クラウドファンディングから生まれるユニークなPC

10-p09

 

今、ベンチャー企業が製品開発のために資金を集める手段として「クラウドファンディング」というやり方が注目を集めています。

実績などの裏付けの少ない、本当のベンチャーは銀行などからのお金の調達が難しく、ファンドなどと呼ばれる投資家からもなかなかお金を集めるのは難しいのでしょう。

そんなクラウドファンディングを利用して、PCの世界でも極めてユニークなマシンが登場しています。

Nintendo DSっぽい小型PC

クラウドファンディングを使って製品化されたPCの一つが「GPD WIN」です。

二つ折れでノートパソコンっぽい形はしていますがサイズがずっと小さく、ゲームパッドのような十字キー、アナログスティック、4つのボタンを備えています。

ちょっと大きめなNintendo DSみたいな雰囲気のパソコンです。

中身は現行のATOMを採用していて、低価格タブレットパソコンとほぼ同様。メインメモリは4GB、ストレージは64GBと、Windows 10を一通り動かすには十分なスペックになっています。

ただ、外部GPUを備えていませんので、携帯ゲーム機ライクな見た目とは裏腹にゲーム用としては微妙なポジション。ただ、3Dものでもライトなゲームであれば十分に楽しめるとは思います。

今現在はもうクラウドファンディングでのプロジェクトは終了してしまっていて、購入等は出来なくなってしまっていますが、最終的には約72万ドルもの出資が集まったようです。

330ドルの出資で本体を1つもらえる(買える)形だったようです。

タッチパッド型(?)パソコン、Ockel Sirius A

こちらは、ほぼスマートフォンサイズにWindows 10パソコンの機能を押し込んでしまった形の、超小型PCです。

今はスティック型PCなどもありますから単にサイズとしてはそれほど驚くものではありませんが、Ockel Sirius Aは高解像度の液晶パネルも搭載して、単体でWindows 10パソコンとして完結する形になっているところが特徴的です。

中身はやはりATOMを使ったタブレットと同等のシステムで、バッテリーも内蔵してAC電源のない環境でも動作できます。

Ockel Sirius A自体がスタンドアロンのパソコンですが、他のパソコンとUSBケーブルで接続すると、Ockel Sirius A側が高機能なタッチパッドに変身する機能も備えています。

こちらはいまもプロジェクトが継続中で、これまでに集まったお金は約42万ドル。メモリ4GB、ストレージ64GBのモデルは549ドルの出資で手に入れることが可能です。

大量生産では実現しにくいユニークなアイディアを活かす場

これらのパソコンでもそうですが、クラウドファンディングは、大量生産させる製品には馴染みにくいユニークなアイディアを形にするための舞台として使われています。

上記の2つのパソコンも、一部のガジェットマニアにはすごくウケて盛り上がりを見せましたが、一般ユーザーには今ひとつ使いにくい形のパソコンになっているはずです。

多分、大メーカーが通常のパソコン製品として大量生産のラインに乗せるには、少々厳しい内容だと思います。コンセプトがちょっと「とんがりすぎ」ていて。

そういったユニークなアイディアを、少量生産でもなんとか出来るのがクラウドファンディングということなのでしょう。

ただ、もともと大量生産を考えていない製品だけに、いわゆる「スケールメリット」による販売価格の低下には期待できません。恐らく上記の2製品もスペックを考えると価格の方はメーカー製のパソコンよりも割高になっているはずです。

その差額はユニークなアイディアと機能で補填する形になるのでしょうか。

今までアイディアは良くても大量生産する機種としては馴染みにくいために、埋もれてしまったアイディアが日の目を見る舞台として、これからもクラウドファンディングが活用されていく機会が増えていくのだと思います。

またパソコンのジャンルでも、そこからすごく面白い「とんがった」製品が生まれてくることを期待したいです。