第2世代Ryzenシリーズのモバイル版登場

モバイル版Ryzenの情報ページ

残念ながらほぼ同時に発表されたデスクトップ版の第3世代のRyzenとは中身が異なりますが、12nmプロセスで製造され電力効率が改善された第2世代のRyzenシリーズのモバイル版が登場します。

Ryzenシリーズがちょっと面白いところは、インテルとは異なりデスクトップ版が主役を張っている雰囲気があるところです。新しいダイが登場するときには必ずデスクトップパソコン向けのチップから世に出ます。

今はパソコンの主流は完全にノートパソコンや2in1タイプのPCに移行していて、デスクトップパソコンを指名買いするユーザはかなり限られてきています。

インテルはその流れを受けて新しいシリーズは必ずノートパソコンとタブレット向けのチップから登場させます。AMDのRyzenシリーズが強いのは今のところはパソコン自作が出来るユーザーのデスクトップモデル向けの機種です。

両者のスタンスの違いはそれぞれの強いジャンルの住み分けを反映しているようです。

ちょっとマクラが長くなりました。今回はモバイル版第2世代Ryzenを取り上げます。

インテルで言うところのUプロセッサとHプロセッサ

インテルのノートパソコン向けのプロセッサは性能グレードで型番が分けられています。タブレット向けのYプロセッサ、一般的なノートパソコン向けのUプロセッサ、高性能ノート、ゲーミングノート向けのHプロセッサです。

YプロセッサはTDPで6W程度、Uプロセッサは15W、Hプロセッサは45W程度となっています。

AMDもモバイルRyzenシリーズではこのネーミングルールをそのまま採用してくれているので、製品の相対的なポジションの比較がわかりやすくて助かります。

今回登場したモバイルRyzenシリーズのチップはUプロセッサとHプロセッサ。

エントリークラスのチップは2コア4スレッド対応、基本は4コア8スレッド対応のCPUになります。

Uプロセッサの最上位機種Ryzen 7 3700Uは定格2.3GHz動作、ブースト時最大4GHz動作となっています。Hプロセッサ上位機種のRyzen 7 3750Hも不思議なことに動作クロックは一緒の設定になっています。

UプロセッサのほうはTDPが15W、Hプロセッサのほうは35Wありますので、実際の稼働時には熱的余裕の関係からHプロセッサのほうが高い動作クロックを保つことが出来るはずです。その分、実性能は高くなります。

自動オーバークロックとも言えるクロックのブースト機能のおかげで、今のCPUは定格クロックの意味がほとんどなくなってしまっています。おかげで実性能が分りにくいのはちょっと困りものですね。

あと、従来のAMDのCPUはインテルCPUに比べてブースト時の動作クロック上昇幅が小さめでした。このためマルチスレッド動作には強いのですが、シングルスレッド性能の面ではハンデがありました。

第2世代のモバイルRyzenではそのハンデがだいぶ小さくなります。

まだ同クラスのインテルのCoreプロセッサよりもブースト時の最大クロックは低めなのですが、その差はだいぶ縮まりました。

統合GPUはやはり強力

上位機種に統合されているGPUは640SP相当の演算ユニットを持っています。GPU側の動作クロックもかなり高いため、ピーク演算性能はかなり高いものになります。

ただCPUに統合されているGPUではメモリのバンド幅がかなり限定されるため、せっかくの演算能力をすべて活かすことは出来ません。

その枷がある状態でも3D負荷が軽めのゲームならば十分に遊べる性能があるはずです。

AMDの新しいGPUは24fps動画を60fpsにフレームレートを自然にアップコンバートする機能なども備わっていますので、外部GPUを付けずに動画視聴マシンにも適しています。

やっとCoreプロセッサ以外のノートPCのための選択肢が登場へ

モバイルRyzenシリーズの登場により、ようやく薄型ノートパソコン向けのCoreプロセッサ以外のCPUの選択肢が登場した感じです。それ以前のAMDのAPUはCPU性能がかなり貧弱でしたので、まさに待望の、といった表現がピッタリかもしれませんね。

定格動作クロックは同クラスのCoreプロセッサよりやや高め。IPCは最新のCoreプロセッサの方がやや有利。ブーストクロックの最大値もCoreプロセッサの方が高いです。

この辺りの関係で実性能がどうなるか、ちょっと楽しみです。

このCPUを採用したノートPCも続々登場予定となっていますので、製品の仕上がりも楽しみです。