ネット接続を安定化するための基本線

ヤマハ ブロードバンドVoIPルーター NVR500

インターネットの接続回線まわりで、接続が安定しなくて困っているユーザーもいらっしゃると思います。

一般的には、瞬間的な接続切れや数秒とか数分とかいったレベルの接続断ならば気づかずに使い続けられるケースもありますが、昔からあるMMORPGのようなタイプのゲームだと一瞬接続が失われるだけでゲームが異常終了してしまうケースもあります。

そういった回線に非常にシビアな使い方をしている人は少ないとは思いますが、ネット接続の不安定さにストレスを抱えてらっしゃる方は常に一定数存在すると思います。

今回は回線の接続状況を改善するための考え方をピックアップしてみます。

回線種別

ネットの接続の安定性に一番大きく影響するのが回線の種別です。

皆さん予想はしているとは思いますが、やはりダントツで回線自体の安定度が高いのは光回線です。

フレッツ光の場合、今だと基本的には回線側の理由でネットの接続が切れるのは1年に1度起こるかどうか、ぐらいまで回線自体は安定していると思います。

著者はかつて一度、フレッツ光の収容局側で光ファイバーが破断する事故があって全く接続出来なくなった、なんてこともありましたが、こういう事故はレア中のレアといっていいと思います。

いまはもうかなりユーザーが減っていると思いますが、ADSLになると回線自体の安定度が1~2桁ぐらい落ちる印象があります。

電磁気的なノイズに非常に弱いのも難点ですね。

ケーブルテレビの回線も今は住宅の近くまで来ている配線自体は光に置き換わっているはずですが、ネットの接続の安定性という意味では純粋な光回線よりも1ランク落ちます。

WiMAXや携帯電話回線などの電波を使った接続は、仕組み的にさらに接続の安定度は落ちる可能性があります。

電波で接続するネット機材は、基本的に「切断が起こることが前提」になっている仕組みです。常時完全に接続状態を維持し続けるのが難しいのです。

以上から、回線種別の面で接続の安定度を高く保つには、ほぼ光回線一択に近い状態だと思います。

家の中での配線

次は、外から引き込んだ回線を家の中で引き回す部分のお話です。

今使える手段としては、有線LAN、無線LAN(Wi-Fi)、電気の配線を流用するPLCがあると思います。

これら3つの中では、有線LANの安定度が頭二つぐらい抜けて優れています

実質の転送速度もカタログスペックに非常に近い数字を出してくれます。例えば1000BASE-TXの有線LANなら、十分な性能のNASとの間のファイルのコピーでは毎秒100MB近いスピードが出せます。

無線LANはやはり電波でやりとりをする分、切断が起こることを前提にした技術です。常時安定した接続を張り続けるのは難しくなっています。

また、2.4GHz帯の無線LANの電波はBluetoothなど相互に干渉する電波を利用するデバイスが多く、電子レンジのマイクロウェーブとも干渉すると言われています。

加えてこの電波帯で無線LANを利用するお宅が多いため、隣近所のアクセスポイントが見える状態になってそちらとの干渉もあります。

比較的新しい5GHz帯を使う無線LANはその他のデバイスとの干渉は少ないのですが、厚い壁、コンクリート、金属製の何かで遮られることが多くなります。

周波数が高い分、電波の直進性が高いため、木造住宅でもアクセスポイントとの距離が離れると電波が減衰しやすくなります。

電気の配線(≒コンセント)を利用するPLCは電源に乗ってしまうノイズの影響を受けやすく、安定して使えるかどうかは実際に導入してみるまで分からない、という弱点があります。

また、ブレーカーで電気配線の回路が分けられた先では接続もままならないケースもあるようです。

つまりは、原理的には家の中でも配線は有線LANがかなり優れている、という結論になります。

盲点はルーターの安定度

多くのユーザーの盲点になっていると思われるのが、ルーターやモデムの動作の安定度です。

フレッツ光ならばNTTから、au光ならばKDDIから貸し出されるルーターやホームゲートウェイといった機材自体の動作の安定度です。

ぶっちゃけてしまいますと、これらのキャリアから貸し出される機材も含め家庭用ルーターはそれなりの頻度で落ちます。長期にわたって24時間365日ノートラブルで動き続けてくれるタイプの機材ではありません。

1日に数回レベルのネットの切断は起こるもの、と考えておく方が安全です。

無線LANルーターでは、無線LANの親機機能部分だけがハングアップしたりするケースもあります。

ルーターとは言っても中身はれっきとしたコンピュータです。

家庭用ルーターの価格帯というと5千円とか高くても1万円ぐらい、と言った感触でしょうか。

『これぐらいの安価なコンピュータが24時間365日ノートラブルで動き続けてくれるか?』

と考えると、少し納得できるかもしれません、ルーターの動作の不安定さに。

簡単ではない改善方法

と、ここまで理想論に近い内容を載せてきましたが、多くの場合どれも改善が難しい部分をはらんでいますよね。

賃貸アパートで新たに光回線を引くのはちょっと難しいでしょうし、ご家族と一緒に住んでらっしゃる方がルーターと離れた場所でネットにつなぐ機材を使っている場合、家の中をあちこち有線LANのケーブルを引き回すのも難しいケースが多いでしょう。

また、ルーターは今はどうも家庭用レベルだと、お勧めできるような安定動作が可能な機種がないようなのです。

この辺りも踏まえ、出来そうな対処策をいくつか取り上げてみましょう。

回線の改善策

戸建てなど、光回線が引けそうな所でしたら、光回線への乗り換えが最も効果的です。

分譲マンションでは、光回線を引いてあると今は物件の価値が少し上がりますので、管理組合に提案してみる価値があると思います。

そういった対策が難しい場合には、回線以外の部分を詰めていくしかありません。残念ながら。

宅内での引き回し

有線LANが使えず無線LANで対処する場合には、途中に無線LANの中継器を配置するのが効果的かもしれません。

無線LANルーターからまだ十分な電波強度がある距離に中継器を配置して、無線LANのカバーエリアを広げることを狙います。

また、無線LANルーター自体にちょっと投資して、大きめのアンテナの付いた電波の送受信効率の良い機器を手配する手もあるでしょう。

有線LANを引けるところまで伸ばして、その先に無線LAN親機を配置するような合わせ技もアリかもしれません。

対処が一番難しいルーター

今はルータの改善策が一番難しいかもしれません。安定動作するいわゆる「鉄板」製品が家庭用レベルではなさそうなのです。

このため、本当に安定動作するルーターが欲しいとなると、一足飛びにSOHO向けの業務用ルーターのレベルが必要になります。必要な予算もドンと高くなるため、万人向けの解決策とはとても言えませんね。

動作の安定性は抜群のため、費用対効果は決して悪くはないのですが..。

手持ちの機材でなんとかする場合には、毎日ルーターの再起動を行なうなど、かなり地道な対処策しかないと思います。

また、ルーターのファームウェアも定期的にチェックして新しいものが配信されるようになったら、即適用するのが良いでしょう。

セキュリティ面でも動作の安定性の面でも改善が期待できます。

新たにルーターを選ぶ場合のコツとしては、最新の製品にはすぐには手を出さないことです。

世に出たばかりの製品はどうしても取り漏らしたバグが残っていたり、動作の安定化を図るためのファームウェアの工夫などが盛り込み切れていないケースが多々あります。

ですので、製品が発売されて半年とか1年たって、何回かのファームウェアのバージョンアップ後の製品の方がより安定した動作を期待できます。