初のSnapdragon 8cx搭載Windowsノート「Galaxy Book S」登場へ
初めての本格的パソコン向けSnapdragonとして8cxの登場がアナウンスされてから結構時間が経ちました。なかなか採用製品のニュースが流れてこず、Snapdragon版Windows 10もなかったことになってしまうのかと思った矢先、サムスンが搭載マシンの発売をアナウンスしました。
13.3型液晶を搭載して非常に薄く今風な軽さを実現したGalaxy Book Sです。
薄さ11.8mm
Galaxy Book Sのスペックの中でも特に注目に値しそうなのはその薄さかもしれません。
最薄6.2mm、もっとも厚い部分でも11.8mmしかありません。発熱の少ないSnapdragonシリーズならではのスペックと言えそうです。
重量の方は1kgを割る0.96kg。13.3型の液晶を搭載している最新のモバイルノートPCとしては最先端ではありませんが、十分に軽いと言える数字になっていると思います。
液晶部分はかなり狭額縁な作りになっていてフットプリントは305.2mm x 203.2mm。A4サイズよりも一回り大きいだけのコンパクトさを実現しています。
スペック
搭載されている13.3型液晶はフルHD解像度のもので、IPSパネルを使っていると思われます。
使われているSoCのSnapdragon 8cxは明確にパソコン向けをうたったSnapdragonシリーズとしては実際には2代目となるチップです。UプロセッサクラスのTDPを設定することでより高い性能を実現しています。対応するインタフェースにより性能が高い規格をサポートすることで、より本格的なPCを実現することが可能なチップになっています。
まだまだx86バイナリのアプリが多いWindowsの環境においては、少しでもCPUなどの性能が高いことが求められます。その点のハンデをどれぐらい埋められるかにも注目が集まるでしょう。
Snapdragon 8cxではNVMe対応のSSDなどもサポートされているはずですが、Galaxy Book Sに搭載されているSSDはUFS2.1接続のもの。この点はちょっと残念ですね。
メインメモリは8GBを搭載し、Windows 10が十分に余裕を持って動作出来ます。
内蔵無線LANはWi-Fi 6、IEEE802.11axに対応していないのがちょっと残念ですが、Wi-Fi 5までは利用可能。Bluetoothのバージョンは5.0まで対応します。
LTEモデムも内蔵していてnanoSIMカードが使えます。
インタフェースポートはType-C形状のUSBコネクタが2つ。マイクロSDカードスロットを備えています。
内蔵バッテリーの容量は42Wh。さほど大容量ではありませんが、Snapdragonならはの優れた電力効率のおかげで最大23時間のバッテリー駆動を可能にしています。
キータッチはユーザーを選ぶか?
特に薄いノートPCでは共通の弱点と言えるかもしれない特徴が、キーボードのキースイッチのストロークの短さです。
Galaxy Book Sも非常に薄い本体のPCですからどうしてもキーストロークは浅くなります。この部分がマシンを選ぶ人の選択基準の一つになるでしょう。どうしても好き嫌いは生まれる部分です。
強めのタッチでキー入力を行なうユーザーだとちょっと気になるかもしれません。可能ならば購入前にキータッチを確認しておく方がいいかもしれません。
Galaxy Book Sは999ドルからの価格が想定されていて、目に見えるスペック的に近いインテルCPUやAMDのCPUを搭載したx86、x64のWindows PCと価格面ではほとんど横並びになります。
当面は性能面でハンデを負うことになるはずですから、それ以外の部分で上手く訴求点を打ち出せるか、そこには注目が集まりそうです。