ロジクールのFLOWからちょっぴり未来が見える?MX Master 2SでFLOWを試す
著者はMX Revolutionからロジクールのハイエンドマウスのファンになりました。
RX Revoluitonが実現していた独自のスクロールホイールの機構に一発で惚れ込んでしまったのですが、それが復活したMX Masterにもやはり手を出さずにはいられませんでした。
そのMX Masterがマウスドライバーレベルで実現する新コンセプトFLOWを持ってバージョンアップしたのですが、こちらもやはり入手してしまう形になりました。
FLOWには複数台のPCを同時利用するユーザーには極めて魅力的な機能が実装されているのですが、そのあたりも含めFLOWを使うことで感じたことなどをまとめてみます。
MX Master 2S自体も高機能なハイエンドマウス
「MX」という名前はロジクールの一般ユーザー向けハイエンドシリーズを表す名称です。
センサー解像度やポーリングレートに関しては、より上位のゲーミングマウス製品がロジクールにもありますが、より一般的なユーザー向けの製品としてクオリティを追求した製品になっています。
MX Master 2Sではガラスの上でもトラッキング可能なセンサーを搭載し、先代のMX Masterからセンサー解像度を倍増してきました。
MX Masterではポインタ移動速度の設定の上限が遅めで、4kディスプレイではポインタ移動速度が不足気味だったようなのですが、MX Master 2Sではその部分がしっかり解消されています。
2,560 x 1,440ドットのディスプレイでは、遅い方から1/3ぐらいの設定で十分なポインタの移動速度が出ます。恐らく4k以上の超高解像度ディスプレイにも対応可能でしょう。
また、このマウス最大の特徴は、スクロールホイールが一般的なカチカチと1段階ずつ動くモードと、ロックを外してホイールの慣性質量を使って勝手に回転し続けるモードを備えていることです。
後者のモードでは縦に長い文章などの高速スクロールを簡単に行うことができます。
また、MX Masterシリーズではそれに加えて、その二つのモードをホイールを回転させる強さで自動切り替えするギミックが組み込まれていて、これを使いこなすと色々なシーンの作業効率を一気に上げられる可能性があります。
これだけでこのシリーズを選ぶ意味がある、とも言えるぐらいの機能です。
FLOWとは
FLOWはごく簡単にまとめると、マウスドライバのレベルでソフトウェアによる「PC切り替え機」と、Windows 10で実装しようとしているCloud-Powered Clipboardの二つを実現してしまったものです。
この二つの合わせ技で複数台(最大3台まで)のPCを1つのマウスで1台のPCのごとくに扱えるようになります。
ポインタを画面端まで持って行くと、自動的に接続先のPCが2台目のPCに切り替わります。
また、1台目のPCでコピーしたファイルやデータを、2台目のPCに制御を移した後、ペーストの操作をするだけでPCの枠を超えて移行できてしまいます。
FLOW対応するキーボードもありますので、対応マウスとキーボードを一緒に使うと、ほぼ完全な自動PC切り替え機として機能してくれるようになります。
FLOWからちょっとPCの未来が見えた
今、FLOWを利用するには2台目のPCが同じLAN内にある必要があり、そもそも2台目のPCのディスプレイが見えるところになければなりません。
ですがFLOWによるこの方法は、GUIベースの分散コンピューティングに非常に適した操作方法の提案にも思えます。
FLOWがインターネットを超えたリンクに対応しディスプレイ表示の問題をなんとか出来れば、画面でコンピュータ操作を行なう環境にも分散コンピューティングの可能性をもたらしてくれる予感もします。
ただこれは著者的には完全に後付けです。
著者がFLOWに惚れ込んだのは単に操作自体が「楽しかったから」。
今のPCはほぼ完全に事務機だったり普通の道具だったりする率が高くなっていて、わくわくさせてくれる要素があまり出てこなくなっています。
そんな中、突然出てきたFLOWを触ってみたら、思わず声が出てしまうぐらいに操作感覚が楽しかったのです。複数PC使いにはある種、夢の機能とも言える操作感が実現されています。
久しぶりにパソコンに「夢のある機能」を見せてもらい、ワクワクドキドキを感じさせてもらったかたちですね。
ちなみに実用性に関してはほぼ完璧。複数台のPCを同時利用するユーザーには自信を持っておすすめできる一品です。