NECの意地?新型LAVIE Hybrid ZEROで最軽量の座を奪い返す
今まで13型液晶を搭載して抜群の軽さを誇るモバイルノートPCは、NECのLAVIE Hybrid ZEROの独壇場でした。そこに777gの軽さをひっさげて富士通のLIFEBOOK UHシリーズが殴り込みをかけてきたようなカタチです。
既にその時点ではNECのLAVIE Hybrid ZERO側も新しいHybrid ZEROの開発が走っていたはずですが、タイミング的には一度抜かれた最軽量の座をわずかなタイミングのズレだけでまた奪い返すような、なんだかとてもドラマチックな展開になっています。
新LAVIE Hybrid ZEROは軽量モデルで769gの軽さを実現してきました。フリップ型の2in1筐体を実現しながら。
今回は驚異的な軽さを実現しているNECの13型モバイルノートパソコン、LAVIE Hybrid ZEROを取り上げます。
軽さでは日本メーカーの独壇場
今はモバイルノートパソコンの「薄さ」では、むしろ日本のメーカーが海外のメーカーに圧倒されているイメージに変わってきました。
HPのSpectreシリーズや、Acerの新機種が驚異的な薄さを実現しています。
ですがこと軽さに関しては、日本のメーカーの突っ走りっぷりがすごく、まだまだ海外メーカーはこの分野では太刀打ちが出来そうにない感じです。
NECがLAVIE Zで875gを実現したときも、実物を持っても中身が空っぽのモックアップと勘違いするほどの、まさに「異次元の軽さ」を実現していましたが、そこからさらに100g以上を削ってきているわけで本当に驚異的な軽さと言えると思います。
著者の使っているVAIO pro 11も750gほどだと思いますが、こちらは画面サイズが11型で一回り小さいのです。それと同等の軽さを13型液晶を搭載しながら実現しているのは、本当に驚異的としか言い様がない気がします。
まさかのフリップ型2in1
さらにLAVIE Hybrid ZEROがものすごいのは、通常、単純なクラムシェルタイプのノートPCよりも重量のかさむ、フリップ型の2in1構造を採用しつつこの脅威の軽さを実現しているところです。
通常、13型程度でキーボードと液晶部が分離しないタイプの2in1 PCは、重量が1.2kg程度を越えるものが多く、タブレット形状で利用するには少々重すぎるのが難点でした。
Hybrid ZEROならば、キーボードが付いていても重量は769g。タブレットモードでも画面サイズを考えれば十分に軽いと言える重量です。
ちなみにSurface Pro 4本体(タブレット部分)の重量が766g。キーボードまで含めたLAVIE Hybrid ZEROとほぼ同じ重さです。液晶はHybrid ZEROのほうが一回り大きいので、持ったとき重量感はむしろHybrid ZEROのほうが軽く感じるかもしれませんね。
狭額縁化でフットプリントも小さく
LAVIE Hybrid ZEROは液晶部分の額縁を非常に狭くすることで、フットプリントも小さくしてきています。従来のモデルよりも設置面積が1割近く減っています。
ほぼA4用紙サイズの面積になっています。
スペック
スペックとしては第7世代のCoreプロセッサ、Core i3-7100Uまたは、Core i5-7200U、またはCore i7-7500Uを搭載。
メインメモリは4GBまたは8GB。ストレージはSSDで128GBまたは256GBとなります。
最軽量を実現するのはバッテリー容量を削ったモデルで、こちらはバッテリー駆動時間が約6.5時間になっています。
上位モデルではバッテリー容量が増加していて、その分重量が増えて831gとなりますが、バッテリー駆動時間は約10時間に伸びます。
インタフェースは若干控えめで有線LANポートを持っていません。この部分はビジネス用途では少々残念な部分です。
最軽量の座を巡る争い続く
実はLAVIE Hybrid ZERO発表後、富士通がLIFEBOOK UHの重量の再測定をやってみたら、761gぐらいに収まりそうだ、という発表を行ないました。
どうやら最軽量の座に対するかなりの意地があるようです。
ただこれをやって重量を訂正すると、数は多くはないでしょうが実際には761gを超える重量の個体が出てくるようになるでしょう。また、NEC側もLAVIE Hybrid ZEROの重量の再測定をやって、泥沼の展開になる気配があります。
野次馬根性的には楽しいお話ではありますが、メーカーの姿勢としてはあまり潔い感じには見えなくなってしまう可能性もあります。
できればこの辺りはスッキリ落ちてほしいところです。
中身的には両者の製品には一長一短があり、ここまでくるとグラム単位の最軽量の座争いには大きな意味は事実上ないと思いますから。