真のハイエンドWindows 10スマホ登場。HP Elite x3
Windows 10スマホに本当のハイエンド機種がいよいよ登場します。HPのElite x3はスペック的には例えばXperia Xパフォーマンスあたりと完全に肩を並べる内容を持つ、最先端のスペックを持つスマートフォンに仕上がっています。
最新のSoCを搭載しているため携帯電話向けContinuumでは、Miracast経由の接続だけではなく、有線接続によるより実用性の高い接続も可能になっています。
ユニークな独自の周辺機器も発売され、より面白い使い方も可能になりそうです。
今回はこのHP Elite x3をご紹介します。
スペック
HPのElite x3はスマートフォンの心臓部となるチップにクアルコムの最新のハイエンドチップである、Snapdragon 820を搭載しました。
このチップはCPU部のコア数こそ4つと前の世代のSoCよりも減っていますが、実性能では前世代のハイエンドSnapdragon 810をずっと超える性能を実現しています。
メインメモリは4GB、ストレージにはeMMC接続のSSDを64GB搭載して、モバイルノートパソコン並の容量を実現しています。
ディスプレイにはWQHD解像度(2,560 x 1,440ドット)の超高解像度となる、6型の有機ELディスプレイを搭載しています。
また、Windows 10スマホとしては恐らく初めて防塵・防滴性能を備えたことも特徴です。さらに米軍の調達仕様をクリアする耐衝撃性能なども持っています。
回線はauネットワークに最適化
先行したVAIO Phone Bizはドコモのネットワークへの最適化を進めた機種でしたが、Elite x3はauネットワークに適した端末になっています。au回線との相互接続性テストをパスしているほか、au回線でのキャリアアグリゲーションやWiMAX2+への対応を行なっています。
端末自体はSIMロックフリー端末で、ドコモのネットワークのプラチナバンドにも対応しますので、ドコモ系のSIMでも普通に利用は可能です。
また、音声通話ではauのVoLTEに対応し、より高音質の通話が行えることも特徴です。
生体認証に対応
Elite x3は虹彩認証と指紋認証に対応可能なハードウェアを備えていて、セキュリティ面に大きなアドバンテージがあります。
恐らくWindows 10の生体認証機能の基盤である、Windows Helloにも対応可能だと思います。
極めてユニークな周辺機器
SoCにSnapdragon 820を搭載したことでElite x3は有線接続の携帯電話向けContinuum機能が利用可能ですが、これを活かす非常にユニークな周辺機器が発売されます。
一つは外部ディスプレイ出力や複数USB端子、ネットワークポートを備え「デスクドック」で、これにElite x3を接続して外部ディスプレイ、キーボード、マウスをつなぐことで、デスクトップパソコン的に利用可能になります。
もう一つが最もユニークな周辺機器で、クラムシェル型のノートパソコンのような12.5型の液晶画面とキーボード、大容量バッテリーを備えた「ノートドック」です。こちらにElite x3を接続することで、外出先でもElite x3をパソコン的に利用することが可能になります。
また、ノートドックのバッテリーからはElite x3本体の充電が可能です。外出先での長時間利用も可能になります。
こういった様々な利用形態を可能としたことで、HPではElite x3を「3 in 1」デバイスと呼んでいるようです。
非常に操作性の良い有線Continuum
そしてこの端末の一つの決め手が有線接続でも利用可能な携帯電話向けContinuumでしょう。
この機種ではありませんが、AcerのLiquid Jade Primoのほうで有線接続の携帯電話向けContinuumをちょっと触る機会があったのですが、マウス操作の「ダイレクト感」とでもいうべき操作性にはやはり素晴らしいものがありました。
もちろんElite x3でも有線接続では同等の操作感が実現できるでしょう。
さすがにお高い。が
HPのElite x3は本体のみの価格が77,800円+消費税で販売開始されます。KDDIのチャンネルから法人向けに販売されるほか、HPのWebショップでも取り扱われる模様で、ビジネス向けの性格の強い端末ながら個人でも普通に購入が可能となるようです。
デスクドックは12,000円、ノートドックには5万円近い価格が付くようです。
本体もかなり高めの価格ではありますが、AndroidOSやiOSのハイエンド端末と同等かむしろ若干安い程度の価格での発売となりました。
スマートフォンとしての一般的な使用感においては、Snapdragon 617などを搭載するミドルクラスの機種と大きな差がないと思われますが、携帯電話向けContinuumにおいては有線接続の非常にダイレクト感の高い操作感が武器となりそうです。
売り方次第では面白い端末に育っていくかもしれません。