軽量モデルは777g!紙のノートよりも軽い?富士通のLIFEBOOK UH

富士通 13.3型 ノートパソコンFMV LIFEBOOK UH75/B1 ピクトブラック(Office Home&Business Premium プラス Office 365) FMVU75B1B

このモデル発表からすぐにNECがさらに「グラム単位」でより軽いモデルを発表して、13型液晶搭載ノートPCのジャンルでは最軽量の称号を奪い返されてしまいましたが、それでもやはり13型液晶を搭載しながらわずか777gの重量というのは驚異的な軽さです。

モバイルノートPCの軽量化のジャンルでNECが一人気を吐いていましたが、その状況に国産PCのもう一方の雄、富士通が意地を見せる形で待ったをかけたのが「LIFEBOOK UHシリーズ」です。

今回は恐らく日本独自の薄くて軽いけれども「強い」モバイルノートパソコンの話題も絡めつつ、軽量モデルで777gを実現した富士通のLIFEBOOK UHを取り上げます。

まずはスペック

LIFEBOOK UHシリーズは、第7世代のU型番プロセッサを搭載する13型液晶採用のモバイルノートパソコンです。

CPUはCore i5-7200Uを採用。定格2.5GHz、ターボブースト時には最大3.1GHzまでクロックが上昇します。デュアルコアで4スレッド対応のCPUです。

統合されるGPUはIntel HD Graphics 620。実行ユニット(EU)数は24で192SP相当のものになります。

モバイルノートPCながら、Type-A形状のUSB3.0コネクタを2つ、Type-C形状のものを1つ持っています。

さらに、変形して飛び出すカタチのギガビット対応のLANポートを組み込んだところに、富士通の技術者の意地を見た気がします。HDMIコネクタもきちんと装備する部分も合わせ、ビジネスユーザーの使い勝手をとても真面目に考えてくれているパソコンです。

13.3型の液晶は非光沢のもので、フルHD解像度。

メインメモリは4GB固定のようで、この部分はちょっと残念な仕様です。ストレージは128GBまたは256GBのSSDが選択可能です。

LIFEBOOK UHにはバッテリー容量が2種類設定されていて、大容量の50Whのバッテリーを内蔵するモデルは重量が約913gになります。777gを実現するモデルは、バッテリー容量が半分の25Whとなります。

ただ、軽量モデルでもバッテリー駆動時間は公称8.3時間と、かなり長い時間を実現できています。

「変荷重」キーボードを採用

高級キーボードのRealforceシリーズにも設定がありますが、対応する指によってキースイッチ押し込みの重さを変化させたキーボードがあります。

「変荷重」キーボード、などと呼んだりもしますが、LIFEBOOK UHではこのコンセプトを部分的に採用しています。

基本的には元々力の入れにくい小指が担当するキーの押圧を軽くする作りです。

また、キーピッチはフルサイズの約19mmを確保。薄型の本体ながら1.2mmのストロークを実現しているところもかなりの頑張りを感じます。

Ultrabookと呼ばれるモバイルノートPC出始めの頃は、タイプ感の悪いノートPCがありましたが、今ではキースイッチの工夫で短いストロークの中でもしっかりした打鍵感を実現している機種ばかりになりました。

軽量化の鍵はやはり小さな工夫の積み重ね

どこのメーカーの軽量なパソコンでも共通する事柄のようですが、ここまで軽くなると、更なるシェイプアップは涙ぐましい小さな小さな工夫の積み重ねしかないようです。

LIFEBOOK UHでも保護ガラスの厚さの削減や、基板の薄さ、組み立てのためのネジの削減、さらには「肉抜き」などまで総動員するカタチで重量の削減を行なっているようです。

それでいながら日本独特の事情から十分以上の強度も確保しないといけない、多分このタイプのモバイルノートPCは日本メーカーにしか作れないでしょうね。

軽いけれど強い

日本人は多くの場合ノートパソコンを持っての出張などにも電車を使います。アメリカ人だったらどこに行くのでも自動車になるでしょうから、多少重くて大きなパソコンでもあまり問題になりません。

最初のアメリカ製モバイル(?)パソコンは小型のブラウン管ディスプレイを備えた、スーツケース並の巨大な筐体でしたから。

しかも日本ではビジネスバッグにノートパソコンを入れて「満員電車」に乗車する可能性がかなりあります。

つまり、軽くて丈夫でないといけない、という非常に難しい制約があるわけです。

LIFEBOOK UHもこの辺りはしっかりとかなりの水準をクリアしているところがさすがです。全面への加重ならば200kgfにも耐える作りです。

落下試験などもクリアしていて、日本のモバイルノートPCに求められる性能をしっかりと実現しています。

落下試験に関しては本体の軽さ、内蔵ストレージがSSDであることが逆に大きく有利に働いていそうですね。

その分高価だけれども

ここまでの作り込みがされている分、LIFEBOOK UHはさすがに今どきのノートパソコンとしては高めの19万円程度の価格になります。

ただ、やはり777gという軽さにはすごく大きな価値があります。

13型液晶を採用した分、フットプリントが大きくなりますから、実際に本体を持ってもモックアップと勘違いするかもしれません。それぐらいに驚異的に軽い機種です。

ここまで軽ければ本当に紙のノート代わりにどこにでも気楽に持ち出せるようになり、生活が変わる可能性もありますね。