「4in1」ってなんぞや?フランスから新たなデバイス来襲か??
先日までアメリカで開催されていた世界最大級の家電見本市CES 2017の会場で、パソコンなどのIT関連機器のジャンルではあまりお話を聞かないフランスから、極めてユニークな製品の展示が行われました。
持ち込まれた開発中の機器はなんと「4in1」、4つの機能を1つの機種にまとめ上げたデバイスを名乗っていました。
今回はこの極めて意欲的な新デバイス、4in1の「GraalPhone」を取り上げてみます。
ノートパソコン+タブレット+スマートフォン+デジカメ=4in1
Graalphoneはこの見出しの4つの機能を1つの機種で実現可能なことから4in1を名乗っています。
パソコンのジャンルではノートパソコン的にもタブレット端末的にも使える機種を「2in1」と呼んでいます。
また、HPのWindows 10 Mobile搭載のスマートフォンElite x3は、恐らく、デスクトップパソコン、ノートパソコン、スマートフォンの役目を果たしうると言うことで3in1を名乗っています。
Graalphoneではこれらの上を行く4in1を実現しようとしているわけです。
7型液晶を備えるPC
4in1のまず一つ目の機能ノートパソコンとしては、Graalphoneは7型の液晶を持つクラムシェル型の、いわゆる一般的なノートパソコンの形状を実現します。
キーボードはキーピッチがやや小さめではあるものの、特に省略されたキーもないしっかりしたものを搭載します。
液晶部分は、開く角度を変化させることは出来ませんが、開いた状態で机に置くと作業にちょうどいい角度になるようになっています。
パソコン機能としてはWindows 10をOSとして採用しています。
タブレットモード
タブレット端末にするときには、液晶が上を向くように開いてスライドして本体側に格納したような形にします。
これで厚さは2cm弱と若干厚めではありますが、7型画面のタブレットらしい形になります。
この際、OSはWindows 10ではなくAndroidが起動するようになっています。Windows系OSよりも気軽に使用できるAndroidを選択した、ということのようです。
スマートフォン内蔵
Graalphoneがやや厚みのある筐体を使っている理由の一つがこれですが、Graalphoneは7型液晶を持つノートパソコンやタブレット端末的な筐体の中に、5型液晶を持つスマートフォンを内蔵しています。
筐体からスマホ部分を引き出すことで、スマートフォン単体で利用できる形になります。
OSにはAndroidを搭載していて、画面はフルHD解像度とのことです。
タブレットモードで利用する際には、このスマートフォン側のCPUなどが動作していて、画面を7型液晶の方に映す形になっています。
3D対応のデジタルカメラ
Graalphoneでは外側の筐体の方に5倍の光学ズームレンズを持つデジタルカメラがついています。
加えて、筐体にスマートフォン側のカメラのレンズを露出されるための穴が空いており、両方のカメラを同時に利用することで、ステレオ写真が撮影可能とされています。
また、製品のWebページでは、液晶が立体視可能と読める記述がされています。
以前富士フイルムの作っていた3Dカメラや、ゲーム機の任天堂3DSのような、裸眼立体視が可能な液晶が搭載されるのか、そのあたりもちょっと気になるところです。
700ドルで2017年中に発売予定
Graalphone開発元では2017年中に700ドル程度での発売を目指して開発を進めているそうです。実際にこの価格で手に入るとしたら、非常に魅力的な製品になってくれそうです。
ただ、コスト的には結構ぎりぎりそうな感じがありますね。
スマートフォンのSoCはミドルクラスのものになりそうですし、パソコン側のCPUは多分ATOMで、メインメモリ2GB、ストレージが32GBぐらいに押さえられることになるかもしれません。
それでも他にはないとてもユニークなガジェットで、発売がとても楽しみです。