まさにモンスター。32コア64スレッド対応のRyzen Threadripper登場へ

AMDのRyzen Threadripperの情報ページ

RyzenシリーズのCPUダイをほぼそのまま使ったAMDのサーバ向けCPU、EPYCシリーズには第一世代のRyzenシリーズの時代から内部で4つのコアを接合した32コアCPUが存在しました。

そのままではさすがに一般ユーザー向けにはオーバースペック過ぎることや、直接の対抗となるインテル側のCPUが存在しないことなどから、一般的なパソコン向けには16コア32スレッド対応のRyzen Threadripperまでしかリリースされませんでした。

その後、インテルは18コア36スレッド対応のCoreプロセッサをリリースするなどして対抗。インテルはサーバ向けのXeonシリーズでは1ダイで28コアのCPUを既に持っていますので、その後のインテル側の動きまで考えてAMDが先手を打ってきたイメージでしょうか。

いよいよパソコン向けにも32コア製品が登場することになりました。

今回はこのAMDの新ハイエンドプロセッサとなる、32コア版Ryzen Threadripperを取り上げます。

第2世代のRyzenダイを4つ接合

最初に32コアを実現したEPYCシリーズのCPUは、時期的にも第1世代のRyzenのダイを4つパッケージ内で接合する形で作られています。

これに対し、今回リリースの決まった32コア版のRyzen Threadripperでは、GLOBALFOUNDRIESの12nmプロセスを使って製造される第2世代のRyzenシリーズのダイを4つ使っています。

GLOBALFOUNDRIESの12nmプロセスは実際にはプロセスルール自体はシュリンクしていませんので、第2世代のRyzenシリーズのダイのサイズは小さくなっていません。

ですがプロセスの進化で電力効率が向上しています。同じ消費電力・発熱ならば動作クロックを向上でき、動作クロックを同じに保つならば消費電力・発熱の方を抑えられるようになっています。

これによりウルトラハイエンドにはなるでしょうが、なんとか一般的なパソコンのマザーボードなどで動かすことが可能な消費電力や発熱の枠内に32コアCPUを押し込むことが可能と判断されたのでしょう。

TDPは250Wクラス?

さすがに8コアのRyzenのダイを4つも内蔵するだけあって、一般的なCPUのTDP枠の中に消費電力を収めることは出来ないようです。

まだ具体的に32コア版のRyzen Threadripperの動作クロック、TDPなどは発表されていないのですが、新Ryzen Threadripper対応をうたうマザーボードが対応可能なCPUの最大消費電力として250Wをうたうようになっています。

多コアのサーバ用CPUではシングルスレッド性能よりもたくさんのスレッドをいっぺんに動かせる性能が求められますので、消費電力・発熱との兼ね合いから定格動作クロックはかなり控えめな値に抑えられるのが一般的です。

ですが、一般的なパソコンでは今でも定格動作クロックがある程度のCPUのブランディングに意味を持ちます。

ゲーム用途では昔も今もマルチスレッドだけではなくシングルスレッド性能の高さが求められます。ですので、定格クロック、ブースト時の最大動作クロックの高さも求められる訳です。

TDP枠を250Wまで取れればおおざっぱに言って1つのダイで60W程度の電力を使えるイメージになりますから、そこそこ一般的な定格動作クロックを実現できると思われます。

メモリバンド幅が問題になるか?

Ryzen Threadripperでは内蔵したRyzenのダイの機能をほぼそのまま活かす形で4チャンネルのメモリを利用できます。

32コア版の新Ryzen Threadripperではどうもメモリのチャンネル数が増やされることはなく、4チャンネルで据え置かれる形になりそうです。

この場合、実質1つのダイに繋がるメモリは1チャンネルだけのような形になるかもしれません。トータルで4チャンネルのメモリが使えるとは言え、Ryzen Threadripperの構造では他のダイに繋がっているメモリは論理的な距離が遠くメモリアクセスにペナルティを受けます。

この辺りが新Ryzen Threadripperの弱点になる可能性はありそうです。

それでも32コア64スレッド対応というスペックはものすごいもので、特定の用途では非常に高い性能を期待できると思います。

登場まで期待して待ちたいところです。