言われるほどは汚くない?改善されてきたWindows 10のフォント表示
Windows 10は登場当初からフォントの画面表示が「汚い」と言われ続けてきています。ですが実際のところ、システム表示用などを見ている限り、そこまで酷い表示になっているわけではないようにも思います。
実際のところそのあたりの事情はどうなっているのか、少し詳しく事情を見ていってみます。
「汚い」と言われるのには二つの原因
実のところWindows 10のフォントが汚いと言われている内容には、大きく分けて2つの原因があるように思われます。この2つが色々とごっちゃになってしまうことで、汚い、と声を上げている人自体、本来の理由が見えなくなってしまっているようにも思われます。
問題をしっかりと改善するにはこの2つをきちんと切り分けた方が事情は分かりやすくなるはずです。
まずWindows 10でフォントが汚いと言われる理由の一つは、システム標準のフォントが変更になったことです。これによって画面の雰囲気を「見慣れてない」ために「違和感を感じる」のが大きな理由の一つです。
Windows 10ではWindows 7で使われていた「メイリオ」というフォントから、「游ゴシック」というフォントにシステム標準のフォントが変更になりました。
游ゴシックはメイリオとはフォントのバランスが大きく変更になっていて、特にひらがな、カタカナがスリムで細身な書体になっています。これだけ大きく表示が変わると違和感を感じない方がむしろ難しいかもしれません。
ただ、「慣れて」しまうと、むしろ引き締まったイメージにも見えるフォントでもあります。
もう一つの問題点は、歴代のWindowsが連綿と引き継いできた弱点でもあります。Windowsは画面のフォント表示をキレイに見せる仕組みが非常に弱いのです。
初期のWindows 10のフォント表示用データを作る仕組みと游ゴシックの相性も良くなかったようで、画面表示が一部かすれたような表示になる部分も確かにありました。
この2つの悪い意味での相乗効果で、Windows 10はフォントが汚い!というイメージがある程度確定してしまっています。
ただ、文字の画面表示用のデータを作る仕組みは少しずつ改善されてきています。パソコンのドット密度が低めの画面で見てもかなり違和感の少ないキレイな表示が行えるようになっています。
スマートフォンなどの高DPI環境ではキレイ
実は同じWindows 10の仕組みでも、画面のドット密度が高い環境では游ゴシックの表示は実は非常に美しいものになります。
Windows 10 Mobile搭載のスマートフォンや、Surface Pro 4などの解像度の非常に高い液晶を持つノートパソコンなどでは、表示されるフォントに不満を持つ人はかなり少ないのではないかと思います。
まだフォントのデザイン上のバランスに改善の余地はあると思いますが、他のOSのスマートフォンに見劣りしない表示も可能です。
フォントデザインに慣れない人は標準フォントを変更する手も
残念ながらWindows 10標準の機能では出来ないのですが、フォントのデザイン面にどうしても慣れられない人は、システム標準のフォントをメイリオに切り替えるツールもいくつか発表されています。
こちらを利用して標準フォントを変更する手もあります。
フォントの画面表示用データを作る仕組み側は、マイクロソフトの改善待ち、と言う形にはなってしまいますが、マイクロソフト側ではもうちょっと待ってください、というお話を繰り返していますので少しずつでも改善は進んでいくものと思われます。
Windowsにはギリギリまですべての遅延を削って極限の環境でプレイしないといけないゲームも存在しているため、フォント表示も極限まで動作を速くする必要があるユーザーもいます。
このため、現状よりも表示はキレイだけどPCには少し余分な負荷がかかる、と言う仕組みを一律に導入するのが難しいという事情もあります。
可能であれば、若干動作が重くなるはずだけれど表示はとてもキレイなシステムと、表示は現状と同程度だけれど動作は軽い、という2つの使い方が可能になるのがベストです。
面倒でしょうが、マイクロソフトには是非頑張ってもらいたいところです。