サムスンからもWoSデバイス登場へ。Galaxy Book2 11/2米市場に投入
明確に「パソコン向け」を打ち出して性能強化を図ったSnapdragonシリーズ、850を搭載することでリスタートを図ったWoS(Windows on Snapdragon)デバイスですが、サムスン電子もこのジャンルにGalaxyシリーズを名乗る新製品を投入します。
サムスンは言うまでもなくスマートフォンジャンルでは世界的にブランドを確立していますが、パソコン市場においては(恐らく)韓国市場以外での存在感がかなり希薄です。
それを打ち破ることが出来る機種になるか、注目の集まる製品になるかもしれません。
Snapdragon 850搭載のWindows 10機として具体的にアナウンスが行なわれたのはLenovo製に続き2製品目となります。
スペック
サムスンのWoSデバイス、Galaxy Book2のスペックを確認します。
心臓部となるSoCは当然クアルコムのSnapdragon 850です。CPU部は最大2.96GHzで動作する4コアと、1.7GHzまでにクロックを抑えた4コアの「big.LITTLE」構成を取ります。
処理性能が必要な際には高クロックのコアをフル活用し、CPUパワーを要求しない軽いタスク実行時にはクロックが低く電力効率がより高いコアに処理を任せて、トータルの実消費電力を減らそうと言う発想です。
Windows 10のSモードでは最大20時間のバッテリー駆動を実現するとしています。
ディスプレイパネルにはこちらもサムスンらしさが現れていて、12型で2,160 x 1,440ドットの解像度を持つ有機ELディスプレイが使われています。
メインメモリは4GB、ストレージは128GBのSSDを搭載しています。SSDはUFS2.0接続ではないかと思われます。
OSはWindows 10ですが、出荷時はSモードを有効にした状態になっています。
外部インタフェースとしてはUSB Type-C形状のコネクタが2つ。無線LANはIEEE802.11acまで対応。Bluetoothに関してはサムスンのニュースリリースにも記載がありませんが、最低バージョン4.2ぐらいのサポートはあるはずです。
リアカメラは800万画素、フロントカメラは500万画素のセンサーを持ちます。
搭載センサーとしては指紋、加速度、ジャイロ、地磁気、環境光が記載されていますが、GPSの記述がありませんね。
仕様の記載に曖昧な点が残っていますので、実機が登場するかより詳細な製品情報ページの公開を待つしかなさそうです。
ギガビットの携帯回線経由のデータリンク
搭載するSoCがSnapdragonシリーズのものですから当然LTEモデムを内蔵しています。
Snapdragon 850では845と同じモデムを使っているはずで、カテゴリ18クラスのLTE回線の利用が行えます。4×4 MIMO+5CAにより最大1Gbpsを超えるリンクアップ速度を実現できます。
特にアイドル時の消費電力の少なさとも合わせ、スマートフォンのような常時インターネット接続可能なデバイス、というのがWoSデバイスの大きな訴求点になります。
スリープ時にも接続を維持してメールチェックなどが可能になります。
Sペン付属
Galaxy Noteシリーズでその使い勝手に高い評価があるSペンがGalaxy Book2にも付属しています。Galaxyシリーズ「らしい」ユニークで便利な使い勝手がWindows 10でも利用可能になることが期待されます。
またGalaxy Book2のスピーカーユニットの音質チューニングにはオーディオ機器メーカーの雄AKGが参画しています。Dolby Atomsにも対応しており、薄型のタブレット本体のサイズの制約の中、どこまでの音質を実現しているのかにもちょっと期待を持ちたくなります。
価格はインテルCPU搭載の2in1パソコンと同レベルになっていて、WoSデバイスの本当のスタート時とは少しモデルの市場でのポジショニングが変わっています。真っ向からインテルCPUモデルに勝負を挑む形になりそうです。
アメリカでは11月2日の発売となり、価格は999.99ドルからとされています。
周辺機器(キーボードなど)や本体仕様が明記されていませんので、実質はどれぐらいの価格で実用的な構成となるのか、そちらもより詳細な情報が出てくることを待ちたいところです。