Ryzenが絶好調のAMD、16コアのRyzen Threadripperを今夏投入へ

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実性能とコストパフォーマンスの高さでユーザーの非常に高い評価を受けているAMDのRyzenシリーズですが、2017年夏以降に一般ユーザー向けRyzenシリーズのフラッグシップとなる16コア製品を投入するようです。

製品名は「Ryzen Threadripper」。

32スレッドの同時実行を可能にするモンスターCPUを象徴する愛称が付けられたと言えるでしょう。

また、その後にはサーバー向けで32コア/64スレッド対応のCPUの市場投入も表明しています。

これらAMDの今後の動きなどを少しまとめてみます。

全力でCPUジャンルでの失地回復を目指す動き

AMDはインテルがCoreブランドのCPUを市場に投入し始めたあたりから、インテルの会社の体力任せとも言えるCPUの開発スピードに圧倒されてしまいました。

近年はAMD派にはCPUジャンルでは少々寂しい状況が続いていたと言えるでしょう。

そんな中、完全にゼロから再設計したRyzenシリーズの登場で状況が少しずつ変わり始めています。

Ryzen 7シリーズはインテルの対抗機種に比べて大幅に安い価格で8コア/16スレッドの実行環境を用意できるCPUとなり、クロックあたりの実性能でも第5世代のCoreプロセッサに並び、第6世代、第7世代に迫る実行効率を実現しています。

次はコンシューマ向けのウルトラハイエンドでインテルと勝負

次にAMDが打った手は一般向けのCPUとしては超々ハイエンドの16コアCPUの市場投入です。

今までインテルの独壇場だったウルトラハイエンドCPUのジャンルに、インテルのエクストリームラインのCPUを超えるスペック、性能を持った製品を投入することを狙いました。

その後、インテルがかなり慌てて18コア製品の市場投入を決めたことからも、各所に大きなインパクトを与える製品だったのだと思われます。

ただ、AMDにはインテルほどの会社の体力はないため、16コアの新CPUを新造できる能力は恐らくありません。このためRyzen Threadripperでは既存の8コアRyzenを、パッケージ内で2つ接合する形(かつてのPentium Dのように)で製造を行なうと思われています。

通常はこの方式だと、いくつかの点で完全な16コアCPUに比べボトルネックとなる箇所が出やすく、性能が出きらないケースもあります。

Ryzen Threadripperでもそういった部分を抱える可能性もありますが、それ以上に面白いこのやり方ならではの利点も引き出そうとしている部分があります。

Ryzen 7コア2つ分のメモリチャンネルと、PCI-Eのレーン数を丸ごと引き出すことが出来る作りのようなのです。

8コアのRyzenではメモリは2チャンネル止まりですが、Ryzen Threadripperではより広いメモリ帯域を実現可能な4チャンネルのメモリが使えるようになります。また、PCI-Eでは64レーンの利用が出来るようになるようです。

サーバー用には4コアを結合した32コアチップを

さらにAMDではサーバー向けに、Ryzen 7相当チップを4つ接合すると思われる32コアCPUのリリースも発表しています。

やはりRyzen 7相当のチップのメモリ関連やI/O周りをできるだけそのまま引き出す作りのようで、メモリは8チャンネル、PCI-Eは128レーンが利用可能な、そちらの面でもモンスター級のCPUに仕上がるようです。

メインストリームはこれから

ただ、現在市場に出ているRyzenシリーズは、実は本当の一般向けパソコンCPUとしては高性能すぎる、というのが実際のところです。パソコン利用のシーンで、8コア/16スレッドを使い切れるような作業はほとんどありません。

ですのでRyzenシリーズ、AMDの新CPUが本当の意味で世に問われるのは、4コア+統合GPUを載せたAMDがいうところのAPUが製品化されてからになると思います。

こちらはモバイルジャンルからの投入になるのか「Ryzen Mobile」の名前でCOMPUTEX TAIPEI 2017会場でデモンストレーションも行なわれたようです。

インテルの第7世代のCoreプロセッサよりも高性能をうたっていますが、その部分も実製品での評価を早く見たいところです。

ただ、本当のモバイル用途では4コア/8スレッド対応のCPU部も、実は少々オーバースペックです。ターゲットとしているTDPも今のところ発表されていません。ですがそのあたりの事情も含め、とても興味を引く製品であることは間違いがありません。