インテル独立GPUを開発??

 

しばらく前、インテルはCoreプロセッサにRadeon VegaのGPUを接合して1パッケージ化した製品を世に出して、PC関係者やファンを大いに驚かせました。

そのニュースと前後する形でインテルはAMDのRadeon開発部門のトップのヘッドハンティングを行なっています。その際にはインテルも遂に独立GPU開発か??と話題になったのですが、その後のRadeon入ってるCoreプロセッサのニュースに押しつぶされたイメージですね。

そんなインテルの動きを反映する第一歩になったかもしれないチップが半導体関連の国際会議で発表されました。

あくまで実験用ではありますが、インテルがほぼ完全な独立GPUを試作したのです。

規模はエントリークラス

今回試作されたインテル謹製の独立GPUは、規模的には数年前のエントリークラスの独立GPUレベル。インテルの言う演算ユニットの基本単位であるEUを18ユニット搭載したチップです。

SP数に換算すると144SP相当ぐらいの小型GPUですね。

インテルがこのチップで行なおうとしているのは、インテルが研究開発を続けているIVR:統合電圧レギュレータをGPUに取り込んで、電力効率の改善とパフォーマンスの最適化を行なう研究です。

GPUの実行ユニットごとによりきめ細やかな電力制御を行なうことで、いっそうの省電力化を狙うという目的が一つ。もう一つはIVR制御とその他の性能向上方向のギミックを組み合わせることで、効率よくGPUの性能向上を図る狙いがあるようです。

そのあたりの効果の程度などの実証のためのチップです。

ただ、独立GPUに必要な機能は全て搭載しているようですので、動作クロックの向上を図ればそのまま製品化もできるだけの機能は持ち合わせています。

本来の目的は統合GPUの電力効率向上?

GPUを統合した今のCPUではかなりきめ細やかな電力制御が行なわれていて、アイドル時には極限まで消費電力を抑える仕組みが組み込まれています。

そういった電力制御をさらに進めるのが進化したIVRなどの仕組みです。

インテルは一度、Haswell世代でCPUのチップ上にIVRを組み込んで電力制御の向上を図りましたが、その世代のIVRはまだIVR自体の変換効率に改善の余地を残していたため、その後の世代のCoreプロセッサではチップ上にIVRを搭載しなくなっています。

ですが、インテルではさらに効率化を進めたIVRの研究を進めており、そういったIVRの活用方針の一環としてGPU側での電力制御の方式を模索しているのだと思います。

ですので今回発表されたインテル製の独立GPUも、どちらかと言えば統合GPUの電力効率の向上の施策の一環と考えた方が良さそうです。

ただ、今回作成されたチップ自体はフル機能のGPUに仕上がっていますから、もう少しEU数を増やして研究用に組み込まれた余分なギミックを整理すれば、そのまま世に出すことも可能な内容にはなっています。

インテルの統合GPUの演算ユニットは今のGPUのトレンドで考えても結構優秀な実行効率を持っていますから、128EU(=1024SP相当)ぐらいを集積したチップを作って世に出してみても面白そうなのですけれどね。

インテルの半導体工場やメニーコアCPUの事情等々

パソコンの市場規模が徐々に縮小している中、PC向けのCPUの出荷数も減少しています。

CPUを進化させる上で重要な製造プロセスの微細化は止めることができません。そしてより細かな製造プロセスを実用化するための設備投資等々はどんどん高くなっていきます。

さすがの半導体の巨人インテルを持ってしても、新しい半導体工場の製造のキャパシティを埋め切ることが難しくなりつつあります。そのためにも、高コストの新プロセスを軌道に乗せるためにも、インテルもそろそろPC向けCPU以外の製品を考えないといけない時期なのかもしれません。

またXeon Phiとして製品化されたメニーコアCPUの新製品がキャンセルになったというニュースもありました。場合によってはその後継にGPUをベースにした製品が当てられる可能性もあるかも?

何にせよインテル製独立GPUのお話は、あれこれ裏を読んでみたくなるニュースには違いがなさそうです。