インターネット接続回線の選択の考え方の一つの例

 

今はインターネットに接続する回線もとても種類が増えました。以前のちょっと頑張って光回線にするかADSLでやりくりするかの二択の状況とは完全に変わりました。

選択肢が増えて、よりユーザーそれぞれにあった手段を選択できるようになったわけですが、逆に選択の際の悩みは増えてしまったかもしれません。

今回は回線選択の基準を著者なりにまとめてみます。

大量にデータを使う人はまずは光回線導入を考えるべし

著者がインターネット接続回線を引くときに基本として考えるのが、まずは光回線を引くことをベースにすることです。

自宅でそれなりにネットを利用するならば、基本的には自宅に光回線がある、とうところからスタートしますね。

特にYouTubeなどのネット動画を長時間視聴するユーザーは、可能ならば光回線の導入を検討した方が良いでしょう。スマートフォンでネット動画を見ているユーザーでも、携帯回線とは別に光回線を持つ方が、多くの場合月々の利用料金を下げられる可能性が高くなりなす。

光回線を引いてスマートフォンでそちらの回線経由でのネット利用を行ないたい場合には、「無線LANルーター」とか「Wi-Fiルーター」と言われるタイプのルーターを導入して、スマートフォン側は自宅ではWi-Fiで自宅のルーターに接続する設定を行います。

この設定をすることで自宅でスマートフォンからネットのサービスを利用する際には、携帯回線側のパケットを一切使わなくなります。

毎月通信データ量が30GBを超えてしまうようなユーザーだと、通信料金のトータル金額を削減できる可能性がありますね。

また、自宅でパソコンを使われるユーザーも、光回線の導入を検討された方が良いでしょう。パソコン用OSのセキュリティアップデートだけでもある程度のデータ量を食います。

通信データ量が少ない場合

ネット動画などをあまり利用せず、スマートフォンを使う場合でもメール、LINE、ツイッターと時々Webサイトを眺めるぐらい、といった利用度合いのユーザーならば、契約しているスマートフォンのキャリアのプランそのままでだいたいはOKでしょう。

もし月々のスマートフォン利用料を下げたい場合には、格安SIMの利用を考えると良いケースもあります。

格安SIMの弱点として一番大きなものは、通常の電話回線経由の通話料がものすごく高いことです。本当の通話し放題プランはなく、5分や10分までの短時間の電話ならばかけ放題といったプランしか用意されていません。

格安SIMをメインの回線にして長時間の通話を行う必要がある方は、「IP電話」のサービスの加入が必須になる、と考えた方が良いでしょう。

遅延や音質の悪さなど通話品質の悪化を我慢できるならば、Skypeなどによるアプリ通話でやりくりすることも考えられます。

ただし、アプリ通話はデータ通信の通信速度などの回線状況によって、通話品質が非常に悪くなるケースもあります。その部分はあらかじめ割り引いて考えておく必要はあるでしょう。

また、格安SIMは特に平日昼休みの時間帯には極端に通信速度が低下します。YouTubeの標準画質の動画すら再生できなくなるケースがザラにありますので、利用する上でこの点が問題になるかどうかは、あらかじめ考慮しておく必要があります。

通信データ量が毎月20GB程度に収まる場合

毎月の通信データ量が20GB~30GB程度に収まり、かつ、通話も重要、といったユーザーは、ドコモ、au、ソフトバンクのデータ量の大きなパケットプランを使って、1回線にまとめてしまうのが結局は割安になりそうです。

また、通話は多少通話品質の落ちるIP電話やアプリ通話でなんとかなり、キャリアの提供する電子メールサービスが不要ということならば、格安SIMの大容量のデータ通信可能なプランでもう少し利用料金を抑えることも可能になるでしょう。

ただやはり、格安SIMの通信速度が大きく低下する時間帯のある現状は、利用上問題がないかどうか考慮に入れる必要があります。

大量にデータを使うけれど光回線が導入できないケース

光回線の導入は実はどのお宅でも可能とは限りません。

まだ地方では光回線のサービスが開始されていないエリアもありますし、エリア内でも物理的に工事が不可能な建物もあります。

またアパートやマンションなどの集合住宅では、大家さん、管理組合の許可がなければ導入はできません

こういったケースでの利用が考えられるのはWiMAX系の通信サービスです。

高速通信が可能な方のWiMAX2+でも、最近は一時的な大量のデータ利用に関する速度規制の基準が緩和されたため、本当の意味での実質的な月々のデータの利用可能量が大きく増えました。

受信状態さえ良好ならば、かなりの通信速度も期待できます。

ただ、WiMAX系の場合にはこの「受信状態が良好ならば」が問題となる部分で、キャリアのサービスのエリアの地図では電波の圏内に入っている場所でも、WiMAXの電波の特性などから、ある程度の確率で受信状態の悪い(あるいは全く受信できない)「穴」がポコポコとあるようです

ですのでWiMAX系の通信を正式に導入する前には、UQがやっているサービスの「Try WiMAX」を活用して、ネット接続を利用したい場所での通信速度などを事前に必ず確認しておきましょう。

こういう事情もありますから、残る実際のネット利用で困るパターンは、データを大量に使うけれども光回線が引けずWiMAXの電波も入らない場所です。

こういったケースでは、格安SIMの大容量のデータプランをうまく活用するしか、今のところは手のうちようがないかもしれません。