ASUSのP9X79マザボのPC、SSDをNVMeのプレクスターM8SeYに換装してみた

2018年11月5日

PLEXTOR M8SeYシリーズ PCI Express x1(NVMe)接続 HHHL内蔵型SSD 256GB PX-256M8SeY

先日ちょっとネットを徘徊していたら、とあるPCパーツショップでプレクスターのPCI-E接続のカード型SSDが他よりも15%ぐらいガクッと安い価格で販売されているのを見つけました。

速効で購入手続きを行なって手配してみたのですが、実は手元のパソコンで使っているマザーボードのUEFI、正式にはこのタイプのSSDで使われているNVMeという方式をサポートしていません。

以前どこかでうちで使っているマザーボードでもNVMeタイプのSSDへの交換がうまくいった、との記事を見た記憶があるのですが、再度探してみてもその記事が見つけられませんでした。

と言う訳でものは手配しちゃいましたし、実地で試してみることになりました。

マザーボードはASUSのP9X79

著者がメインで使っているデスクトップパソコンは自作のもので中身はもう結構古め。

CPUはCore i7-3930K、いわゆるSandy Bridge Eと呼ばれるタイプの製品です。まだ32nm世代のCPUでコアのアーキテクチャ自体は第二世代のCoreプロセッサのもの。豊富なPCI-E接続用のインタフェースと、4チャンネルのメモリが使えることでそこそこの性能は確保しています。

CPU性能の向上のカーブが鈍化したおかげで今でも十分に使える性能のCPUとも言えるのですが。

マザーボードはX79チップセットを載せたASUSのP9X79で、UEFIレベルでは厳密なNVMe(超高速SSDで使われるデータのやりとりなどの手順)のサポートは行なわれていません。

最新のベータ版だとNVMe対応されているとのお話もあるのですが、安定してパソコンを使うのにはちょっと怖い部分ですので、UEFIのアップデートは回避して換装作業を進めることにしました。

Windows自体はNVMe SSDのドライバーを持っている

Windows8.1からだと思いますが、Windows自体はNVMeで接続するSSDのドライバーを標準で持っています。このためマザーボードが認識さえしてくれればWindows側ではNVMeタイプのSSDを問題なく使えるはずです。

Windows 7ではOS標準でこの部分のサポートがないため、OSをクリーンインストールする際にはちょっと面倒な手順を踏まないといけないはずです。

ただ、今回はSATA3のSSDからシステムドライブの内容をクローンしてシステムのお引っ越し、という形でPCI-E接続のSSDを使いますので、その部分に若干の不安要素がない訳ではありません。

手順

今だとシステムの引っ越しに使える優秀なソフトがいくつもありますので、システムドライブの移行は実はかなり簡単です。通常は既存の環境を全てそのまま引き継いで問題なくシステムの移行が行えるようになっています。

移行の手順としてまずは、PCの電源をシャットダウンだけではなく物理的にメイン電源まで落としてカード型のSSDを拡張スロットに装着します。

その後、現状のシステムドライブのCドライブの内容をEaseUsのToDo backupでクローニング。

あとはブートドライブをUEFIで切り替えてやるだけでOKです。

ToDo backupなどのシステムの引っ越し対応のソフトだと、システム起動用の情報まで丸ごと複製してくれますので、あとからの面倒な処理が全くいらないのですごく楽ちんです。

実際に引っ越してみると

カード型SSDのM8SeYを拡張スロットに挿したあとパソコンを起動してみると、Windowsのディスクの管理アプリからはあっさりとドライブが認識されました。

ただ、この段階では何故かToDo backupがクローン先のドライブとしては認識してくれません。

ですのでWindowsのディスクの管理のアプリから新しいSSDのフォーマットを行なってボリュームを作成してみました。するとToDo backupがシステムのクローン先のドライブとしてM8SeYを認識してくれる形になりましたので、システムのクローンを実行。

移行元のシステムドライブも移行先のシステムドライブもSSD同士ですので、この処理は20分ほどでサクッと終了しました。

パソコンをシャットダウン、メイン電源まで落としたのち、SATA3の元システムドライブだったSSDのケーブルを外してWindows 10を起動。するとなんというか拍子抜けするほどあっさりと一発でOSがブート。SSD移行の基本部分はサクッと終わってしまいました。

UEFIの方でブートドライブの切り替え操作などを行なう必要もありませんでした。

一度PCI-E接続のカード型SSDから起動したあとに古いシステムドライブのSSDも接続して電源を再投入してみましたが、こちらでも問題なくPCI-E接続の新しいSSDのほうから起動してくれて、本当に設定いらずの状態になっていました。

まさに拍子抜けの簡単さです。

実はちょっぴり問題も

一発でシステムは起動するようになったので大きなトラブルはなかったのですが、マイナーなトラブルと言えるかどうかぐらいの微妙な部分はいくつか発生しました。

システムドライブの移行後、いつも通りCrystalDiskMarkでSSDの転送速度のベンチマークを取ってみたのですが性能が全然出ていません。

全ての転送速度が遅く、特に4kBデータのランダムアクセス性能が非常に遅い。

これはもしや新しいSSDのデータの配置が4kBアラインになっていない?ということで、EaseUsのPartition Masterを使って4kBアラインを取り直してみました。

すると大きく性能は改善。

システムのクローンを行なう時に4kBアラインのオプションがあってそれを付け忘れたか、一度Windows側のドライブ管理のアプリでボリュームを作ったのが悪かったのかもしれません。どこかでSSD上へのデータ配置のアライメントが狂っていたようです。

ただそれでも書き込み速度の方がスペックシートのデータよりも遅め。

で、プレクスターのSSDのサポートツールを取ってきてSSDのファームウェアのバージョンを見てみると、2つほど古いバージョンであることが分かりました。こちらもサクッとバージョンを上げてみます。

Windowsを起動したままプレクスターのサポートツールで簡単にファームウェアのバージョンアップが行えるので、こちらも楽ちんです。

再起動後、性能はこちらまで出るようになりました。

まだ、シーケンシャルリードの数字が出きっていないのですが、今のシステムだとこの辺りが限界かもしれません。

その代わり小さなファイルのランダムアクセスではスペックシートのデータすら凌駕するとてもいい数字が出ています。スペック上は205kIOPS(Input/Output Per Second)、毎秒20万5千回の入出力が出来ることになっていますが、手元のマシンでは22万回以上のアクセスが出来ています。

アプリケーションソフト側では、ソニーのPC TV plusの認証が切れていました。多分パソコンハードウェアの認証情報の一つとしてシステムドライブのIDを使っているのでしょう。

また、セキュリティソフトのカスペルスキーがうまく動かなくなっていたので、こちらは再インストールで正常な状態に復帰させています。

問題となった点はこのぐらいで、非常に順調に移行が完了したと言っていいと思います。

起動速度は変わらない

いい意味とそうではない意味で、システムドライブをPCI-Eカード型SSDに引っ越しても、Windows 10が起動して利用出来るようになるまでの時間はSSD引っ越しの前とほとんど変わりませんでした。

良くない方、というか最初から期待していない部分ではあるのですが、SSDのスペック上の性能が大きく上がってもWindows 10自体の起動時間にはほとんど体感出来るほどの違いはありません。

こちらは仕方のない部分で、SATA3のSSDでも一般的な使い方には既に十分以上の速度が実現出来ている、と言うことでもあります。

最新の巨大なゲームなどだと起動時間やマップ移動の際のロード時間が短縮される可能性がありますが、通常の利用の範囲でSATA3のSSDとNVMeタイプのSSDで操作感の違いが出ることはまずないでしょう。この部分には最初から期待しない方が良いです。

いい意味で予想外だったのはWindows 10自体の起動シーケンスに入る前、UEFIがあれこれ準備をしている段階の動作速度がSATA3 SSDと全く変わらないか、むしろ速くなっていることです。

この部分は今までより時間がかかって、電源投入からWindows 10が使えるようになるまでの時間が延びることを覚悟していましたので、ちょっとしたサプライズの喜びがありました。

今のUEFIとWindowsのブートマネージャーでしょうかね、そのあたりがしっかりとした作りになっていることの表れかもしれません。

新しいSSDに引っ越す意味

上にも書きましたがSATA3接続のSSDから最新の超高速のSSDに引っ越しても、普段のパソコンの使い勝手には全くと言っていいほど影響がありません。

どちらかと言えばSSDの寿命が新しい機種ほど伸びていることに注目した方が良いかもしれません。

今回著者が使ったプレクスターのM8Seシリーズは性能に特化したモデルではなく、コスト重視のSSDです。このためフラッシュメモリには寿命が短い方のTLCタイプのものが使われています。

それでも256GBの容量の製品ですら160TBWの書き込み容量の保証があります。書き込み容量160TBまではメーカーが寿命を保証する、ということですね。

この辺りの数字は新しいフラッシュメモリではかなり改善されてきていますので、長く同じSSDを使いたい場合には新しいSSDに乗り換えるメリットがあります。

ちなみに手元のパソコンの使い方の場合には、毎日17GB程度SSDに書き込みを行なっているようです。この数字で計算してみるとSSD自体の寿命は25年以上。そこまで使い続ける前にSSD以外のどこかが壊れますね。(笑)

フラッシュメモリは確かに寿命のあるデバイスではありますが、SSDが実使用上問題になるような劣化の仕方をすることは通常はない、と考えて大丈夫だと思います。