インテルの10nm世代「Ice Lake」ようやく6月にリリースへ

インテルのIceLakeシリーズなどのプレスリリース

PC情報に詳しい方なら皆さんご存じの通りだと思いますが、インテルは新世代の製造プロセス10nm世代の立ち上げで非常に大きくつまづきました。

既存の14nm世代の製造プロセスの改良で新製品を賄うしか方法がなくなり、結果として新アーキテクチャでゼロからのクリーンな設計を行なったRyzenシリーズを打ち出したAMDに、CPUシェアで少しずつ圧迫を受け続けている状況が生まれています。

そのインテルの10nm世代のCPUがようやく今年6月から本格的に世に出ることになりそうです。投資家向けのイベントで正式発表が行なわれました。

Wi-Fiで3倍、GPU性能で2倍、AI性能で2.5倍

10nm世代のインテルの新CPU、Ice Lakeシリーズのうたい文句は、見出しの通り、Wi-Fi(無線通信と呼称)の通信速度で3倍の性能を実現するとしているところが一つです。これはネイティブなWi-Fi 6対応のことではないかと思われます。

GPUは第11世代のものに変わり、製造プロセスのシュリンクによる余裕を活かして演算回路の大規模化が図られます。これにより通常のチップでも現行の統合グラフィクスの2倍の性能になる、との表現になっています。

事前のその他の情報では統合GPUの実行ユニット自体は今回表明された性能差以上の規模拡大になっていますので、環境さえ整えばさらに高い性能を発揮できるポテンシャルもありそうです。

AI性能が示す内容がインテルの発表においてもちょっと曖昧ですが、ディープラーニング用のサポート命令により、機械学習の効率化が可能になる、といったお話かもしれません。

その他システムチップも10nm化

Ice Lakeシリーズは一般ユーザー向けのパソコン用CPUやサーバー向けのXeonなどに順次展開される予定です。

加えてFPGA製品やAIの推論プロセッサ、5Gネットワーク対応のSoCにも同クラスの製造プロセスが使われて、それぞれ性能等々の向上が図られるはずです。

10nmプロセスも数段階に分けて熟成

14nmプロセスの方では「やむなく」プロセスの熟成を行なわざるを得なくなった側面がありますが、10nmプロセスは最初から数段階の過程を経て製造プロセスの熟成を行なう予定が立てられています。

より具体的には2020年には10+nmプロセス、2021年には10++nmプロセスというカタチで各種工程や物理設計などの最適化が行なわれる予定です。

これに合わせる形で、さらに進化したCPU等もリリースされていきます。

Tiger Lakeは10+nmでのリリースか?

2020年にはIce Lakeに続くシリーズのCPUとして統合GPUに完全な新世代のマイクロアーキテクチャとなる「Xe」シリーズを採用した、「Tiger Lake」シリーズのCPUの投入が予定されています。

こちらはリリースタイミング的に考えれば、10nmプロセスの1段階目の最適化版「10+nm」での製造になる可能性がありそうです。

インテルではTiger LakeはXeアーキテクチャのGPUにより、4倍のグラフィクス性能と動画変換性能の実現をうたっています。

動画変換に関しては8K解像度も視野に入れた性能レンジを持つようになる模様です。

7nmの情報やハイブリッドCPU Lakefieldも

インテルでは7nm世代の製造プロセスはEUV(極紫外線)露光技術を採用したものを最初から投入予定で、2021年からの製品展開を計画しているようです。が、さしものインテルもこれまでに2度プロセスシュリンクで大きなトラブルに見舞われています。

どんどん難易度が高くなっている半導体の製造プロセス技術ですので、現在の予定通りに動く確実性はあまり高くはないかもしれません。

また、一言でまとめるならCoreプロセッサにATOMを3Dスタッキングして実現するインテル版「big.LITTLE」CPUのLakefieldも今年中の製品投入となる模様です。

待機電力の大幅な削減と低負荷時の消費電力低減で、よりモバイル用途に適した電力効率を目指す製品になります。

こちらもちょっと注目したい製品です。