第8世代Coreプロセッサ搭載のファンレスベアボーンZOTACから
小型筐体のベアボーンキットと言えばこのメーカー、そういう流れがすっかり定着した感のある台湾メーカーZOTACですが、またもちょっと驚きの製品を送り出してきました。
それはNUCとさほど違わないコンパクトな筐体に第8世代のCoreプロセッサを搭載しながら、ファンレスの無音動作を可能にした機種です。
今回はZOTACの新製品、新ZBOX Cシリーズを取り上げます。
TDP最大25WのUプロセッサ搭載
ZOTACのZBOX Cシリーズには、U型番の第8世代のCoreプロセッサが搭載されます。CPUのSKUはCore i7-8550UとCore i5-8250U、それとCore i3-8130Uです。
Core i7-8550UはクアッドコアでHT対応。定格1.8GHz動作で最大4GHzまでクロックが上昇します。Intel ArkのデータではTDPが15W。コンフィギュラブルTDPに対応していて、定格クロックを2GHzまで上げるとTDPは25W相当になります。
Core i5-8250Uも4コア8スレッド対応のCPUで、定格1.6GHz動作、ブースト時には最大3.4GHzで動作します。やはりコンフィギュラブルTDPに対応していて定格クロックの引き上げが可能です。
Core i3-8130Uは2コア4スレット対応のCPUで定格クロックは2.2GHz、ブースト時最大3.4GHzでの動作を可能にしています。TDPは15WでコンフィギュラブルTDPにはクロックを下げる方向でのみ対応します。
その他のスペック
メインメモリはDDR4のSO-DIMMスロットで対応し、デュアルチャンネルアクセスが可能な2スロットを持ちます。ストレージはSATA3のポートがひとつだけになっています。
インタフェースポートは小型機ながらなかなか豊富で、USB3.0コネクタが4つ、USB3.1のType-C形状のコネクタを2つ、有線LANのギガビット対応のコネクタも2つ備えています。
さらに無線系ではIEEE802.11ac対応の無線LANとBluetooth4.2のインタフェースを持ちます。
映像出力端子はHDMI 2.0とDisplayPortの1.2を2つずつ備えています。どちらも4K60Pの映像出力が可能です。
そしてコンパクトな筐体
ZBOX Cシリーズの筐体サイズは幅204mm、奥行き129mm、高さ68mmのコンパクトサイズです。容積は1.79リットルとなっています。
ですが実はマザーボードはもっと小型。この筐体のボリュームのほとんどの部分はファンレス空冷用のヒートシンクのフィンなのです。
自然対流で最大25W分の発熱を逃がさなくてはいけませんから、どうしても巨大なヒートシンクが必要です。
さらにヒートシンクでCPUから奪った熱を効率よく放散するために、ZNOX Cシリーズのケースは前後の面以外がパンチングされた状態になっています。
夏など室温が高い環境では扇風機やエアコンの風を直接当てることで、サーマルスロットリングの発生も防げそうです。この場合には、半アクティブクーリングと呼んだ方が良さそうな気もしますが。
無音動作は魅力的
一般的なノートパソコン向けのCPUとは言え4コア8スレッド対応のかなり強力なコンピューティングパワーを持つCPUを無音で利用できるようになる、というのはかなり魅力的なことです。
連続で高負荷状態の動作を安定して行ない性能もフルに引き出すためには少し工夫も必要になると思いますが、それを考慮に入れても無音PCにはとても心惹かれるものがあります。
外見も従来のZOTACのベアボーン同様になかなかカッコイイデザインになっています。小型PCを組むための選択肢に、またひとつうれしい製品が生まれたと言っていいと思います。