不正なWeb広告に注意!正規サイトでも安心できないケースもあります

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最近増えているネット関連の詐欺に「サポート詐欺」と呼ばれるタイプのものがあります。ブラウザを開いていて「あなたのコンピュータに致命的エラーがあります」とか、「極端に速度が低下しています」などの警告めいた表示を見たことがある方もいらっしゃるかもしれません。

これらは基本すべて「ウソ」です

それを信じたユーザーにニセの対策ソフトを買わせることで儲ける、ほぼ詐欺そのものの商売です。

このタイプに近い詐欺まがい行為(というよりほぼ真っ黒)に最近新手が登場しました。電話番号などの連絡先を記載して、エラーの修正のために連絡せよ、とのメッセージが出るタイプです。

質の悪いことにこの手の詐欺まがいの広告は、各種の正規のまっとうサイトでも表示される可能性がゼロではありません。

今回はそのあたりも含め、Web広告の仕組みなどと合わせて紹介していきます。

Web広告の仕組み

Yahooなどもそうですが、ほとんどすべてのメジャーなサイトにはたくさんの広告が貼り付けられています。これらの広告が表示される仕組みってご存じですか?

多くのWebページに貼られる広告は、それ専門の広告代理店、みたいな会社あってそちらが管理しています。Webサイトの管理人・管理会社の方は、あるページの一部の領域を広告会社に枠ごと貸し出す形をとります。

その枠の中にどんな広告が表示されるかは広告代理店の会社次第。大本のWebページを作っている会社はほとんど関知できない仕組みになっています。

このため使う広告代理店によっては、結構危険なバナー広告が紛れ込んでしまうケースがあります。

昨日見た中ではMSNのトップページからたどる個別記事ページ(別サイト)に貼り付けられた広告に、モロに今回ご紹介するタイプの(ほぼ)詐欺ソフトを売り込む広告が紛れ込んでいました。

一応、まともなこのタイプの広告代理店はかなりしっかりと広告の内容をチェックしているはずなのですが、それでも100%完全ではないケースがあるようで、非常にメジャーなサイトに極めて危険な広告が紛れ込んでしまうケースもたまに出てきます。

また、広告代理店の質が低い場合、ボロボロと危険な広告のバナーが垂れ流されます。そういった広告を使うサイトはサイト自体の質も…、というところが多いのは多いのですが。

とりあえず可能性として、メジャーなサイトでも危険なバナー広告が紛れ込む可能性はゼロではないことを頭の片隅にでも置いておく方が良いと思います。

サポート詐欺

最近登場して増えている手口は「サポート詐欺」と呼ばれるタイプです。

Webサイト閲覧中にコンピュータに致命的エラーがある、などとして、提示した連絡先にコンタクトを取るよう求めるものです。

すると多くの場合パソコンに遠隔操作用のソフトのインストールを求められ、相手が何か「調査をしたふり」だけして、実際には何の調整も行わないまま料金だけを請求するタイプの詐欺です。

元々、パソコンには致命的なエラー自体が存在せず最初のメッセージがウソなのですから、エラーの修正作業ってやつ自体があり得ないのですけれどね。

また、遠隔操作ソフトをインストールして相手から接続可能にしてしまうと、悪意のある相手が手元のパソコンに様々なよからぬことを働き放題になります。それこそ自作自演で「ウィルスを自らインストールした上でそれを除去したことにする」、なんてこともやり放題になってしまいます。

この手の詐欺に共通して言えるポイントは、「ブラウザを起動しているだけで、パソコン内部のチェックが出来る訳がない」という事実です。

「致命的エラーがある」というメッセージも、単にWebページに画像が貼り付けられているだけです。何らかの動作をしているように見える動く画像も、ほとんどすべて「GIFアニメ」の仕組みを使って作られたパラパラマンガみたいなものです。

中には警告のビープ音や音声が出るタイプのものもありますが、それも単にページに固定の音声データを埋め込んでいるだけです。

とにかく上にも書いたとおり、ブラウザを開いているだけでパソコンの診断を行うなんてことは不可能です。ここを良く覚えておき、詐欺に引っかからないよう気をつけましょう。