12.5型液晶で900g切り。「メインマシンの縮小形」VAIO SX12
VAIO株式会社はモバイルノートPCで主流となっている13.3型液晶搭載クラスのPCのサイズに、14型液晶を詰め込んだVAIO SX14を投入しました。一回り大きな液晶で快適な使用感を実現しつつ、モバイル性能も犠牲にしない作りです。
この考え方を11型クラスの、かつてはサブノートPCなどと呼ばれていたサイズのノートPCにも持ち込んできました。
さすがにパネルサイズの違いが大きいため、11型クラスのフットプリントを完全に実現することは出来なかったようですが、かなりコンパクトな筐体に12.5型の液晶を詰め込んできました。
今回はよりコンパクトな本体に「メインマシン」の能力を詰め込んだVAIO SX12を取り上げます。
メインマシンの縮小形
VAIO SX12のコンセプトとしてあげられているのが見出しの「メインマシンの縮小形」です。
11型クラスの液晶を搭載した小型機に匹敵するサイズの中に、より上位のメインで使用できるようなクラスのPCの機能、性能、使い勝手を詰め込むことを目標にして作られています。
人との重要なインタフェースであるキーボードは12.5型液晶搭載機ながら、キーピッチ19mmのフルサイズのものを搭載してきたのがその最たる部分と言えるでしょう。
液晶もVAIO S11より一回り大きな12.5型を採用して、画面、文字等の見やすさを1ランク上げています。
11.6型でフルHDの解像度だと、目の良い人でギリギリフォントスケーリング100%が実用になるかどうか。通常は125%とか150%でフォントを拡大表示した方が良いケースが多いでしょう。12.5型になれば100%のままで使えるユーザーがグッと増えると思います。
性能面でもCPUにきちんとクアッドコアのUプロセッサを搭載して十分な性能を確保しています。また、VAIO独自のターボブーストの効きを良くする「VAIO TruePerformance」を搭載。一クラス上のCPUに近い実性能を発揮します。
VAIO S11に迫るコンパクトさ
VAIO SX12はさすがに11.6型液晶搭載のVAIO S11よりも一回りフットプリントが大きくなっています。
液晶側の額縁部分はかなり狭額縁化が進められていて、特に横側はすごく細い額縁になっています。それでも液晶サイズの差は吸収しきれていませんが、12.5型液晶搭載機としては非常にコンパクトな仕上がりになっています。
額縁を狭めつつも上側は無理な狭さにはせず、受信感度で有利となるよう無線LANのアンテナを上辺に配置しているところもVAIO社のこだわりと言えるかもしれません。本体側にアンテナを持ってくれば額縁はもっと細く出来ますが、受信感度はどうしても低下してしまうのだそうです。
重量の方も少しS11よりも増加していますが900gを切る軽さを実現しており、薄い本体とも合わせ十分なモバイル性能を持っていると言えるでしょう。
極めて柔軟な電源対応
VAIO SX14から引き継がれたフィーチャーなのですが、このマシンも対応可能な電源が極めて柔軟になっているのも大きな特徴と言えます。
メインはUSB PDによる電源供給ですが、スマートフォンの充電器などの5V2Aといった入力にもしっかりと対応していて、急速充電は出来ませんが一晩かけてバッテリの残量を補う、といった対応が出来るようになっています。
コンパクトな充電器だけでも最低限の対応は可能になっていますから、出張の荷物を軽くしたりACアダプタを忘れた際の緊急対応でも幅広い対処が出来ます。
Core i5、メモリ8GB、NVMe SSD 256GBの構成で18万円弱と安いとは言えないパソコンですが、その分の中身の充実度はしっかりとあると思います。