Surface風2in1っぽいモンスターゲーミングPC、ASUS「ROG Mothership」
2019年のCESに合わせる形で発表が行なわれたASUSの新ゲーミングPCがなかなかに面白いコンセプトと形をしています。
そして形が面白いだけではなく中身の方もモンスター級。
さらにノートPCのように畳んで小さくまとめることでかなりの可搬性も備えています。
今回はASUSの新ゲーミングPC、ROG Mothershipを取り上げます。
キックスタンド付きで分離する2in1風
ROG Mothershipはタブレット型の本体にキックスタンドがついていて着脱可能なキーボードを備えるタイプの、いわゆるSurface Pro型の2in1 PCのような形をしたゲーム用パソコンです。
恐らく本体はキーボード部と分離して単独でも動作可能ですが、画面はタッチパネル非対応のためタブレットとしての動作は出来ません。
このため2in1っぽいのは形だけで、トラスポータブルな省スペースデスクトップ型ゲーミングPC、あたりがこのマシンの性格を表す名称になるのではないかと思います。
ROG Mothershipでは内部の構成はSurface Proに習う形で液晶画面を備える本体側にCPUやGPUなどのパーツをすべて内蔵しています。このため使用時には本体背面のオープンエア部分をすべて冷却に利用できます。
一般的なゲーミングノートPCではキーボード側の本体は接地面側からの吸気・排気等に制限が出来てしまい、排熱機構にはどうしても制約が出ます。
ROG Mothershipはその制約を取り払うことが可能な形をしているわけです。
キーボード部はほぼ半分に折りたたむことが出来て概ね一般的なキーボードのサイズになり、使用時に奥行き方向の設置スペースを大幅に節約することも可能です。
中身はモンスター級
フォームファクタ的にROG Mothershipが使用するCPUはデスクトップパソコンのものではなくノートパソコンのものが使われています。
ただノートパソコン向けでもいわゆるHプロセッサと呼ばれる高性能ノート向けのCPUが採用されています。ものはCore i9-8950HKで、6コア12スレッド対応、定格2.9GHz動作の製品です。
外部GPUにはやはりCESに合わせて発表されたばかりのノートPC向けのGeForce RTX 2080が使われています。
ディスプレイパネルは17.3型でフルHD解像度。リフレッシュレートは144Hz、応答速度はIPS液晶ながら3msと非常に高速になっています。
メインメモリは最大64GBまでサポート。内蔵ストレージには512GBのNVMe対応SSD 3つをRAID 0構成とした超弩級の構成となっています。転送速度はなんと最大9GB/sec近い数字を叩き出します。
インタフェースにはThunderbolt 3、USB 3.1 x 4、USB 3.0、HDMI 2.0、Wi-Fi 6対応の無線LAN、Bluetooth 5.0、ギガビットの有線LANなど、非常に豊富な内容となっています。
オーディオ面では本格的なオーディオ向けDACであるESS社のSabreシリーズを使い、24bit/192kHzまでのハイレゾ音源再生を可能にしています。
持ち運び可能な形状とサイズの中に、できる限りすべての物量を詰め込んだようなイメージですね。
ゲーミングPCの新しい形の潮流になるか?
実は他社からもノートPCというよりはトランスポータブルタイプ、と呼んだ方が良さそうなゲーミングPCが登場しています。
AcerのPredator Triton 500はよりノートPCよりではありますが、ユニークな独自ヒンジによりノートPCというよりは変形可能で持ち運びできる新形状のゲーミングPCといった雰囲気です。
これらの新しいかたちのゲーミングPCがトレンドとなるかどうか、今後がちょっと面白そうです。