VAIO pro 14の生まれ変わり。14型モバイルノートPC「VAIO SX14」登場

VAIO 14.0型ノートパソコン VAIO SX14 オールブラック(LTE対応)(Core i7/メモリ 8GB/SSD 256GB/Office H&B 2019) VJS14190111A

ソニーがパソコン製造部門とVAIOのブランドを手放してからある程度の日数が経ちました。最初は無難なモデルを出していたVAIO株式会社もいよいよ以前のVAIOシリーズのような「とんがった」、いわゆる「VAIOらしい」製品をどんどん投入するようになってきました。

その一つが先日世に出たクラムシェルモードでの使い勝手に全く妥協しない2in1 PCのVAIO A12と言えるでしょう。

そして今度はクラムシェル型モバイルノートPCの先端を目指すような機種が登場します。ソニー時代ならば恐らく「VAIO pro 14」と名付けられたのではないかと思われる「VAIO SX14」です。

13型のフットプリントに14型画面を

VAIO SX14は最近の13型クラスのモバイルノートパソコンのトレンドに乗った製品です。

13型液晶を搭載する機種とほぼ同じフットプリントの中に14型画面を収めるタイプの機種になっています。

VAIO製の13型ノートパソコンであるVAIO S13のフットプリントは320.4mm x 216.6mm。これに対しVAIO SX14のフットプリントは320.4mm x 222.7mm。横幅は全く同じで奥行きがわずかに6mmちょっと増えているだけになっています。

その分はこれまた最近のノートPCのトレンドである狭額縁化によって稼いでいます。

重量は最軽量モデルでは1kgをわずかに切る999gと、こちらもVAIO S13よりも少しだけですが軽量化に成功しています。

液晶の下側がヒンジの下に回り込んで本体側・キーボード側をチルトアップさせる構造といい、ルックスといい、もう完全にVAIO pro 14となるはずだったモデル、と考えても良さそうな感じです。

ビジネスユースを優先

VAIO S13の仕様もそういった方向を向いていますが、VAIO SX14もビジネスユースを強く意識した製品になっています。

外部インタフェースポートが豊富に備わっていて、通常の使用の範囲ならば恐らくポートリプリケータやUSBハブを必要としないでしょう。

さらに今では「レガシー」と呼ばれるタイプのインタフェースだと思われる、アナログRGB:D-Sub端子まで備えているのです。

安定した通信を行えるギガビットの有線LANコネクタを備えるところも特徴的ですね。

さらにUSB Type-A形状のUSB3.0コネクタも二つ持っていること、フルサイズの方のSDカードスロットを備えることなど、今の日本のビジネスユースでの使い勝手をよく考えた作りになっています。

そういったレガシーっぽい部分を抑えつつ、USB PD入力に対応するUSB Type-Cコネクタを備えていたりと、今風なエッセンスもしっかりと押えているところが上手い作りです。

ボディーは得意のUDカーボンを使用

VAIO proシリーズの系譜の匂いを感じるのは、VAIO SX14がボディーの素材にVAIOシリーズ伝統とも言えるカーボン素材を使用している部分です。

カーボンの繊維を一定方向に並べることで硬さを持たせることが出来るUDカーボンを上手く使用して、非常に堅牢で軽量な本体を実現しています。

投入されるVAIO SX14シリーズのカラーバリエーションは、やはりビジネスユース、普段使いを意識して落ち着いた外観になっていますが、素材感を活かしたカーボンの繊維が見える仕上げの復活なんかにもちょっと期待したくなりますね。

ただその代わりと言ってはなんですが、キーボードの刻印まで省いたオールブラックモデルは準備されています。

キーボードって慣れてしまえば結構刻印無しでも打ててしまいますから、外観のクールさを極めたいユーザーにはいい選択肢になってくれるかもしれません。

4kディスプレイも選べる

VAIO SX14ではディスプレイに4k解像度のパネルも選択可能です。

仕事に使う際の文字数としての表示情報量と画面サイズを考えると14型でフルHDというのはかなりいいバランスなのですが、表示される文字の美しさやグラフィックデザインなどの用途を考えると4kディスプレイにもきちんと意義はあります。

また、製品を売る際の「見せ」スペックとしては割と重要なポイントになるかもしれません。

著者はモバイル用途にVAIO pro 11を使っていますが、後継機的な位置づけとして予算が許せばちょっと手を出したくなる1台ですね。