Ryzen遂にモバイルへ。APU版Ryzenノート用から投入

モバイル版Ryzenの情報ページ

デスクトップ向けの高性能CPUが絶好調なAMDのRyzenシリーズ、いよいよ本命とも言えるモバイル版が登場します。

まずは高性能ノートPC向けと思われるGPUを統合しないCPUが先に投入され、その後、恐らく今のPC向けではメインストリームとなるGPU統合版の、いわゆるAPUが市場投入されます。

今回はこの辺りの、AMDのRyzenシリーズの動きをまとめます。

APU版は4コア8スレッド対応品

APU版Ryzenはモバイル品から市場投入になります。

TDP 15Wクラスからの製品で、今ほぼ完全にインテルがCoreプロセッサなどで市場を独占している状態のジャンルに真っ向から挑戦する形になります。

製品は4コア8スレッド対応のCPU部に、最大640sp相当のGPUを統合したものになるようです。下位のチップでは、GPUの演算ユニットの一部が無効化されるかもしれません。

CPU部のアーキテクチャはもちろんデスクトップのRyzenと同じZENコア。

GPU部はAMDの独立GPUの最新アーキテクチャであるVegaシリーズのものになります。

恐らくAMDが統合CPUを作り始めてから初めての、CPU部、GPU部ともに最新アーキテクチャを採用するAPUになると思います。

CPU部は上位製品では定格2.2GHz動作、ブースト時には最大3.8GHzまでクロックが上がる製品になります。

下位製品は定格2GHz、ブースト時3.6GHz動作になります。

Uプロセッサも4コア化した第8世代のCoreプロセッサとは、CPU部はかなりいい競争になりそうな雰囲気です。

クロックあたりの性能を示すIPCでは、Ryzenは最新のCoreプロセッサにはわずかに及ばないのですが、その分、定格クロックは高めになっています。

この辺りの兼ね合いで、どちらが高い性能を示すか、今からちょっと楽しみな要素です。

ブーストの仕組みがより精密な制御に

Coreプロセッサはかなり精密な制御でターボブースト動作を行なっています。条件さえ許せば、4コア全てのコアのクロックアップも行なわれます。

これに対し、AMDのCPUではブーストの制御がやや甘かったようで、従来は2コアまでしかクロックアップが行なわれない制御になっていました。

この部分に改善が入り、モバイル版のRyzenでは最大3コア動作時にもクロックアップがかかる形になるようです。

クロックアップの幅も25MHz単位とかなりきめ細やかで、ギリギリまで性能出し切ろうと言う意図が見えてきます。

ただ、Coreプロセッサでは条件によっては全コアブーストがかかるケースがありますから、実性能でどちらが有利になるか、こちらの観点からも楽しみな製品になりそうです。

また、今まで以上にパソコン側の冷却性能が重要になってきそうです。自動クロックアップの制御の条件の中には、CPUコアの温度も含まれているはずですから。

つまり冷却機構がプアでしっかり冷やせない製品では、同じCPUを搭載していても性能が伸びなくなる訳です。

省電力面も進歩

モバイル機器向けのCPUとして大変重要なのは省電力性能です。

ピーク性能を発揮しているときの消費電力は仕方ないものとして割り切って、アイドル時にどれだけ消費電力を削減できるかが今のモバイル向けCPUの電力効率面の改善のキモになっています。

モバイル向けのRyzenもこの部分にしっかりとメスが入っているようで、デスクトップ向けRyzenよりもかなりきめ細かな電力制御を可能にしてきています。

Uプロセッサに相当するジャンルの製品がしばらくAMDにはなかったこともあり、イメージ的に省電力さではインテルに先行を許している雰囲気がありますので、そういった部分でどれだけ訴求できる性能を備えられるかも普及には重要な要素になってくるでしょう。

何にせよ、薄型モバイルノートパソコンのジャンルも、Ryzenの登場で大きな動きが生まれるかもしれません。