大停電の教訓もうひとつ。一極集中は避ける
そうそう、先日の北海道大停電で痛感したことがもう一つありました。
まずは自分自身の身近なところで気づいたことですが、それはもしかしたら対災害という意味ではとても広い範囲に当てはまることだったかもしれません。
まずは自分自身に近いところのことからまとめます。
停電で仕事が出来なくなった
著者はパソコンとインターネットを活用することで普段の仕事を行なっていますので、停電になるとほぼ開店休業に近い状態になってしまいます。
それでも前回こちらの記事で紹介したような電力効率の高いパソコンと携帯電話回線経由のインターネット接続が生きていれば、災害に見舞われた中でも完全な効率は出ませんがある程度の仕事が続けられます。
ですが、先日のケースでは仕事で使うデータがデスクトップパソコンの中だけに置いてある形でした。さすがにデスクトップパソコンを動かせるだけの非常用電源はありませんから、そのデータに依存する仕事は完全にアウトです。
ちょっと意味合いと方向性が異なりますがデータのバックアップの大切さを痛感することになりました。
災害で停電する、と言ったときなどには自宅の中でメインのパソコンとバックアップ用のNASにデータのコピーを持つ、といったことには半分意味がなくなります。万が一の機材の故障に関しては自宅の機材でのバックアップの意味がありますが、停電の中でデータが必要になった場合にはせっかくのバックアップも意味を失ってしまいます。
こういったことまで考えるとデータを保管しておく場所をしっかりと分散しておかないと、データの保全の意味合いは薄れてしまうのだと言うことが実感として分りました。
一般ユーザーならクラウドストレージを活用
大企業などでは会社機能を失わせないために地方の支店にいつでも本社機能を移せる、と言ったBCPなどが検討されるはずですが、一般ユーザーが出来ることには限りがありますよね。
なので普通に手が届く範囲で活用したいのはクラウドストレージがその一つではないかと思います。
通常、クラウドストレージを運営しているサーバを置いてあるデータセンターはユーザーが住んでいる地域とは全く違うところにあることの方が多いですし、データセンター自体には停電からサーバを守る強力な非常用電源が備えられています。
稼働を続けることは出来なくてもデータが失われないようにサーバを安全にシャットダウンする時間が稼げて、クラウドストレージ側のデータが消失することはまずありません。自宅のパソコンのハードディスクがトラブってデータが飛ぶのよりも数段安全です。
昔はこういったかたちでユーザがデータのありかを分散させる、なんてことはとても考えられませんでしたが、今ならクラウドストレージを使えばそれが可能になっています。
著者の場合には、「ああ、あのデータOneDriveにコピーしておけば良かった…。」、と停電中に考えていました。
非常に長い停電ではありましたが1日半程度の時間のロスで済みましたので、仕事の大勢には大きな影響を受けなかったのが不幸中の幸いでしたが。
OneDriveやGoogleドライブなどの無料で利用可能な容量でも一般的には大切なデータをコピーしておけるスペースはあると思いますので、災害対策の観点でもクラウドストレージ活用を考えてみる価値はあると思います。
大容量のUSBメモリも
外部電源無しで動ける大容量のUSBメモリやポータブルハードディスクも身近なデータの分散先としてはピッタリですね。
データの多重化の意味でもバックアップ先の一つとして確保しておくのが良さそうです。
きっと電力も
こちらは完全に記事の本筋とは異なりますが、北海道に関しては多分電力システムにも同じことが言えます。
例のブラックアウトの根本原因は発電所の一極集中ですから。
北海道は電力の総需要が小さく、それに対して1つの発電所の出力が大きすぎるのが電力システムを脆弱にしている理由のひとつです。
火力発電所は大きくなるほど発電効率面にメリットがあるので面倒ですが、本当の意味で電力システムにロバストネスを持たせるなら、小規模の発電所を分散して各地に作るしかない、と門外漢の著者は考えます。
蛇足ではありますが。