Fall Creators Updateがやってきた!
10月17日、マイクロソフトのWindows公式blogでFall Creators Updateの配信開始がアナウンスされました。
現地時間の午前10時からの配信開始で、日本では未明からのスタートになったと思われます。
著者のパソコンには10月18日朝に早速、Windows Update経由の通常ルートでの配信が行なわれました。
導入方法
まずはFall Creators Updateの導入方法です。
通常ルートは上にも書きましたとおり、Windows Update経由でのアップグレードです。
設定アプリの「更新とセキュリティ」からWindows Updateのページを開き、「更新プログラムのチェック」ボタンをクリックして確認してみましょう。
今回もアップデートプログラムの大きさの関係から、全PCにいっぺんに配信されるのではなく、順を追ってある程度の数ずつアップデートプログラムが落ちてくる予定です。
更新プログラムは「Windows 10、バージョン1709の機能更新プログラム」です。
Windows Updateですぐに落ちてこなかった時に、すぐにFall Creators Updateを導入したい場合には、Windows 10のダウンロードセンターからアップグレードアシスタントをダウンロードしてインストール、これを実行しましょう。
新要素
Fall Creators Updateで導入された新要素には以下のものがあります。
- Windows MR
- スマートフォンとの連携の基盤機能
- 連絡先をタスクバーにピン留め
- Windows Story Remix
- OneDriveのオンデマンドダウンロード機能復活
- UD教科書体標準搭載
それぞれをもう少し詳しく見ていきます。
Windows MR
Hollo Lensから始まるマイクロソフト式のVR、ARシステムの基盤が全てのWindows 10に搭載されています。
Hollo Lensのような特別で高価なヘッドマウントディスプレイを用意しなくても、かなり本格的なMR(Mixed Reality)体験が出来るようになります。
この手の機能を利用するには、今までは非常に高い描画性能を持つビデオカードが必須でしたが、その壁をマイクロソフトは少しずつ低くしようとしています。
将来的にはCoreプロセッサなどに統合されている統合GPUで利用可能にしたいようです。
スマートフォンとの連携
将来的にはこの機能ももっと大きく育てたいようですが、まずFall Creators Updateでは、スマートフォンで見ているWebページをPC側に即引き継げる「Continue on PC」が実現されました。
そのためのスマートフォン登録のページが設定アプリに用意されています。
登録したスマートフォンのブラウザから「共有」->「PCの指定」で、スマートフォンのブラウザで見ていたページが数秒のラグだけでPCのEdgeで自動的に開かれます。
連絡先をタスクバーにピン留め
Edgeのブックマークのピン留めと合わせ、タスクバーがPC上で行なう全てのアクションのポータルに変わっていくのかもしれません。
Peopleアプリに登録されている連絡先をタスクバーにピン留めできるようになり、タスクバーから直接ファイルを送信したり、Skypeの通話、チャットを立ち上げたり出来るようになります。
フォトアプリにWindows Story Remix搭載
ディープラーニングの成果を活かして、OneDriveの画像や動画のフォルダにあるデータから、ストーリー性のある動画、スライドショーを作れる機能がフォトアプリに搭載されました。
手動でも簡単に音楽付きのスライドショー動画を作ることが出来ます。
OneDriveのオンデマンドダウンロード機能復活
Windows 10では最初期にOneDriveの仕様が変わり、OneDrive上のファイルは、全ての端末側にコピーが置かれるようになりました。
ストレージの容量に余裕のある機器ならばファイルアクセス時にダウンロード不要となって、こちらの仕様のほうがむしろ便利になるのですが、ストレージの容量に余裕のない機種だとOneDrive上のファイルがストレージを圧迫する難点がありました。
これがファイルごとに端末側にコピーを常に持つかどうかの指定が可能になり、ストレージの容量の節約も図れるようになります。
UD教科書体を標準搭載
PC画面でも見やすく、文字のハネやトメの部分の省略がないUD教科書体が無償で使えるようになりました。
教育現場などでも便利に利用可能です。
明朝体風でもゴシック体風でもある柔らかなイメージのフォントで、可読性も高そうです。
あと、すごく小さなところですが、フルキーボードのテンキー部のNumLockの状態がシャットダウンの前後で保持されるようになった、なんて更新も含まれています。
目玉機能2つは先送り
実はFall Creators Updateには、個人的にはもっと注目している大きな目玉機能が2つ入る予定でした。
Windows上で動作するアプリまで含めて操作の履歴をたどれるTimeline、クリップボードをクラウド側に置く形にして複数のデバイスで共有可能になるCloud-Powered Clipboardです。
これらはさすがに開発の規模や複雑さが大きかったようで、この秋のFall Creators Updateの正式リリースには間に合いませんでした。今後の大規模アップデートか、中間の小規模な更新に入れ込む形で、今後リリースされることになると思います。
実はPeopleアプリの連絡先をタスクバーにピン留めする機能も、かなり以前にアナウンスされていたもので、実装が遅れてようやく今回取り込まれたという事情もあります。
TimelineやCloud-Powered Clipboardも同様の経過となるのでしょう。
早期の機能実現を期待したいところです。