。

最新の超重量級ゲームを4K解像度で動かしたい!とか言うお話になると、最新で最高性能のビデオカード複数枚が必要になる可能性もあります。

また、VRやAR、MRでヘッドマウントディスプレイを使う場合には、下手なゲーム以上に高性能なGPUが必要になります。両目のための2枚のディスプレイ表示を賄う必要があるわけですから。

加えて自然な見た目にするためにVRではフレームレートを60Hz以上に上げるケースも多いので、さらに高い性能が必要になります。

逆にオフィスソフトやブラウザを使用するぐらいの使い方だと、ビデオカード、外部GPUが不要なケースがほとんどです。最近のCPUのほとんどはCPU側にそれなりの性能のGPUが統合されていますので、そちらだけで十分に対応できます。

ゲームでもブラウザで動かすゲーム、ノベルゲームのような描画はすべて2次元のゲームは基本外部GPUは必要ありません。また、3DのゲームでもドラクエXぐらいの画面のものだと、CPUに統合されたGPUだけで十分動くものもあります。

外部GPUを付けるか付けないかでPCの価格は大分違いますので、動かしたいゲームの必要スペックは良くチェックしておくようにしましょう。

例えばゲームを遊ぶ解像度がフルHDまで、といった条件で良ければ、使うGPUのグレードはグッと抑えることが出来ます。

ちなみに最近のPCの機能だとこちらにも抜け道的な解が増えました。「Thunderbolt 3」という超高速な外部インタフェースを使って、PCの外側に「外部GPUボックス」のオプションを接続可能になったのです。

この仕組みを使って外部GPUを搭載しないゲーミングノートPCも登場しています。

Thunderbolt 3端子付きのPCはあとから外付けで高性能ビデオカードを追加できる、ということも覚えておいて損はありません。

メモリ

OSにWindows 10を使うのならば64bit版でもメインメモリは通常8GBあれば十分です。

ブラウザでタブを何百個も開きっぱなしにする、といったかなり極端な使い方をするのなら別ですが、通常の範囲でブラウザ+オフィスソフト数本+メールアプリ+インスタントメッセンジャーアプリ+動画再生アプリ、程度の使い方ならメモリが足りなくなったりすることはまずないでしょう。

Windows 10は実装されているメインメモリの量をみてリザーブするメモリ量を変化させます。その量は16GBなら5GBぐらい、8GBだと3GB弱、2GBだと1GBちょっと。

OS本体の核の部分は同じサイズのはずですが、メモリに余裕があれば周辺部分もあらかじめメインメモリに展開しておくことで実際の使用感の向上を狙っています。

ですので無理をしなければ未だにメインメモリ2GBのPCでもそれなりに色々なことが出来ます。

ごく一部のメモリがあればあるだけ使えてしまうようなソフトを使うケースを除き、通常はメインメモリ8GBのマシンを選んでも何ら問題はありません。

ただ、パーツ側の都合からメインメモリ8GBのPCが作りにくくなりつつあるのは事実で、ユーザーが必要なメモリ量には関係なくパソコンの主力はメインメモリ16GBの機種に移行していく形になると思われます。

自作PC向けのパーツ市場では、4GB x 2のメモリモジュールのセットはほぼ壊滅状態になってしまっています。

ストレージ

なかなかこの言葉は普及しませんが、ハードディスクやSSDのことを意味しています。この言葉が一般的になるとスマートフォンの謎の表記の「ROM」も消えると思うのですけれどね。

さて、パソコンのストレージは今は特にノートパソコンのジャンルではハードディスク=HDDからSSDへの移行が進んでいます。

SSDには機械動作部分がないため機械的な故障が発生せず原理的に衝撃にも強いです。また動作速度もHDDよりも桁違いに速く、ストレージをSSDにするだけでパソコンの使用感が大幅に良くなります。

ただSSDにも弱点はあって、容量あたりの単価がまだHDDの数倍とお値段が高いのです。一般的な価格のPCには大容量のSSDを搭載できません。

ただこちらも一般的な使い方であれば256GBの容量があれば十分だと思います。

もしもHDD 1TB搭載のマシンとSSD 256GB搭載のPCが同じぐらいの価格なら、著者ならば絶対にSSD 256GB搭載機の方をオススメします。

大量の動画や本格的なデジタルカメラで撮影した写真を保存したい、という用途には不足しますが、通常作成するオフィス文書等々を保存しておく程度なら全く問題なく対応できる容量です。

SSDは高速だけど高い、HDDは遅いけど安い、というそれぞれの特徴がありますので、現時点ではOSやアプリなどスピードが必要なものはSSDに格納して、動画など巨大なデータはHDDに格納するように役割分担をさせるのが現実的な解です。

内蔵ストレージは256GBぐらいのSSD。容量が必要な場合には外付けの大容量のHDDを追加する、と言うのが今時点でのかなりいい妥協案になるでしょう。

ちなみにギリギリまで容量を削るなら、Windows 10を快適に使える限度としては内蔵ストレージは64GBあたりが最低ラインです。

よくよく考えてみると大量に動画を保存する、と言ってもなかなかその動画の元がないかもしれませんね。YouTubeの動画は公開した人がダウンロードを許可していない場合は、個人利用の範囲でも勝手に手元のパソコンにコピーを作るとYouTubeの利用規約違反になるはずです。

Blu-rayディスクは映像・音声データが暗号化されて記録されていますが、それを解除しようとする行為自体が違法です。TV放送のスクランブルを解除して録画する行為もかなりグレーです。

と言ったあたりを考えると一般的には大量の動画のソースになり得るのは、パソコンのデスクトップを動画でキャプチャしたり、デジタルカメラを使って自分で撮影したデータぐらいになるかもしれません。

まとめ

最後のまとめとして、2020年の時点で普通のパソコンに必要なスペックをまとめるとこんな感じになると思います。

  • CPU 4コア製品~ Core i3-9100、Ryzen 3 3200Gなど
  • メモリ 8GB
  • GPU 本格3Dゲームユーザー以外統合GPUでだいたいOK
  • ストレージ SSD 256GB

この辺りをベースに、ユーザーそれぞれがやりたいことに合わせて色々とカスタマイズしていくと良いでしょう。