VAIOらしい「こだわり」は健在。VAIO初の分離型2in1、VAIO A12
ソニー時代からVAIOのパソコンと言えばどこかにとんがったこだわりを持つ、というイメージが定着していると思います。
軽さであったり薄さであったりUMPCの先駆けとなった小ささであったり。UltrabookのノートタイプでありながらTDPの高いCPUを搭載して高性能を実現した等々。
そんなVAIOの血統が今に受け継がれていることを実感できそうなPCがまた1台登場しそうです。VAIOシリーズでは初となる、液晶部分とキーボード部分が完全に分離するデタッチャブルタイプの2in1 PC、VAIO A12です。
Surface Proライクにはあらず
液晶部分にパソコンの機能をすべて内蔵させたタブレットPCとして着脱式のキーボードをドッキングさせることでノートPC的な使い勝手を実現する2in1といえば、真っ先に思い浮かぶのはやはりマイクロソフトのSurface Proシリーズではないかと思います。
ですがVAIO A12はもっとクラムシェルタイプのノートパソコンに近い使い勝手を実現した機種です。
デタッチャブルタイプの2in1 PCは、パソコンの主要パーツすべてが液晶側に搭載されるため重量バランスが液晶側に大きく傾いています。このためキーボードをドッキングさせた状態で大きく液晶を開くと重心が後ろに崩れて、奥に倒れてしまいやすくなるのが弱点でした。
これをカバーするためにSurface ProタイプのPCには液晶の裏にスタンドがついています。また、もっとキーボードがしっかりしているSurface BookのようなタイプのPCは、液晶の開く角度が限定されています。
VAIO A12はそこにメスを入れました。
「スタビライザーフラップ」という「足」をキーボード側に追加することで液晶を開いたときに重心の支点を後ろ側にずらし、本体が後ろに倒れてしまうことを防ぐ構造になっています。
ドッキングさせた本体の後ろ側がチルトアップしてキーボード面に自然な角度がつくところもミソですね。タイピングが楽に行える仕組みになっています。
何度も稼働する箇所ですから耐久性が気になる部分ではありますが、そのあたりはきちんと耐久試験を行なっているのだと思います。
性能は高性能タブレットPC
VAIO A12はパソコンの性能としては高性能タブレットPCといった位置づけになるでしょう。
CPUにはタブレットPC向けのCoreプロセッサ、Core i5-8200Yを搭載しています。デュアルコアHT対応のCPUで、定格1.3GHz、ブースト時最大3.9GHz動作を可能にしたチップです。
直販サイトでのCTOではより高性能なCore i7-8500YやリーズナブルなCore m3-8100Yモデルも選択可能です。
メインメモリは店頭販売モデルでは8GB、ストレージはSATA3接続の256GBのSSDとなります。
タブレットタイプの本体ながらインタフェースはなかなか豊富で、USBパワーデリバリー対応のUSB Type-Cコネクタが1つ、キーボード側にはType-A形状のUSB3.0が1つ、USB2.0を2つ持っています。
有線LAN、HDMI、アナログRGBコネクタを持つところも特徴的と言えます。
また、インカメラはWindows Helloの顔認証対応カメラです。
VAIO A12のようにしっかりとしたキーボードを持つタイプのデタッチャブル2in1 PCはキーボードとドッキングさせたときの重量がどうしても重くなるのがネックの一つでした。
ですがVAIO A12は独自のスタビライザーフラップのおかげでキーボード部を無駄に重くする必要がなくなっているため、タブレット部とキーボード部を合わせても約1.099gの重量に収まっています(セカンドバッテリーレスモデル)。
キーボード部に2つめのバッテリーを内蔵して最大15時間の動作を可能にするセカンドバッテリー内蔵キーボードを使っても重量は1,209gに収まります。
こだわりの仕様となっている分、価格はやや高めですが、最小構成ならばキーボード付きで13万円台から購入可能です。
キーボードとドッキングさせたときの使い勝手に全く妥協しない2in1 PCとして存在感を放つ存在になるかもしれません。