インテル第9世代のCoreプロセッサを発表。上位機種メイン
インテルが第9世代のCoreプロセッサの販売を開始することをアナウンスしました。メインストリームのパソコン向けにもついに8コア製品が投入されます。
さらにより高いCPU性能を求めるユーザー向けのエクストリームシリーズには最大18コア36スレッド対応のCPUも投入されます。
基本的にはサーバ向けCPUであるXeonシリーズには28コア56スレッド対応のモンスターCPUも投入されます。
今回発表されたCPUではCPU本体のセキュリティ面の脆弱性として大問題となった、Meltdownなどへのハードウェアレベルでの対策が一部、盛り込まれたようです。
メインストリーム向け
今回発表された第9世代のCoreプロセッサの中で一応メインストリームパソコン向けとされるCPUは3つ。
8コア16スレッド対応CPUのCore i9-9900K。8コア8スレッド対応のCore i7-9700K、6コア6スレッド対応のCore i5-9600Kです。
多コア製品ながらいずれも高クロック動作を可能にしているのが特徴の一つで、Core i9-9900Kではターボブーストが効いた状態では最大5GHzでの動作が可能になっています。定格クロックも3.6GHzとかなり高いところに設定されていますので、全コアが動作する状態でもかなり高い性能が期待できそうです。
メモリのチャンネル数はXシリーズとは差別化が図られていて2チャンネルアクセスに留まります。PCI-eは最大40レーンの利用が可能で、マルチGPU対応や高速なNVMe SSDの利用がしやすくなっています。
これだけ動作クロックを高いところに保ちコア数も増やしつつ、TDPのほうは95Wに押さえてきました。インテルの14nmの製造プロセスの熟成が進んだおかげなのでしょう。
また、かなりCPU性能に振った製品群ながら統合GPUを搭載しているところもこの3つのCPUの特徴と言えるかもしれません。24EUを積むGT2構成の統合GPUが入っているはずです。
直接の競合CPUとなると思われるAMDのRyzenシリーズの8コアCPUには統合GPUがありませんので、CPU性能のみを求めるユーザーでは外部ビデオカードが不要になる分、こちらのCPUを選択する方がトータルコストが安上がりになる可能性もありそうです。
また、このシリーズのCPUはヒートスプレッダとCPUダイの間の熱インタフェースにはんだが復活したことも特徴として語られています。CPUの放熱効率が大きく上がり、オーバークロック耐性も高くなっているとのことです。
Xシリーズ
さらに高いCPU性能などを求めるエンスージアスト向けとなるXシリーズのCoreプロセッサにも新機種が投入されています。
こちらは最大18コア36スレッド対応のCore i9-9980XEを筆頭に、ローエンドのCore i7-9800Xでも8コア16スレッド対応の製品になっています。
こちらも多コア製品ながら定格、ターボブースト時ともに動作クロックがかなり高いのが特徴でしょう。18コアのCore i9-9980XEですら定格3GHz動作をクリアしていて、ブースト時には最大4.5GHzでの動作が可能です。
マルチスレッド対応のアプリケーションでもシングルスレッドのみのアプリでも常に高い性能が期待できます。
その代わりTDPは165Wと、消費電力・発熱面ではかなり攻めたスペックになっています。冷却システムにはかなりしっかりとしたものを要求するCPUと言えるでしょう。
こちらのCPUは基本的には本来はサーバー向けであるXeonのコアを流用したもののはずです。このためメインメモリは4チャンネルの利用が可能でメモリの帯域幅にはかなりの余裕があります。
また、利用可能なPCI-eのレーン数も最大68と大きく、様々な用途での拡張性に富むシステムの構築が可能です。
28コアのモンスターCPUも
同時にサーバ向けCPUのブランドであるXeonにも28コア56スレッド対応のモンスター級と言ってもいいようなCPUも投入される予定です。
製品名はXeon W-3175X。
こちらはさらに大きなメモリバンド幅を実現可能な6チャンネルのメモリを利用でき、最大512GBのメインメモリのサポートが可能です。
コア数こそAMDのRyzen Threadripperに譲りますが、こちらは全コアが1ダイで作られていますので、コア間のやりとりの遅延が少なくメインメモリも全チャンネル低いレイテンシで利用可能です。
また、AMDのRyzenシリーズが苦手としているAVX命令をさらに強化したAVX512も使えるようになっています。
一般ユーザーにはちょっと遠い世界の感じがあるCPUですが、競争自体はとても面白そうなものになっている気がします。