SpotifyアプリもついにUWP化。Windows 10 Sを睨んだ対応か
Surface Laptopの発売と同時にWindows 10の新エディションWindows 10 Sが世に出ます。
このエディションではWindows 10にインストール可能なアプリが、ストア経由で提供されるUWP版アプリに限定される仕組みになっています。
このため従来のデスクトップアプリが使えなくなり、デスクトップアプリ経由でサービスを提供してきたいろいろな機能が、Windows 10 S搭載機で使えなくなる可能性が生まれてしまっています。
マイクロソフトでは自らWindows 10 Sというエディションを生み出したこともあり、どうやら今まで以上に力を入れてUWP版アプリの普及に取り組んでいくものと思われます。
そんな流れを受けてか、大手の定額での音楽のストリーミング配信サービスSpotifyのアプリがUWP化しました。タイミング的にも完全にSurface Laptopの発売を睨んでのものと思われます。
今回はこのUWP版Spotifyアプリを取り上げ、関連する事柄もにも触れていきます。
ストア経由でしかアプリをインストールできないWindows 10 S
Windows 10 Sは一応文教用途向け、との方向性を打ち出していて、そちらの用途向けであればライセンス料等に配慮が行なわれるライセンス体系を取っています。
OSには教育に便利なオプション機能も組み込まれていて、ChromeOS搭載機を明確にターゲットに据えたOSに見えます。
教育現場での端末管理の容易さを進めるためもあって、インストール可能なアプリをより安全性の高いストアアプリのみに限定したのでしょう。特に出所不明の「勝手アプリ」はセキュリティ上大きなリスクになる可能性がありますので。
このWindows 10 Sの仕組みは、実は現行の全てのWindows 10のエディションにも搭載されています。Windows 10 Sでは、単にこの仕組みをOFFすることが出来なくしただけと思われます。
アプリ経由でサービスを提供することとのバッティング
この機能がある関係でWindows 10 Sでは、従来デスクトップアプリ経由でサービスを提供してきたさまざまなものとの相性面では最悪ともいえる形になってしまいます。
アプリがインストールできないばかりに、サービス自体が使えない端末になってしまう訳ですから。
特にメジャーなサービスに関しては、Windows 10 S自体の普及にも悪影響を及ぼしかねません。
そういったマイクロソフト側の事情もあって、かなり強力にアプリのUWP化を進めている、という事情なのだと思います。
UWP版アプリのリリースで、Surface Laptopも最初からSpotifyサービスが使える
Surface LaptopにWindows 10 Sを乗せてリリースする、と決めた時点で、その普及をさらに加速せざるを得ない状況をマイクロソフト自らが作ったとも言えますね。
有名どころのアプリのUWP版がようやく少しずつ揃い始めた印象です。そもそも、マイクロソフト自身のOffice2016自体、UWP版がなかった訳ですから。
そんな流れの中、多くのユーザーを抱えるSpotifyもアプリのUWP化を果たしました。
アプリ自体はストアから無償でインストールが可能です。アプリ内課金で広告の載らないPremium版サービスへのアップグレードも可能になっています。
Free版はアプリの画面や音楽のプレイリスト再生中に音声版のコマーシャルが載ったりします。こちらが邪魔に感じる方は月額980円でPremium版に、というサービス内容です。
圧縮音源ながらBGMとして聞くには十分な音質
著者はこのタイプの音楽のストリーミング配信サービスを初めて利用してみましたが、BGMとして聞き流す感じの聞き方には十分な音質ですね。
AACの256kbpsか320kbps程度の音質かな?と思いますが、オーディオの設定がちゃんとしていれば、デジタル音源らしいステレオ感の豊かな聴きやすい音で音楽が流れます。
自分の好きな曲だけをヘビーローテーションするような聞き方ではなく、もっと肩の力を抜いてラジオや有線のチャンネルを聴くような、そういった「聞き流し方」が合っていそうですね。
アプリのUWP化は加速するか?
マイクロソフトとしてはネットのサービスをアプリ経由で提供しているプロバイダには、今まで以上にアプリのUWP化をお願いしていく形になるのだと思います。
キラーアプリがないことがWindows 10 Mobileの普及に結びつかなかった一因でもありますので、Windows 10 Sで同じ轍を踏まないよう、施策をたくさん打っていくことになるでしょう。
アプリのUWP化が進めば、レジストリを汚さない、セキュリティ面での安心感が高まる等、ユーザーにもメリットがきちんと出てきます。
今後のマイクロソフトの動きを注目したいジャンルの一つです。