クラウドこわい

「クラウド~」と名の付くサービスが今のインターネット利用の主役を張るようになりつつあります。

「クラウド」という言葉が使われるようになったのは最近ですから、何かものすごく新しい概念のように考えられている雰囲気もありますね。ですが、実のところ多くのクラウドサービス自体は特別に新しい概念から生まれた新機軸というわけでもありません。

ただ新たに「クラウド」というなんだか格好の良いネーミングを行なったおかげで、何か全く新しいものが生み出された、そんな雰囲気が生まれているように思います。

実像が把握しきれない何か

元々インターネットを介して利用する色々なサービスは、その内容の多くがネットの向こう側にあるサーバの処理に依存しています。

例えばスマートフォンのキャリアメールやパソコンのインターネットメールも、その経路のほとんど全てがネットの向こうのどこかにあるサーバで処理されています。そういう観点では一般的なメールサービスも基本全てクラウドのサービスの一つと考えられます。

ただ、そのサーバがどこにあるのか、1通のメールがどこをどのように経由して送られてくるのか、そういった部分は一般ユーザーには見えません。

今風のクラウドのサービスの一つ、クラウドストレージでは、ネットの向こう側のどこかのデータセンターのどこかのサーバのどこかのディスクの中にユーザーのデータが保存されています。

それが実際にどこにあるのかはユーザーには見えません。

それ以外のサービスでもユーザーに見えているのは利用画面とそれを使った結果で得られる成果物だけで、仕組みがどう動いているかはユーザーには全く見えません。

そういった部分が、クラウドを気味悪く感じるユーザーを生んでいる一因かもしれません。

特別な全く新しい概念、と言う訳でもない

クラウドという名称自体はかなり新しいもので、ここ5年ぐらいでしょうか、それぐらいの間に一気に広く使われるようになった感じです。便利ですからね、ネットワークとその向こう側のサーバが絡むサービスならなんでも「クラウド」と付けておくとカッコイイですから。

ですが前の節でも軽く触れたように、そのサービスを構成する仕組み等々は本当に新しいものばかりではありません。

そういう意味では「クラウド」サービスはただ名前が新しくなっただけ、と言える部分が結構あります。過剰にクラウドという名前に踊らされすぎる必要はありません。

利用しない訳にはいかないサービスでもある

基本ほとんど全てのインターネットを介するサービスを利用する限り、ユーザーは必ずどこかでクラウドの何らかの仕組みのお世話になっています。

ユーザーが意識的に「クラウドなんちゃら」を使っていなくてもです。

また、いまでは多くのパソコンやスマートフォンローカルのサービスを使っている場合でも、そのサービスはどこかでクラウド側の支援を受ける形になっています。

特にスマートフォンはその傾向が強く、完全にクラウドから切り離されたサービスはない、と考えた方が良いでしょう。

気にし始めるとキリはない

iOSのSiri、AmazonのAlexa、そしてGoogleのAIアシスタントに「OK Google」と呼びかけている人もたくさんいると思います。

これらのAIアシスタントがその場その場でユーザーのニーズにあった動きをしてくれるのは、これらのアシスタントがユーザーの振る舞い情報を裏でせっせと収集しているからです。

Windows 10が登場したときにWindows自体やCortanaが収集する個人情報に関してさまざまな議論を呼びました。ですが、これらの情報と同等またはそれ以上のたくさんの情報を各社のAIアシスタントは収集しているはずです。

簡単な例では、今ユーザーがいる場所を分かっていないとその近くの便利な施設の案内は出来ませんよね。

こういった情報はスマートフォンやパソコンだけでは処理がしきれません。サーバの強力なパワーと、その他の色々な情報との組み合わせによる分析が必要になります。

ですので、標準設定のままスマートフォンを使っていると明示的にクラウド機能を利用しなくても、いつの間にかどこかでクラウドの支援を受けるかたちになっています。AIスピーカーなんかも同様です。

正直なところこの辺りを気にし始めるとキリがなくなる、というのが今のさまざまな仕組みと言えるかもしれませんね。

色々な意味で気にしすぎない

実際にはその他多くのインターネット経由のサービスと同じように、クラウドと名の付くサービスは仕組みその他がよく分からないブラックボックスです。

そのあたりに加えクラウドサービスでは、サービスを行なっているものがどこにあるのか自分のデータが一体どこにあるのか、そのあたりが全く見えません。そういった所がユーザーの気持ち悪さに繋がるのは理解出来ます。ですがそのあたりを気にしすぎると色々なサービスが利用出来なくなります。

ただ、人間が何かに「気持ち悪い」とか「怖い」といった感覚を抱くのは感情の動きですから、ロジカルに全て理性でコントロール出来るものではありません。ですからこちらも気にしすぎないほうがいいと思います。

クラウドのサービスがなんだか気持ち悪くて使い込めない、ということを気に病む必要はありません。

そしてこちら方面でもうひとつ、「気持ち悪い」と感じ始める閾値は人によってさまざま。全然違います。なので、他の人がどう感じるかなどと比較して自分がどうかをあれこれ考えてもあんまり意味がありません。

とにかく色々ありはしますが、どの意味合いでもクラウドサービスに関してあれこれ気にしすぎない方がいいですよ、ということですね。

使えた方が便利なケースは増えていますが、まだ全てのクラウドサービスを拒否しても生きていけない世界ではありませんし。

ただ、怖がる場合でも出来るだけ中身を分かった上で怖いと考えるようにしたいですね。そのあたりをうやむやにしたまま無意味に恐れるのは、ある意味オカルトみたいなものになってしまいますから。