使ってみると分かるその良さ。8.9型2in1 PCの絶妙な使い心地

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著者は先日、中古ですが非常にお手頃なお値段の8.9型液晶搭載の2in1パソコンを購入しました。中身的には、Windows 10タブレットに専用のBluetoothキーボードをつけたような構成です。

このため性能やスペック的にはかなり控えめで、重い作業を行なうには全くと言っていいほど向いていません。ですが、サブ機として割り切って使い途を限定する形で利用する分には、とてもいいサイズ感なことに気がつきました。

その理由などを交えて、Windows 10搭載の低価格2in1パソコンの使い勝手などをご紹介します。

・ハードウェアの仕様はかなりスリム

著者が入手したのは、CPUに1世代前の定格1.46GHz動作のATOM、メインメモリを2GB、ストレージにはeMMCタイプの64GBのSSDを搭載した機種です。液晶は8.9型の1200ドット x 800ドットのものを搭載しています。色々な面でWindows 10を動かすにはミニマムに近い構成ですね。

ただ、ストレージが64GBある分、無理をしなければSDカードなどで容量を増強しなくても、それなりに使える機能性は確保できています。

・この構成でもWindows 10はサクサク動く

CPUがATOMということで動作が重くないかを心配される方もいらっしゃると思いますが、少なくともWindows 10のOS本体の操作に関しては、引っかかりなどを感じる箇所はほとんどと言っていい程なく、かなりサクサクと軽快に動作してくれます。

重たいアプリを動かすにはパワー不足と言うことは間違いがないのですが、限定されたCPUパワーと言うことを分かった上で使うアプリをそれに見合ったものにしてやれば、日常での利用には全く何も問題は感じないだけの使い勝手を実現できます。

メインメモリが2GBしかありませんので64bit版のWindowsを使う意味はほぼないこともあり、OS本体に32bit版が選択されているところも効いているかもしれません。(64bit版の方がどうしてもOS本体の消費メモリが増える)

・8.9型液晶のサイズ感が絶妙

9型以下の小さな液晶を搭載していることで、表示される文字やアイコンなどのサイズが小さすぎるのではないか、と心配もされると思います。ですが、普通のノートパソコンを使う距離で利用する限り表示される文字が豆粒になることもなく、実用性の高い表示が行えます。

また、本体の幅が狭い側の液晶の外側の枠の部分(通常「額縁」)が非常に狭く作ってあるため、成人男性の普通の手だとギリギリ片手で掴むことが出来るコンパクトな横幅に収まっている部分がタブレットとして使ったときの使用感をよくしています。

本体のコンパクトさは少し犠牲になっていますが画面の長辺方向の額縁は広めに取ることで、画面を横向きにしてタブレットモードで使うときの指のかかる部分を作りつつ、セットになっているキーボードのサイズも確保しています。

このおかげで8.9型の小さめの液晶を搭載する機種ながら、キー配列にあまり無理のないキーボードを付属させることに成功した形です。

付属のキーボードはキーピッチが16mmそこそこの小さなものですが、成人男性の標準的な手の大きさと思われる著者の手では、慣れればごく普通にタッチタイプによるそれなりに高速の入力にも十分に耐えるキーボードに仕上がっています。

定価でも3万円+α程度で販売されている機種ですから、キーボードにかけられるコストはしれたものだと思うのですが、
薄型の割にはキーストロークもしっかりとあり、クリック感も非常に良く、いい意味で期待を裏切られたキーボードです。

・物書き用PCとして

CPUはタブレット向けのATOMプロセッサで絶対的なパワーはありませんが、様々な部分の上手い作り込みで、どこにでも気軽に持って行ける物書き用PCとしては素晴らしい仕上がりになっています。

キーボード側はプラスチック製ですが塗装が上手く、安っぽさを感じない作りになっていますし、タブレット部分は金属外装でこちらはより高級感があり、使っていてもいかにも堅牢そうな安心感があります。

モノは台湾のASUSの手になるT90Chiという機種ですが、インテルのATOMプロセッサに関する方針の変更で、このタイプのPCがなくなる危機にあるというのは本当に残念に思います。