Lakefieldが「Big-Bigger」な訳。実はリッチなTremontの内部リソース

インテルのTremont MAの説明資料より

スマートフォンやタブレットのジャンルで大きなシェアを占めるクアルコムのSnapdragonシリーズ、そのCPU部の特徴は高性能で高クロックな「ビッグ」コアと、そこそこの性能で消費電力が小さな「リトル」コアを組み合わせたbig.LITTLE構成です。

これにより重たいタスクの処理効率と低負荷時に消費電力を抑えるという2つの相反する性能を上手く両立しています。

それをインテル流のやり方で実装したのが3Dスタック技術をフル活用したSoC、いやSoP(System on Package)と表現したほうが正しいでしょうか、開発コード「Lakefield」で公表されているチップです。

インテルはLakefieldで採用したヘテロジニアスCPUコアのことを「Big-Bigger」と呼んでいます。

「Big」側のコアに採用されるマイクロアーキテクチャ「Tremont」の詳細な内容がある程度発表されることで、やっとなぜLakefieldがBig-Biggerなのかが見えてきました。

当初は22nm ATOM+10nm Coreと思われていた構成

インテルの3Dスタッキング技術Foverosを使ったCPUパッケージ製品の先鋒として発表されたLakefireldは、当初22nmプロセスで製造されたATOM系のSoCの上に10nmプロセスで作られる第10世代のCoreプロセッサコアを積層したもの、と思われていました。

Lakefield発表時のインテルの資料に22nm I/O + SoC、と読める記載があったからだと思います。

SoCと言えば一般的にはCPU+チップセットやI/Oコアを集積したパッケージというイメージですから、SoCと書かれればCPUコアを含むチップだと想像します。

さらに当時まだTremontの詳細は発表されていなかったはずですから、高効率コアと言えばATOMと言うことになるのが普通です。

なのでLakefieldが最初に発表されたときにコアの中身の構成は見出しの通り、22nmで製造されたATOM+10nmで製造されるCoreプロセッサコア、と思われるのが自然な流れでした。

発表されたLakefieldの詳細は

ですがその後発表されたより詳細なLakefieldの中身を見ると、CPUコア部分は第10世代のCoreプロセッサコア1つとTremontのコア4つ、さらに第11世代のインテル製GPUを統合して10nmプロセスで製造されたものであるらしいことが分りました。

そして22nmプロセスで製造される部分はほぼすべてI/Oコアのみであることがわかり、そちらにはCPUコアは含まれていません。

別のマイクロアークテクチャのCPUコアを1ダイに混載する形の完全に新しい構成のチップとなるようです。

Big-Biggerな訳

そしてLakefieldのCPU部分がbig.LITTLEではなくBig-Biggerな訳ですが、先日発表された比較的詳細なTremontの構成によって大体見えてきました。

省電力コア、といううたい文句にはなっていますが、その内部の構成はかなりリッチなもので、最新世代のCoreプロセッサにも肩を並べそうなぐらいの重厚な実行ユニット等を持つCPUに仕上がっているのです。

それ以前のATOM系列のCPUコアよりも3割増しのシングルスレッド性能を実現するとしていますが、もし高クロックで駆動したとすれば性能の比較対象はATOM系ではなくむしろCoreプロセッサの方になるのではないか、それぐらいの性能になりそうな雰囲気を持っています。

省電力コア、と称しつつかなりの実効性能を期待できそうな構成ですから、インテルがLITTLEコアではなくBigコアだ、と表明するのも納得できるだけのマイクロアーキテクチャです。

LakefieldシリーズではこのTremontコアを4つにCoreプロセッサコアが1つの5コア構成になりますから、フル稼働させれば実はかなり高いCPU性能を発揮可能な製品になりそうです。

ただ、その場合にはコンピュートダイの放熱の問題が生じそうですから、そのあたりはバランスを取った性能に抑えられることになるのかもしれません。

まだすべての内容が明らかになっているわけではありませんので、より詳細な情報や実性能が見られるようになる日が楽しみです。

ちょっとした妄想

Tremontの内部構成は省電力コアと呼ぶには少し重厚すぎる気もします。かなり最新のCoreプロセッサコアに近づきました。

このためもしかしたら最新の技術と製造プロセスでCoreプロセッサをゼロからスクラッチしたらどれぐらい効率よくダイを作れてどれぐらいの電力効率で動作するのか、そのあたりのトライを実地でやっているのではないかとちょっと妄想しました。

Tremontがインテルの次の完全新造の高性能CPUコアのパイロット版になるのかも??