トラックボーラー待望??ロジクールから7年ぶりの新型MX ERGO登場

MX ERGOの製品情報ページ

 

今のパソコンのポインティングデバイスの主流はマウスですが、トラックボールにも根強いファンが一定数存在しています。

構造的にはごくごくおおざっぱに言ってしまうと、昔の機械式のマウスを「ひっくり返した」ような構造をしているのがトラックボールです。

使い方によってはマウスよりもむしろ楽にポインタ操作ができるデバイスでもありますね。

そんなトラックボールですが、最近は新製品が登場することも少なくなっています。ユーザー数だけで見ればマウスユーザーが圧倒的、という現状があるからでしょう。

そんな中、トラックボールユーザー待望の製品になるかもしれない機種をロジクールが発表しました。同社のハイエンドラインを示す「MX」の名を冠したトラックボールです。

今回はロジクールが7年ぶりに市場に投入する新トラックボール、MX ERGOをご紹介します。

トラックボールのメリット

トラックボールはポインタを動かす際に、マウス操作で行なうような手首の動作が必要ありません。人差し指または親指でボールを回転させてポインタを移動させます。

このためポインタ操作時に腕から手首、指先にかかる負担という点では、論理的にはマウスよりも軽いものになります。

また、トラックボール本体は固定したままでOKで、ポインタ操作のためのボール回転を指先の操作でかなり精密にコントロールできる仕組みのため、ポインタの微妙な操作がマウスよりも行ないやすいメリットもあります。

ポインタを固定するのもボールから指を離すだけでOKですから、左右ボタンクリックの際に微妙にポインタがズレてしまう現象も完全に回避することが出来ます。

トラックボール本体は移動させる必要がありませんから、机も広く使えますね。

ただボールの回転からポインタが移動する方向や量を直感的にイメージしにくいため、トラックボールの操作でフリーハンドの図形やイラストを描くのはかなり難しいですし、大きく素早くポインタを動かすような使い途にはあまり適していません

理想的にはマウスと使い分けた方が良い部分ですね。

「ERGO」の名の通り

MX ERGOは名前に「ERGO」とついているとおり、人間工学的に考えて各所の筋肉の緊張が少なく出来るよう考えて設計したと言うことです。

トラックボール本体はかなり大きめで、手のひらを載せて完全に本体に預けることで安定する作りになっています。

また、底面の金属プレートとトラックボール本体がヒンジで結合されていて、より楽な手首のポジションを取れるよう、本体を20度傾けられるギミックも持っています。

ボタン配置はマウスとほぼ同様。左右ボタンとチルト対応のスクロールホイールを備えています。ブラウザなどでの利用に便利な進む・戻るボタンもあります。

より正確なポインティングを実現できるよう、一時的に移動を読み取るセンサーの解像度を落とすプレシジョンモードボタンも備えられています。

接続は2.4GHz帯の独自方式+Bluetooth

本体を移動させる必要がないトラックボールだと無線接続にする必要性はやや低いのですが、MX ERGOでは接続にはロジクール独自の2.4GHz帯の無線方式を採用しています。

1つのレシーバーで複数のデバイスと接続可能なUnifyingです。

加えてBluetooth接続も利用可能で、2つのデバイスで切り替えながらMX ERGOを使うことも出来ます。

内蔵バッテリーをフルチャージすると最大4ヶ月の利用が可能となっていますが、この値はPCの使い方で大きく変動します。ゲームなどで激しく使うと、1週間持たないケースもあるかもしれません。

ただMX Masterなどと同様に、ケーブルを接続して充電を行ないながら使用することが可能ですので、あまり問題になるケースはないでしょう。

ちなみに、公称ではありますが1分の充電で8時間利用が可能となっています。

FLOWにも対応

MX Master 2Sで導入されたロジクール独自の極めてユニークな機能FLOWにも対応しています。

これにより、UnifyingとBluetoothで接続設定を行った2台のPCを1つのMX ERGOでシームレスに利用できるようになります。

Windows 10がやろうとしているCloud-Powered Clipboardのような機能もFLOWを使って実現可能です。

MXの名を名乗るだけあってさすがに高価な製品になりますが、トラックボールの使い勝手が必要なユーザーには、もしかしたら手放せない製品になるかもしれません。