キープコンセプトがキーワード?新Surface Proの感触
先日マイクロソフト製PCのメインストリーム機、新Surface Proが登場しました。外見えのスペック的にはあまり目立つ新機能もなく、とても順当な「バージョンアップ」に見える内容になっています。
この新Surface Proに触れる機会がありましたので、その感触をまとめてみます。
スペックのおさらい
まずは新Surface Proのスペックをおさらいしておきます。
従来のSurface Pro 4は第6世代のCoreプロセッサを搭載していました。これに対し新Surface Proは最新のCoreプロセッサ、第7世代のチップを採用しています。
Coreプロセッサの第6世代と第7世代は実はマイクロアーキテクチャには変更が一切ありません。製造プロセスの改善による歩留まりや電力効率の改善がメインとなった世代交代です。
このため基本的には性能面の差異はありません。ただ、第7世代では製造プロセスの改善により、同じ消費電力・発熱の枠内では動作クロックが少し上がっています。逆に同じ動作クロックならば消費電力や発熱が抑えられています。
新しいSurface Proでは低位の機種がタブレット向けのCore m3を、中位の機種は一般的なノートPC向けのCore i5またはi7を搭載します。上位機種はCore i7を使います。
メインメモリはエントリー機が4GB、中位の機種は実用性の高い8GBを、上位機種はさらに余裕のある16GBのメモリを搭載します。
ストレージはエントリー機の128GBからハイエンド機の1TBのSSDが選択できます。SSDはどれもPCI-E接続の高速SSDとなります。
また、新Surface ProではCore m搭載機だけではなく、中位のCore i5搭載機もクーリングファンなしのパッシブ冷却を採用します。上位機種のCore i7搭載機でも冷却音が大幅に静かになっているとされています。
液晶は12.3型で、2,736 x 1,824ドット、縦横比2:3となる高解像度パネルを採用し、10点タッチに対応します。
加えて今回から、4,096段階の筆圧検知とペンの傾き検知に対応する新Surface Penに対応しています。
たぶん並べて比べないとSurface Pro 4と見分けられない本体
新Surface Proはデザインは完全にキープコンセプト、といってよい外見です。単独でこちらの機種だけを見るとSurface Pro 4との違いが全く分からない、といって過言ではありません。
12.3型液晶を採用するタブレット端末としてはかなり軽量なはずなのですが、すでに一度Surface Pro 4でサイズ・重量感を経験しているためか、見た目以上に軽く感じるといった違和感は感じません。
タイプカバーを付けた状態でも十分に軽いといえる重量で、モバイル機としても十分です。
美しい液晶表示
搭載されている液晶パネルは色再現もかなり良く、ドット密度の高さから非常に稠密で美しい表示が可能です。
解像度の高さから高画素のデジタルカメラのピントや詳細な画像のチェックも容易で、フォトレタッチ用途にも最適な端末の一つといえるでしょう。
Core i7モデルはCPUパワーもかなり強力で、RAWデータからのJPEGデータ生成にも高い能力を発揮します。
ただ、ドット密度が高いため、DirectX対応のゲームなど、OSのフォントスケーリングが有効にならないタイプのアプリは文字表示が豆粒になります。
この辺りは運用の工夫がいりそうです。
発熱にはちょっと注意
Core i7搭載モデルで重い処理を動かすと、本体の発熱は結構多めです。背面の上側が室温にも依存はしますがある程度の温度まで上昇します。
室温が28度の状態でドラクエXベンチを動かすと、50度を超えるぐらいまで熱くなっていました。室温18度ぐらいの条件では45度程度で収まっていましたので、室温に影響される度合いはかなり大きめです。
Core i7モデルではちょっとした負荷がかかっただけでファンが回転しますが、その音はうたい文句通り非常に静かで本体に耳を近づけないと気付かないぐらいです。
ファンの静かさを考えると、うまく冷却ができているほうかもしれません。
Surface Pro 4からのリプレイスは微妙?だが
新Surface ProとSurface Pro 4の間では大きな新機軸の追加がありませんでした。このためリプレイスの対象機としては新Surface Proは微妙な部分があるかもしれません。
ですが、それ以外のケースで高性能・高品質なタブレットPC寄りの2in1パソコンをお探しの方には、今回も一番のおすすめ機といえると思います。