HPとDELLからRADEON搭載Coreプロセッサ採用PC登場へ。本格ゲーミングノート性能を実現
先日インテルから正式アナウンスのあったAMDのRADEONを搭載した第8世代のCoreプロセッサですが、早速、開催中の家電見本市CESにて実機の展示が行なわれています。
HPとDELLから15型液晶を備えたノートPCが実動デモされています。
奇しくもどちらも液晶部分が360度フリップ出来て、タブレット的にも活用できるタイプの2in1 PCに仕上げています。
今回はこれら2機種の中身を少し詳しく見ていきます。
HP Spectre x360 15
HPから登場する機種は同社の高級ラインのSpectreブランドを名乗る機種になります。
HPでは「世界で最も高性能なコンバーチブルPC」をうたい文句にするようです。
事実、RADEONを載せたCoreプロセッサは、CPU部も従来であればデスクトップPCの水準だった性能を実現していますから、このうたい文句にはほとんどウソがありません。
使われるCPUはTDP 65Wのもので、Core i7-8705Gを採用しています。
GPU部は1,280SP相当の演算ユニットを搭載していて、高速なメモリHBM2を4GB混載していることも合わせかなりの実性能を叩き出します。
メインメモリは8GBまたは16GB、内蔵ストレージは最大2TBまでのPCI-E接続の超高速SSDを選択出来ます。
ディスプレイは15.6型で4K解像度を持つものになり、タッチ操作にも対応します。
これだけ高性能の統合CPUを搭載しつつ、本体は20mmを切る薄さを実現。最大で19.45mmの薄型となっています。
筐体が剛性感の高いアルミ削り出しであることと、液晶パネルのサイズが15型となっていることも合わせ重量の方は2.09kgと、モバイル用途に使うには少々厳しい重さになります。
インタフェースにはUSB Type-C形状のコネクタをたくさん使っていて、Thunderbolt3も積極的に対応するなど、かなり先進的な動きを見せています。
バッテリー駆動時間は最大13時間を超えるスペックを持ちますが、これはRADEON側を止めてインテルの統合GPUだけを使ったときのものでしょう。
内蔵バッテリーはかなりの大容量だと思われますがRADEONもフルパワーで動かしたりすると、恐らく1時間と持たずにバッテリーを使い切ってしまうでしょう。
付属のACアダプタは最大150W出力の巨大なものですから、最大消費電力の大きさは分かると思います。
価格はエントリーモデルが約1,370ドル。アメリカ国内では3月18日からの発売です。
XPS 15 2-in-1
DELLから登場の機種もDELLのハイエンドラインであるXPSシリーズを名乗る機種となります。
HPの機種がテンキーを持つのに対し、こちらはテンキーレスのキーボードで少しスッキリしたデザインになります。
液晶パネルは15.6型ですが、フルHD解像度と広色域で4K解像度のパネルの選択が可能です。どちらを選択してもタッチパネルと筆圧検知対応のスタイラスペンが使えます。
こちらの機種のCPUはCore i7-8705GまたはCore i5-8305Gが選択可能になっています。
メインメモリは8GBまたは16GB。ストレージはSATA接続の128GBから、最大1TBのPCI-E接続のものが選択出来ます。
こちらの機種もインタフェースにはUSB Type-C形状を徹底的にサポートする形になっていて、電源供給にもUSB PDを使いますしThunderbolt3も積極採用しています。外部映像出力もUSB Type-Cのオルタネートモードを使います。
XPS 15 2-in-1はHPのモデルよりもさらに薄い、最厚部16mmの薄型筐体を実現しますが、やはり金属筐体と大きな液晶パネルが徒となって、重量は1.96kg~、となります。
内蔵バッテリーは75Whと大容量で、モデルによっては最大15時間のバッテリー駆動が可能です。重量はかさみますが、その分外出先での長時間のバッテリー運用が期待できますね。
こちらのモデルのACアダプタは130W出力でやはりかなり巨大なもの。
通常は本体と一緒に持ち運ぶのがはばかられる重量がありそうです。
価格は約1,300ドルからとなり、アメリカでは4月から販売開始となります。
比較的普通のお値段らしいRADEON搭載Coreプロセッサ
HPとDELLの2社から登場予定の機種を見てみると、どうやらRADEON搭載Coreプロセッサ自体のお値段は比較的普通のレンジに収まっていそうだ、ということが見えてきます。
両者ともそれぞれのノートパソコンの高級ラインのブランドを名乗らせるこだわりの作りと中身を持ちながら、意外と普通のお値段を付けてきています。
ストレージなどのスペックは抑えられると思いますが、エントリー機が1,300ドル程度というのは中身を考えればかなりリーズナブルな価格と言えると思います。
また性能の方もインテルのうたい文句通りで、3D系のベンチマークでも非常に良い数字を叩き出しています。
HPのデモ機で測定した3D MarkのTime Spyのスコアが2200近く。著者のRADEON HD7970搭載のデスクトップPCでのTime Spyのスコアが2500ちょっとです。GPUの世代がかなり異なりますが、当時のハイエンドGPUにある程度迫る性能を出せています。
そのかわりやはり薄型ノートの筐体では放熱面がまだ厳しいのでしょう。採用されるチップはTDPが65WのGPUの規模が小さな方になっています。また、筐体自体も比較的大型で冷却が楽な15型の液晶パネル搭載機を選択してきました。
どちらもまだ日本での発売時期が未定ですが、ゲーミングノートPCとしてもモバイルワークステーションとしても、非常に魅力的な機種が世に出ると言っていいでしょう。