ビジネスユース、普段使いに振ったメインストリーム機VAIO S15
VAIO株式会社のノートパソコン、メインストリームクラスのモデルがフルモデルチェンジしました。
今風のこのクラスのノートパソコンの流れとは一線を画する作りでちょっと面白いスペックを持つマシンです。
今回はCPU性能を大きく向上させ必要な仕様をグッと絞り込んだ実用機、新VAIO S15を取り上げます。
6コアHプロセッサを搭載可能に
VAIO S15のニューモデルには6コア12スレッド対応の高性能CPUとなるCore i7-8750Hが搭載可能になっています。
モデルナンバーの末尾がHとなっていることからも分るとおり、ノートパソコン、省スペースデスクトップパソコン向けのCPUとしては高性能ラインとなるものです。
定格クロックは2.2GHz、ブースト時には最大4.1GHzでの動作が可能です。キャッシュメモリも9MBになり45WのTDP枠とも合わせ、かなり高い実性能を期待できるマシンになります。
4コア8スレッド対応のCPUを選ぶことも出来ますがこちらもHプロセッサでTDP枠に余裕があるため、Uプロセッサの4コアCPUとはひと味違った性能を引き出せそうです。
VAIO S15が面白いのは、最近のこのクラスのノートパソコンで採用されることが多い独立GPUを敢えてオミットした構成としているところです。
先代のモデルを使っていたユーザーはあまりゲームをしない層が多かったのか、ディスクリートGPUへのニーズが少なかったとのことでこの仕様となったようです。
その代わりThunderbolt 3のポートを持っているため、外付けのGPUボックスを接続することで3D性能を大きく引き上げることが可能な余地を残しています。
メインメモリ、ストレージもメインマシンとしての余裕あるスペック
VAIO S15ではメインメモリ、ストレージも1台目のパソコンとして十分なスペックを選べる設定が行われています。
メインメモリは16GB x 2チャンネルの最大32GBを選択可能。内蔵ストレージはSATA接続のドライブ一つ、加えてM.2.接続と思われるSSDを搭載可能なスペースを持っていて、柔軟で大容量のストレージ構成が可能になっています。
チョイスできるディスプレイの幅も広く、HD解像度、フルHD、4K解像度のパネルが選択出来ます。
キーボード、タッチパッドもこだわりの作り
VAIO S15は同社の他のモデルが採用する液晶側を開くと下の端がヒンジの下の回り込んで本体をチルトアップ、キーボードを手前に傾けてタイプをしやすくする「チルトアップヒンジ」を採用しています。
キースイッチは最近のノートパソコンとしては長めのストローク1.5mmを確保。無理のない自然な配列を実現しています。
また、見た目が若干アンバランスになるものの、タッチパッドはより実用性が高い英数字キーの真ん中にずらした配置を採用しています。
キーのホームポジションに手を置いたままでタッチパッドに指が伸びやすいポジションです。
そのタッチパッドも大型化していますし、指紋センサーを搭載してWindows Helloによるサインインに対応しました。
外部インタフェースはThunderbolt 3の他にUSB3.0を3つ、Wi-Fi 5対応の無線LAN、Bluetooth4.1、ギガビット対応の有線LANポート、HDMIの外部映像出力、D-Subポートも備えて十分な拡張性を持っています。
あと、マイクロではないフルサイズのSDカードスロットを持つのもうれしいユーザーが多いことでしょう。
今どきのノートPCとしてはかなり珍しく光学ドライブを内蔵できるのも特徴かもしれません。
価格は12万円程度からとなりますが、性能・機能的にも非常に幅広い選択が可能なモデルですので、ハイエンド構成はかなりの高価格になるでしょう。
ただ、ユーザーの使い途をよく考えたしっかりした思想を感じる一台です。