さらに先の世界を目指すWindows MR。その先鋒となるHoloLens 2

HoloLens 2のプレスリリースより

MR:Mixed Realityという新しい言葉を掲げて拡張現実の世界に打って出たマイクロソフト。その一つの武器となったのが非常にユニークな機能を持った自律型のMRデバイスHoloLensでした。

他のヘッドマウントディスプレイなどでは出来ないさまざまな可能性を見せつけるデバイスで、既に多くの企業等の現場にも導入されるようになっています。

そのHoloLensがさらに性能を引き上げた第二世代となりました。スペイン・バルセロナで開催されたMWC:Mobile World Congress会場でお披露目が行なわれています。

まずはフィーチャーから

HoloLens 2は基本的には第一世代のHoloLensの正常進化形、といった趣のハードウェアを備えています。地道に初号機で不足とされた機能を補ってきました。

まず、第一に問題視された表示デバイスの視野角の狭さと解像度の問題をキッチリ潰してきています。表示システムの改善により初代HoloLensの2倍の視野角と解像度を実現しました。

「MR空間に表示したバーチャルなブラウザで8ポイントの文字が読める」というのがHoloLens 2の解像度の目安とされています。

搭載されていたSoCのCPU部分やGPU部分のパワー不足も初代HoloLensの弱点でしたが、この部分はインテルのATOMからクアルコムのSnapdragon 850にスイッチしていて、特にGPUパワーが大きく引き上げられたようです。

外部空間を認識するためのカメラをはじめとする各種センサーやこれを支えるHPU(Holographic Processing Unit)も第二世代に進化し処理能力が大きく向上。両手の指10本を別々に識別、動きを認識可能になりました。

MR空間に表示したピアノを仮想的に演奏することも出来るようになっています。

この機能によりさまざまな手を使ったジェスチャーのサポートが出来るようになるはずです。

ゴーグル状の本体の内側(装着時の顔側)には視線をトラッキングするセンサーと虹彩認証に対応するカメラが追加になっています。

前者は視線による各種操作のコントロールを可能にし、後者はHoloLens 2を制御するOSのArm版Windows 10のサインインに虹彩認証によるWindows Helloを使えるようにしてくれます。

装着性も向上していますし、MR空間を使わないときにはバイザー部分を上に跳ね上げられるギミックが追加されていて実用性も向上しています。

Azureとの連携強化

初代HoloLensよりもハードウェアの性能が大きく上がっているとは言え、HoloLens 2が持っているコンピューティングパワーにはそれほど高くない限界があります。

このため、より高度なMRなどの処理を行なうためにマイクロソフトが取った方法はクラウドとの連携でした。例えば高度で複雑な3DオブジェクトのレンダリングはAzure上のレンダリングサーバーで行ない、データをHoloLens 2にストリーミングすることで表示を行ないます。

NVIDIAなどがゲームのプラットフォームとして3Dのレンダリングサーバーを用意するのと同じ考え方ですね。非力な端末でも高度なコンピュータグラフィクスを実現する新しい方法の一つです。

HoloLens 2ではグラフィクスのクラウドでのレンダリングだけに留まらず、AI関連やその他の膨大なプロセシング能力を必要とする処理も、Azure基盤側にオフロードさせて端末の動作をサポートする方向を目指しているのでしょう。

HoloLens 2をそのアドバルーン的に使う目的もありそうです。

アプリ等はオープンに

HoloLens 2ではMR空間で使えるブラウザなどのアプリがオープンな環境に変化します。

従来は使えるブラウザはマイクロソフト製のEdgeに限られていましたが、今後は他社製のブラウザもMR空間に配置可能になります。恐らくそのためのコードを書く必要はあるでしょうが。

さらにアプリストアもマイクロソフト運営のものだけには限らず、サードパーティの手になるストアも認める方向のようです。

価格は3,500ドルとやや高くなったHoloLens 2ですが、その分のさまざまな可能性を秘めたデバイスになりそうです。