ブラウザでデバイスの壁を越える。Operaがちょっと面白い進化
恐らく「マウスジェスチャ」機能を実現したブラウザの元祖のOpera、パソコンではすっかりシェアが小さくなってしまっていてマイナーなアプリになった感じがあります。
スマートフォンではもう少し使われていると思いますが、それでもOS標準のブラウザに押されてすっかりマイナーな存在になっていると思います。
そんなOperaにかなりユニークな新機能が搭載され、パソコンとスマホの両方でOperaを利用することを検討するに値する内容になったのではないかと思います。
ではそのOperaの新機能「FLOW」を見てみましょう。
スマホとPCでOperaを使う意味のある機能
新Operaが実現した新機能の「FLOW」はマイクロソフトがスマホとWindowsPCで実現した「PCで継続」の機能をもっと汎用的に使えるようにしたようなものです。
スマートフォンで見ていたWebページをパソコンで継続だけではなく、逆方向のPCからスマホへの継続も出来るようになっています。
それだけではなく、ブラウザで表示しているものなら事実上何でもパソコンからスマホへ、スマホからパソコンへと転送出来る仕組みになっていることです。
Windows 10が次期大規模アップデートで実現しようとしているCloud-Powered Clipboardや、ロジクールがマウスドライバで実現した、図らずもこちらも同じ名前である、FLOWで実現したようなことを行えるようになっています。
使える範囲がブラウザ上に限定されてはいますが、ブラウザ上に限れば使い勝手はCloud-Powered ClipboardやロジクールのFLOWを上回っているかもしれません。
では以下で具体的にどうやってOperaのFLOWを使うのか見ていきます。
パソコン側は最新のOperaを導入すればOK
パソコン側では最新版のOpera、バージョン53を導入するとFLOWが使えます。
マウスジェスチャを最初から搭載していますので、この機能を利用したいユーザーにはお勧めのブラウザです。
また、今のパソコン版のOperaはChromeと同じエンジン、HTMLの解釈やJavaScriptの実行を行なう心臓部を搭載しています。Chromeの拡張機能をそのまま導入することも出来るようになっています。
FLOWのためにOperaを試してみるのもアリかもしれません。
スマホ側は新ブラウザの「Opera Touch」を導入する必要あり
スマートフォンの方のブラウザは従来のOperaとは別の製品扱いとなる、Opera Touchを導入する必要があります。
こちらはFLOW機能のサポートの他に、スマートフォンを縦に持った時に親指だけで多くの操作を行える全く新しいインターフェスの実験用アプリのような形になっています。
他のブラウザとは全く違う使い勝手、見た目のブラウザになっていますので、こちらは乗り換えのハードルが高いかもしれません。
PC版Operaとスマホ版Opera Touchをリンクする
ブラウザを双方にインストールしたら、次にパソコン側のOperaとスマホのOpera Touchをリンクする操作を行ないます。
これはとても簡単で、パソコン側のOperaでFLOWのアイコンからリンク用情報のQRコードを表示させます。これをスマホ側のOpera Touchに読み込ませるだけでOK。
これで相互に情報を送りあう相手として登録が出来ます。
データを送信する操作
PCとスマホの間でデータを送り合う操作を具体的に見てみます。
PCからスマホ
パソコンで見ているWebページを丸ごとスマートフォン側のOpera Touchに送るには、アドレズバーの後ろにある横向き矢印のボタンをクリックします。
操作はこれだけでOKです。
ブラウザに表示されているページの内容を共有するときには、送りたい文字列や画像を選択しておいてそこを右クリック、右クリックメニューなどから「My FLOWに送信」のコマンドを選ぶだけでOKです。
今のOperaは文字列を選択すると自動でコピーなどのコマンドメニューがポップアップする作りで、こちらにもFLOWのボタンが表示されるようになっています。
スマホからPC
スマートフォンからパソコンにデータを送る場合にも矢印形のボタンを使います。
文字列や画像だけを送る場合にはパソコンの操作と比べると1クッションはさむ形になって、AndroidOSだと一旦「共有」のサブウィンドウを通す形になります。
共有された内容を確認
パソコンで共有した内容を確認するには、サイドバー上の矢印形のアイコンをクリックします。
すると左側にサブウィンドウが表示され、共有した情報の履歴を見ることができます。
スマートフォンでは「My FLOW」のタブで確認が出来ます。
ブラウザで表示したページ内にあるものなら何でも共有可能、という機能は操作系の関係もあってパソコンからの利用が楽です。
このブラウザに表示された内容ならば何でも共有出来る、と言うフィーチャーを利用して、例えばネット通販でコンビニ払いを選択したときに支払い番号をOperaで共有、スマホで確認してコンビニで支払いの手続き、といったことにもとても便利に使えます。
Opera Touchのユニークな使い勝手
スマホのOpera Touchは今までのブラウザとはかなり違うユニークな操作方法を採用しています。これにもちょっぴり触れておきます。
Opera Touchでは多くのシーンで表示されるハンバーガーアイコンのボタンが操作のキモです。
こちらをタップすると検索画面に切り替わります。
ロングタップすると通常よく使うはずのコマンドのメニューが表示され、指をスライドしてそれらを選択する使い方をします。
スマホを片手で持って持ち替えなども行なわずに、親指1本だけでできるだけ多くの良く利用する操作を賄ってしまおう、そういう発想で新設計したユーザーインタフェースですね。
タブ画面もかなりユニークな見栄えですが、慣れるとごく普通に使えます。
またFLOWで明示的に共有しなくても、スピードダイヤルの画面には直前までパソコンのOpera出見ていたページの一部が表示されるようになっています。