「まさか」のまさに歴史的融合。インテルのCoreプロセッサにRADEONが

インテルのRADEON融合のニュースリリースのページ

 

現地時間の11月6日、インテルがまさに衝撃的なニュースをリリースしました。

なんと、第8世代のCoreプロセッサにAMDのRADEONシリーズのGPUを接合したチップを市場投入するというのです。

今まさにAMDとは好調なRyzenシリーズとCPU市場でぶつかっており、加えてAMDは今までインテルの独壇場だった、比較的高性能で薄型なノートパソコンの市場にGPUを統合したRyzenシリーズを投入してこれからガチンコで勝負を始めよう、そういうタイミングでの発表になっただけにさらに大きなインパクトがあるニュースになりました。

まだ具体的な内容が一切出ていませんが、このニュースから考えられる、あるいは妄想出来る内容をいくつかまとめてみます。

GPU統合型Hプロセッサのハイエンドになるか?

インテルは従来、高性能なデスクノートPCや省スペースデスクトップ向けに「Hプロセッサ」と通称する、TDP 45W前後のある程度の性能を持つCPUを生産してきました。

第7世代までのCoreプロセッサでもこのクラスには4コア8スレッド対応製品が投入されていて、一般的なノートPC向けCPUとは差別化が図られています。

一般のノートPC向けCPUが4コア化した第8世代では、HプロセッサのCPU部は6コアになるのではないかと思われます。

加えてHプロセッサには高性能な統合GPUが採用されることが多くなっています。

インテルのGPUの中では最高性能となる「GT4e」などといった、従来の統合型GPUでは最高クラスの性能を持つものが統合されたチップもあります。

ただ、インテルはそれをさらに超える性能を持つGPUを統合したかったようです。

HプロセッサクラスのCPUとどのクラスになるかはまだ分かりませんが、最新のマイクロアーキテクチャを採用したRADEON GPU、さらに広帯域なスタックドメモリであるHBM2まで1パッケージにする技術を持ち込んできました。

統合GPUの性能のネックは回路規模そのものよりもメモリバンド幅になりつつありますから、HBM2をCPUパッケージに載せてしまうことで一気にグラフィック性能が向上する可能性があります。

どれぐらいまでのTDPにおさめるのか

今回インテルが発表したRADEON GPUとの融合は、今のCoreプロセッサが行なっているGPUの統合よりもややレベルの低いもので、CPUとGPUはパッケージ内部の超高速バスで繋がっているだけで厳密には統合はされていません。

イメージ的にはかつての「なんちゃって」デュアルコア製品であるPentium Dに近い技術です。

配線技術・チップ間の通信速度は従来よりもはるかに向上していて、インテルなどが「2.5D」技術と呼ぶような、チップのスタック実装技術の一部を流用したものです。

シリコン製の配線層のみのチップとCPU/GPUチップの中に用意した配線用のスペースに、極小サイズの伝導体の「杭」を打ち込むようなイメージで配線を行なったものになると思います。

より具体的には、HBM2をGPUやCPUに載せるための技術をCPUとGPUの接合に流用したと言えるかもしれません。

この製品でほぼ従来のCPUのパッケージのサイズにインテルCPU+RADEON GPU+HBM2をまとめることが出来るようになって、ノートPCなどに独立GPUを搭載するよりも基盤の面積をかなり縮小出来るメリットが生まれます。

その代わりパソコンの中で最も熱を出すパーツであるCPUとGPUが非常に近い距離でまとまってしまいますので、排熱の機構の設計は難易度が上がる可能性があります。

この点では、この製品のパッケージにどれぐらいのTDPまで許すのかも結構な問題になりそうです。

従来のHプロセッサはTDP 45W程度の枠内に収めていましたが、これぐらいの発熱・消費電力では搭載出来るGPUの規模にどうしても限りが出てしまい、今までのHプロセッサを大きく超えるようなグラフィック性能は期待出来なくなります。

HBM2をわざわざ載せるほどのGPU性能を持つチップを搭載するとも考えられますので、性能面だけではなく発熱面でも従来の枠を大きく超える製品になるかもしれません。

性能面の「妄想」

いまのところこの新しいCoreプロセッサに関する詳細な情報は一切ありません。ですのでこれ以降は完全な著者の妄想になります。

今、厚さ20mmを切る薄型ノートパソコンにGeForce GTX 1080などのGPUを押し込めるようになっています。

NVIDIAの「MAX-Q」という、GPUクロックを抑えて動かす新しいコンセプトを使ったものですが、搭載するGPUのフル性能を発揮できるわけではないものの、従来よりもずっと性能の高いゲーム用ノートPCを薄く作れるようになりました。

それだけ冷やすための技術も進歩していると言うことですね。

このあたりの技術とこのニュースでインテルから発表されたチップのイメージ画像から、著者は統合されるGPUは1024~1536個のSPを持つぐらいの規模のGPUを少し動作クロックを抑える形で搭載し、CPUとの合計のTDPが80~100W程度になるようなぐらいのカタチで接合してくるのではないか、と予想します。

RADEONシリーズはGeForceシリーズよりもグラフィックの処理効率面で劣っていて、性能当たりの消費電力・発熱量が多めです。このため、予想されるサイズのチップにハイエンドクラスのGPUを取り込むのは難しいのではないかと思います。

今のPCのトレンドでのミドルクラスからミドルハイクラス、これぐらいのGPUを採用するのではないかと思います。ザックリ言うと、PlayStation4ぐらいの統合CPUを目指すのでは?ということですね。

とりあえず、来年になると思われる詳細の発表が楽しみな製品が出てきたことは間違いないでしょう。