10nm世代の新Coreプロセッサの詳細をインテルが発表

インテルの「Sunny Cove」関連情報のニュースリリース

インテルは現地時間12月11日に記者会見を行ない、真の次世代のCore(と思われる)プロセッサのアーキテクチャを発表しました。

自前の工場での10nm世代のプロセス立ち上げに大苦戦した関係もあって、インテルのここしばらくのCPUリリースの内容はかなり乱れています。

第7世代から第9世代のCoreプロセッサはアーキテクチャには一切変更がなく、14nmプロセスの改善によるクロック、消費電力の改良によってなんとかAMDの攻勢に対してだましだまし乗り切ってきた、というのがどちらかと言えば正しい状況になるのではないかと思います。

そのインテルがようやく本当の意味での次世代のCoreプロセッサの内容を発表しました。

かなり大胆な改良と回路規模の拡大も含まれていますので、最低でも10nmプロセスでの製造が前提になると思われます。そういった観点ではようやくインテルの10nm製造プロセスも量産開始の目処が立ったのではないか、とも思われています。

CPU側は大幅なIPC改善を目指す変更

新Coreプロセッサのアーキテクチャでは、今以上にさらに大きくクロックあたりの実行性能=IPCを引き上げるための改善が非常に多くつぎ込まれます。

個人的に特に驚いたのは同時実行可能な命令数を表す実行ポート数が現行の8個から10個に引き上げられることです。

インテルの今のCPCでは実行ポートごとに発効できる命令の種類が限定されていますので、単純にすべての命令を10個同時発行できる訳ではありませんが、最大1クロックで10命令を同時実行できる、というスペックにはかなりインパクトがあります。

命令セットでは最新の暗号化技術に対応する暗号処理のための命令が追加になっていて、これらを使うようソフトウェアを書き換えると暗号処理の実行速度が大幅にアップすることが既に開示されています。

また、ベクトル演算の強化も進み、一般的なプロセッサでもAVX512命令などが使えるようになるはずです。

実際に使えるメモリの量を左右するメモリの物理アドレスは52bitに、仮想メモリの方のアドレスは57bitに拡大されていて、将来的な大規模サーバーなどにも余裕を持って対応できる内容を持たせているようです。

メインメモリの一部を不揮発性メモリに置き換える動きも出始めていますので、ビッグデータを扱うデータベースサーバなどでは巨大なメインメモリの空間を使うオンメモリのデータベースが主流になる可能性もあるかもしれません。

GPUにもっと大きな改良

現行のCoreプロセッサで使われているインテル謹製の統合GPUは第9世代=Gen9と呼ばれるものになっています。これもそこそこの実効効率を持つGPUですが、そこからさらに処理効率の改善が図られます。

世に出るインテル製GPUとしては第10世代を飛び越えて第11世代、Gen11となります。(第10世代はGPUを殺して少しだけ出荷されたCannon Lakeのもの)

演算ユニットでの3Dデータの処理効率を上げる工夫もたくさん取り入れられていますが、それに加えて統合GPUの規模が大きく引き上げられるのも特徴になります。

Gen11では68EU構成のGPUが使われます。

第9世代までのCoreプロセッサの通常の統合GPUは24EUになっていますので、回路規模の面からも大幅な性能アップが期待できます。

1EUが現状のGen9のGPUと同じ8SP相当だとすると、544SP相当のGPUが一般的なプロセッサに搭載される形になります。インテルでは単純な演算性能では1TFLOPSを超える性能を持つとしています。

記者会見の会場ではUnreal Engine 4ベースの鉄拳7がかなりスムーズに動作する様子がデモされていた模様です。画面解像度や描画設定が不明ですが、それなりの画面の3Dもののゲームも普通に動かせる性能をターゲットに据えていると思われます。

ここからさらに性能を上げたIris Graphicsブランドの統合GPUが出てくるかどうかも気になりますね。

ただそうなると通常のCPUのメモリアクセスではGPU側のメモリ帯域が全然足りなくなると思われますので、Kaby Lake-GシリーズのようにHBMをスタッキングしたパッケージが必要になりそうです。

10nmプロセスで2019年末までにリリースか

これらの改良を加えたインテルの新CPUアーキテクチャ「Sunny Cove」を採用した製品は2019年末までに恐らく10nmプロセスで製造されて出荷されます。

ここに来てようやくインテルが本当の新アーキテクチャを発表できたことから、10nmプロセスでの製造の目処も立っているのでしょう。やっとインテルの本当の意味でのAMD Ryzen対応製品が登場することになると思います。