グラフィクス向けの新MAを採用したRadeon RX 5000シリーズ登場へ

2019年のCOMPUTEXではさまざまな新デバイスの発表がありましたが、Ryzenシリーズが絶好調なAMDがとても元気です。第3世代のRyzenに加えGPUのRadeonシリーズの完全新作の発表も行なわれました。

現在Radeonシリーズで使われているマイクロアーキテクチャのGCNとは全く異なる新アーキテクチャ、「RDNA」を採用した新シリーズです。

3Dグラフィクス処理効率に特化

今回発表されたRadeonの新シリーズの開発コードは「Navi」。マイクロアーキテクチャはRadeon DNA:RDNAと名付けられています。

これまで使われてきたGCN(Graphics Core Next)よりもずっと3Dグラフィックの処理に特化したアーキテクチャになっているものと思われます。ここ数世代のパソコン向けGeForceシリーズと同じ方向性です。

GCNは3Dグラフィクスと汎用演算処理の両方を見た作りになっていたため、どうしてもグラフィックの処理効率では新しいGeForceシリーズには見劣りします。

NVIDIAが採用した戦略と同じように、AMDも汎用演算向けのGPUとパソコングラフィクス向けのGPUの作り分けを行なうことにしたと言えます。

RDNAアーキテクチャではGCNに比べてクロック当たり性能で1.25倍、電力効率では1.5倍の性能を持つとされています。

こちらの面で先行するNVIDIAのGeForceシリーズに比肩出来るレベルまで到達できるか微妙な所だとは思いますが、これまでのようにグラフィクス処理の電力効率でRadeonがGeForceに完全に突き放された状態からはかなりの改善が期待できそうです。

PlayStation 5にもNaviが

既にソニーから発表がありましたが、ソニーの次世代ゲームコンソールPlayStation 5にもNaviシリーズのGPUを統合したカスタムCPUが使われる予定です。

PlayStation 4もAMD製の統合GPUを載せていますが、そのつながりとRyzenシリーズのCPUコアの出来の良さがソニーに評価されたのだともいます。

また、こちらのニュースから見えてくるNaviシリーズのスペックもありました。

PS5にはレイトレーシンググラフィクスが搭載されると発表されていますので、恐らく将来的には新RadeonシリーズにもGeForce RTXシリーズのようなリアルタイムレイトレーシングハードが搭載されることになるのでしょう。

最初の製品はRadeon RX 5700

Naviシリーズ最初の製品はRadeon RX 5700となり、性能面・価格面のターゲットはGeForce RTX 2070シリーズになるようです。

回路規模、消費電力等のスペックが公開されていませんので詳細な比較はまだ行えませんが、新しいRadeonシリーズの性能にはある程度期待は出来そうな雰囲気です。

あるゲームではRadeon RX 5700が10%高い性能を出すとのレポートがAMDから出ていますが、他のタイトルやベンチマークの情報がないためこれを鵜呑みにしてしまうのはまだリスクがありますね。

ここまでに発表されている情報からの推測ではRadeon RX 5700のダイは同じ7nmプロセスで製造されているRadeon VIIのダイよりも小さく、リアルタイムレイトレーシング用のハードウェアが入る余地はないのではないか、と予想されています。

初期の新Radeonシリーズにはレイトレーシングは搭載されず、第2世代とか第3世代の製品まで待つことになるのかもしれません。PS5限定機能ではない、と考えたいところです。

7nmプロセスゆえの苦悩も

ここまで半導体の製造プロセスの微細化が進むと半導体を切り出すウェア1枚の製造コストが本当に馬鹿になりません。

そのためにAMDは第3世代のRyzenシリーズでは出来るだけ7nmのプロセスで作る分を減らすためにチップレットアーキテクチャを採用して、I/Oコアを作り慣れた14nmプロセスでの製造にスイッチしています。

一般に回路規模が巨大になりがちなGPUのほうがよりこの観点は問題になります。CPUのI/O部分のように分離して切り出せる機能がありませんし。

このため製造プロセスのシュリンクによる搭載可能なトランジスタ数の余裕をフルに使い切ることは難しくなります。

AMDがそのあたりのバランスをどう取っていくのかもPCファンとしては面白いところかもしれません。