新世代GPUの先陣を切ったNVIDIAのGeForce GTX 1080

MSI NVIDIA Pascalアーキテクチャー採用 GeForce GTX 1080搭載グラフィックボード GEFORCE GTX 1080 FOUNDERS EDITION

パソコンで画面表示の機能を受け持つためのサブのプロセッサとして世に登場してからずっと、GPUは毎年のように倍々ゲームで性能を伸ばしてきました。ですがここ数年、その性能の伸びは鈍化しています。

理由はCPUやGPUを製造する回路の微細化のペースが落ちてしまったことです。

パソコン用CPUの巨人インテルでさえ、最新の製造プロセスの立ち上げには極めて苦労するようになっていて、最新の14nm世代以降では、遂に今までのインテルのCPUの性能向上を支えてきた「チクタク サイクル」と呼ばれる開発方法を捨ててしまいました。

GPUの方はより大きな影響を受けていて、旧世代の製造プロセスで何度か新製品を設計・製造せざるを得なくなったために、回路規模を思い切って大きくすることが出来ず、しばらく性能の伸びが鈍ってしまいました。

それがようやく今年になって状況が改善します。GPUを製造する工場を持つ会社が、ようやくインテルのCPUを製造するプロセスの細かさに概ね追いつくことが出来ました。この新しい製造方法を採用したGPUが今年から来年にかけて続々登場するはずです。

まずその先陣を切ったのがNVIDIAの一般ユーザー向けのハイエンドビデオカード、GeForce GTX 1080です。

前世代のウルトラハイエンドを超える性能

GeForce GTX 1080は、NVIDIAの前世代のビデオカードのウルトラハイエンド、GeForce TITAN Xを超える性能を実現しています。また、1世代前のハイエンドからミドルハイクラスぐらいに相当するGeFroce GTX 980を2枚挿した状態(SLI構成)よりも高い性能を出すとされています。

GPUを構成している回路の規模としては増加の割合は控えめで、製造プロセスが縮小したおかげでGPUのチップのサイズは逆に小さくなっています。

あまり回路の規模を大きくしていないのに性能が大きく伸びたのは、GPUを動作させるクロックが大幅にアップしたからです。GeForce GTX 1080では今までのGPUでは考えられなかったような、1.7GHzを超えるクロックでの動作を可能にしています。

CPUやGPUの消費電力/発熱は、動作クロックが上がると指数関数的に跳ね上がりますので、今までのGPUの動作クロックは1GHz前後がやっとでした。

それが、微細化した製造プロセスのおかげで、ここまでの高クロックとそこそこの消費電力を実現できるようになったのです。

メモリには新規格の高速メモリを採用

VRAM(GPU専用のメモリ)には、GDDR5Xという新しい規格のものを採用しました。これは今までビデオカードで使われてきたGDDR5という規格の改良版で、急遽まとめられたものと言われています。

1つのクロックで8回データを取り出すことが可能なタイプのメモリで、GeFroce GTX 1080には10GHz動作相当のメモリが8GBも搭載されています。

非常に高性能ながら消費電力はそこそこ

一般ユーザー向けではハイエンドとなるビデオカードで実際の性能もすさまじいものがあるビデオカードですが、ハイエンドビデオカードとしては消費電力は比較的大人しい水準で済んでいます。

消費電力の目安となるTDPと言われる値は180Wです。補助用の電源コネクタが8ピンのもの1つで済んでいます。

一般的な使い途では使い切れない性能

ただ、ここまでビデオカードの性能が上がっても一般には使い切れないほどの性能で、通常はもてあまします。最新の画面が極めてきれいなゲームを4Kディスプレイで遊ぶとか、そういった用途でしか本来の性能をフルに発揮するシーンはありません。

ただ、このビデオカードが目指しているところはちょっと違っていて、これからPCなどでの普及が予想されているVR(バーチャル・リアリティ)の用途をにらんだ性能です。

VRでは右目用と左目用の3D画像を同時に作ってやる必要がありますので、従来と同じレベルの緻密な画像を用意するなら、単純計算では普通にディスプレイに1枚の画像を表示するのの2倍の性能が必要になる計算です。

ビデオカードジャンルでのライバルAMDも新ビデオカードではやはりVR対応をウリにしていますので、今後のハイエンドビデオカードは、必ずVRと言うジャンルが製品のカギになって来ると思います。