パソコンディスプレイもハイエンドは有機ELになるのか?

2019年のCOMPUTEXで発表された新機種では、15.6型画面採用のハイエンドノートパソコンの最上位クラスが相次いで有機EL(OLED)パネルを採用し始めています。

これまでは有機ELパネルを使ったノートパソコンなどはごくごく一部で数もほとんど出ていなかったイメージですが、その流れが変わるのかもしれません。

そのあたりの事情をちょっとまとめてみます。

薄型TVのトレンドの影響を受けるパソコンディスプレイ

パソコンの薄型ディスプレイは基本的に薄型テレビのトレンドの影響をまともに受けています。

元々は縦方向の解像度を重視してスクエアなタイプ(4:3など)が多かったパソコンのディスプレイですが、今の主流のアスペクト比は16:9のワイドタイプ。

これは薄型TVのアスペクト比と同じで、こうすることで液晶などのディスプレイパネルの基盤となるガラス材などの利用効率が高くなるからです。

これ以外のアスペクト比を採用するディスプレイパネルを使った製品はどれも比較的高価格帯の製品になりがちです。例えばマイクロソフトのSurfaceシリーズなんかもそうですね。どれも高付加価値・高価格な製品達です。

そして今度はハイエンドディスプレイは有機ELパネルに移行していく可能性が出てきているのだと思われます。

こちらもやはり薄型TVのトレンドの影響で、高画質・高性能・高価格な薄型TVはほぼ全メーカーの全製品が有機ELパネルに移行してしまったからです。

このため高画質タイプの液晶パネルの生産が、今後は段々と絞られていく可能性が出てきそうなのです。

高画質&パソコン向きでもある有機ELパネル

有機ELパネルは液晶パネルに比べて基本性能がとても高いです。

色の再現も良く、それ以上に液晶とは比べものにならないレベルのコントラスト比を持ちます。

これは液晶がバックライトを必要とするパネルなのに対し、有機ELは自ら光を放つタイプのパネルであることが理由です。このため黒が本当に真っ黒になりますから非常に鋭い映像表現が可能で、真のHDR表現も出来るようになっています。

また反応速度も極めて高く、最高速のTNパネルを使ったゲーム用液晶ディスプレイを超えるレベルの性能があり、激しい動きのゲームや動画視聴でも残像感のない表示が出来ます。

色域に関してはDCI-P3やAdobeRGBを軽く完全にカバー可能な能力を持ちます。

問題は価格ですが、やはり薄型TVの方の有機ELパネルのシェア拡大によって製造のスケールメリットが出てきているのだともいます。ハイエンド機とは言え非現実的ではない価格帯までパネルの原価が落ちてきたのではないかと思います。

各社ハイエンド機が有機ELディスプレイを搭載

別記事でも取り上げたASUSのデュアルスクリーン搭載のノートパソコンの最上位機がメインディスプレイに4K解像度の有機ELディスプレイを搭載しています。

このほかにも各社のハイエンドマシンが同じパネルではないかと思われる4Kの有機ELディスプレイを搭載しています。

DELLの15型ハイエンドノートPCのXPS15のハイエンドもやはり4K有機ELパネルを採用しました。

MSIは15型ゲーミングノートPCのハイエンド機に4Kの有機ELパネルを使っています。こちらは色域やコントラストというよりは、有機ELパネルのレスポンスの高速性を評価した結果でしょう。

今のところ15型のパネルに限定されていますが、今後はもっといろいろなサイズでハイエンドのディスプレイパネルは有機EL化が進むのかもしれません。