究極の「見せ」PC用?IN WINアクリル製球体PCケースを作る
自作パソコンで今少し流行になっているかもしれないのが「見せPC」と言われるタイプのパソコンです。
ユニークなケースを使ったり、本来PCケースではない何らかの箱を使って面白い外見のパソコンを仕上げたり、ある意味「ネタ」パソコンという一面もありそうな自作機の一ジャンルです。
その流れを受ける形で、一般的な形のPCケースにはサイドパネルをアクリルや強化ガラス製の透明のものにして、基板などのケースの中身を見られるようにした製品も増えてきています。加えてCPUの冷却ファンやメモリ、果ては配線用のケーブルまで光らせることが出来るパーツも増えてきています。
そんな「見せPC」用のある意味究極のPCケースを台湾のIN WINが製品化してしまいました。最初に展示デモが行なわれた際には、みんながみんなただのネタで展示だけで終わる製品だと考えていたと思うのですが。
今回はそんなある種究極のPCケース、IN WINの「WINBOT」を取り上げます。
アクリル製球体
WINBOTの特徴はやっぱり一目見て一発でそれと分かる、巨大なアクリル製球形の筐体でしょう。この部分をきれいに成形するだけで一体いくらかかるんだ、と言うレベルの仕上げと大きさです。
サイズは直径約68cm。
一般家庭で普通の書斎に置くのが困難なレベルのサイズじゃないでしょうか。
パソコンのパーツ、基板などを納めるシャシー部分も大型基板であるE-ATX対応の立派なものとなっていますので、拡張性自体は十二分にあるのですがそれ以上にこのサイズ感が。
ただ、店舗などの店頭デモ用PCとしては最高に人目を引けるケースですね。
意味なく(?)多機能
実はWINBOTのケース自体、不思議なほど妙にこだわった多機能な作りになっています。
ケース自体に3Dカメラ(RealSence??)を搭載していて、顔認識が可能となっています。加えて球体部分の自動開閉ができます。
台座の上に載っかっているPCのシャシー部分とアクリル球体部分は360度回転が可能で、恐らく登録したユーザーを追尾する形で自動回転も出来そうです。
ハンドジェスチャーの認識も可能、動体検出も可能と、IN WIN一体何を目指しているんだ?と小一時間尋ねたくなるレベルの機能を「ケース自体」に持たせています。
スペック
PCケースとしてのスペックでは、対応出来るマザーボードはE-ATX、ATX、microATXの3種類。miniITXなどは楽々収納は可能でしょうが、ネジ穴の位置が合わなくて固定が出来ないのでしょう。
拡張スロットは8基、3.5インチ対応のシャドウベイが4基、2.5インチが8基と、SSDなどが普及して2.5インチサイズのドライブが使われるケースが増えた今の状況にしっかりとマッチさせています。
拡張カードは最大340mm長まで対応。CPUクーラーは高さ170mmまで対応と、本格的なスペックです。
前面インタフェース(多分球体の外側)は、Type-C形状のUSB3.1が1つとType-A形状のUSB3.0が二つ、さらに音声の入出力端子を備えています。
ぶっ飛んだ価格と梱包重量
さすがにこれだけの作りですからお値段の方もかなりイっちゃってます。ケースのみで約40万円が想定されています。
普通ならウルトラハイエンドのPC 1台が買えるお値段ですね。
また、発送される際の梱包重量もまたぶっ飛んでいて、50kgを超える重さとなり発送時に個別に送料の見積もりが必要な荷物になるそうです。
ちなみにケース自体は22kgちょっとで、各種パーツを組み込むと25kgを超える程度の重量になるでしょうか。DELLのおにぎり型ゲーミングデスクトップと同レベルだと思います。
さまざまな面でこれを使うハードルは極めて高いと思いますが、見せPCとしてはまさに究極の一台になってくれるかも?