WORDのオートフォーマットと「ケンカ」しないためのちょっとしたコツ

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マイクロソフトオフィスに入っているワードプロセッサのWORD。非常に広く普及していて、今やこれが日本語ワードプロセッサの標準的な扱いになっている感があります。

使い方がわかってくると非常に洗練された優れたアプリであることがわかってきますが、ですが日本に以前からあった「日本語ワープロ」とはちょっと使い方の作法が異なる部分がある気がします。

そういった部分も含めWORDを使いこなすちょっとしたコツみたいなものをご紹介します。

敵はオートフォーマット

WORDを使って非常に使いにくく感じる機能の一つとして、多分もっともたくさん上げられるのが「オートフォーマット」機能ではないでしょうか。

「1.」とか「・」といった文字で始まる行を見つけると、WORDがその行は箇条書きでは?と気を利かせて(余計なお世話かもしれません)、それ以降の行に箇条書きのフォーマットを勝手に設定してくれるような機能のことです。

この機能が煩わしくて、WORDを使う際には真っ先にオートフォーマットを切る設定を行ってらっしゃる方もいるでしょう。

この部分は、文章を作成していく際にオートフォーマットを働かせないよう、ちょっと工夫をすればOKです。

文化の違い

もう一つは「生まれの違い」といったところでしょうか。

WORDは「英文ワードプロセッサ」を「日本語化」したソフトというのが近いと思います。日本で生まれ育った「日本語ワープロ」とはちょっと文化が違う感じです。

標準で使われているフォントが、「プロポーショナルフォント」と「等幅フォント」という違いもベースにあるかもしれません。

プロポーショナルフォントは文字ごとに横幅の異なるフォントで、上手く配置さえされれば間延び感の非常に少ない美しい表示・印刷が行えます。ですが、空白文字を並べて行揃えを行う、といったことはまず出来ない仕組みになっています。

このため行の頭を揃えるには、WORDでは基本「インデント」や「タブ」の機能を使います。

また一般にWORDでは見出しや箇条書きは、単に見た目を変化させただけの文字ではない、というところがミソになるかもしれません。きちんと「文章の構造の一つ」として表現しようとする仕組みになっています。

上手くつきあうには「文章の構造」をちょっと意識する

WORDと上手くつきあうコツの一番は、文章の構造をちょっとだけ意識してあげることにあると思います。

一例としては、見出しは文字のサイズを大きくして太字の修飾をつけただけの文字の集まりではない、と考えることですね。

ホームページ用のHTMLを書いたことがある方なら少し概念が理解しやすくなると思いますが、文章の見出しもHTMLの見出しである「H1、H2 、H3」と言った要素のように考える、というようなイメージになります。

キチンと文章の構造上の意味をつけてそれをWORDに教えてあげる、というような考え方がいいかもしれません。

WORDにはいくつか見出しの修飾のような要素が用意されていますが、あれは単に見た目を変えるだけのものではない、ということです。あれを使ってキチンと見出しに「マーク」をつけてやる(マークアップする)と、その情報を使ってWORDが自動的に索引を作ることも出来るようになります。

また、見出しの見た目の修飾が思ったイメージ通りにならなかったら、画面の文字の修飾を変えるのではなく、用意してある見出し用のフォーマットを変更してやると、同じ見出し形式の設定をしたフレーズは全部いっぺんに同じ修飾に変わってくれます。

箇条書きも同じような考え方です。

この部分は箇条書きなんですよ、とWORDに教えてあげることで、文章の構造をWORDが理解してそれに適した処理してくれるようになります。

WORDにはじめから用意されているフォーマットにはそういった役目もあるのです。

まとめ

こうった内容を考えるとWORDは日本語ワープロと言うよりも、文書のマークアップ用エディタ、みたいな呼び方の方が適しているのかもしれません。

従来の日本語ワープロの作法をそのまま持ち込もうとすると、確かにすごく大変です。そういった使い方をする場合には、オートフォーマットを切って使用するフォントも等幅フォントに設定し直すのが良いでしょう。

WORDのWORDらしい機能を活かしたい方はちょっと考え方をシフトしてみると、色々と面白く便利な機能が活用できると思います。